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ABCお笑いグランプリとダウ90000と陰と陽

リアルタイムでは見れなかったけど情報遮断したままその日の夜に見た。途中でうっかり優勝者を知ってしまったけど。やっぱ賞レースはリアルタイムでみるべき。
ABCとダウ90000については去年も書いてたのでなんか今年も書いてみることにした。

去年の『独白』は演劇の手法に触れたネタで、演劇の仕組みをイジってる以上コントでしかないのは蓮見くんの言う通りだけど、ぱっと見は演劇に見えてしまって、ダウ90000の浸透具合も今年よりはまだまだだったこともあって、悔しさの残りすぎる結果だった。僕自身にとってもすごく好きなネタだったから、悪く言われるのはけっこうショックだった。そんなことないんだって世間に知らしめてほしかった。

それでまた今年決勝まで進むのは本当にすごい。
目新しさってアドバンテージがなくなって、去年の決勝の結果もあって、それでも勝ち上がってきたんだから。

今年もファーストステージ敗退で結果だけ見れば去年と一緒だけど、中身は本当に違った。贔屓目なしにすごくウケてた。と思う。
かまいたち山内(だったと思う)が本気で獲りにきた賞レース向けのネタを仕上げてるって言ってた通り。陣内もコントって認めてくれたしね。
負けはしたけど相手が令和ロマンじゃもう仕方がない。
決勝同点でファーストステージの得点で優勝が決まったから、令和ロマンの優勝を阻止したのはダウだったとも言える。ダウに1位票(というか令和ロマンより上の順位)が入っていたならの話だけど、その可能性は十分にあると思う。だとすれば来年以降もまた令和ロマンと戦う羽目になったわけで、(ファイナルステージの他の組はラストイヤーだったから)ある意味自分で自分の首を締めちゃってるかもしれないけど。
あと「∞のコント空間」ってキャッチコピーめちゃくちゃいいよね。8人組の8とかけて∞なのかな。というかもう番組側がコントって言ってくれてるじゃんね。

「陰」と「陽」

ちょっとだけ気になったのは、アンガールズ田中が(はっきりとその言葉を使ってはないけど)ダウを陽の集団、陽のコントとして扱っていたこと。陽って要約すること自体もう本当によくないんだろうけどわかりやすさのために許してください。以下カギカッコつけるので。
#ハスマナ で「陰」とか「陽」とかもういいだろって話をした直後だっただけに考えさせられてしまう。

田中がどういう意図を持って発言したかはわからないし大した意味はなかったのかもしれないけど、やっぱりダウは「陽」に見えちゃうんだなって再認識してしまった。メンバーのパーソナリティを知っていれば、上原とか園田とかが「陽」なわけねーじゃんって思えるけど、まだまだ個々は知られていない。というか8人いるせいで個々が知られづらいというジレンマ。

芸人は「陰」の人間が多くてそっちが評価されやすくて、でも最近流れが変わってきて、例えばコットンとか、「陽」も評価されるようにはなってきてるみたいではあるけど、まだそういう区分けをしてしまってる時点でどうなんだって話ではある。

「陰」と「陽」の境目はもちろんはっきりあるわけじゃないけど、「陰」側だと自覚する人は、学生時代彼女ができなかったとか女友達がいなかったって人も多いだろうし、その視点からは、
・男女4人ずつ
・女子にこれからご飯行く? って誘われてる
・彼女ができたから断っている
・(蓮見くん以外の役が)友達の彼女の話を聞き出せる関係性
なコントを見れば「陽」って思っちゃうのも正直仕方がないし、それは十分に理解できる。
ただ冷静に考えれば、声優学校に入ってしかも中退してるような人が所属する集団が「陽」なわけないけどね?

これは僕の勝手な想像だけど、現代はSNSが発達したりアニメとか漫画みたいな所謂オタク文化がかつてより受け入れられるようになったりしてることで、「陰」の人間でも友達は作りやすくなっていて、異性の友人もできやすくなってるんじゃないかって思う。
田中の学生時代と今とでは、異性の友人の有無と「陰」か「陽」かの結びつきの強さはぜんぜん違う。んだと思う。

去年と今年のABCを踏まえて、ダウ90000にとってファーストインプレッションとの戦いは想像以上に大きなものになってしまうのかもしれないって感じた。
今回はウケてるから大きな問題じゃないけど、それでもやっぱり、なんだ「陽」の集団か、とか、お笑いじゃない演劇じゃん、とか食わず嫌いされたら悔しいし、仮に今後の賞レースで(無意識的にであれ)歓迎されない空気や評価に影響すればあまりにもやるせない。ひとつ乗り越えるべきハードルが多いのかもしれない。

でも去年のKOCファイナリストかが屋をはじめそうそうたるメンバーに勝って決勝まで来てるんだから、そういう意味で評価はちゃんとされてるんだから、時間はかかるかもしれないしもどかしいかもしれないけど、きっと必ず世間に届くはず。

このことを蓮見くんがどれだけ気にしてるかはわからないけど、去年の『オーディション』みたく、蓮見くんが書く全員「陰」のコントは、正直、見てみたい。

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