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All That Remains 『The Fall Of Ideals』(2006)

アメリカ マサチューセッツ出身のメタルコア界超重要バンドAll That Remainsが2006年に発表した3rdフルアルバム『The Fall Of Ideals

Killswitch EngageAdam Dutkiewiczによってプロデュースされたこのアルバムは、ビルボード初登場75位に入ったある意味彼らのデビュー作とも言え、特に映画『SAW3』の主題歌にもなった『This Calling』の超絶シャウトで世界が驚嘆と共に彼らを強烈に認知させられることになる。
純粋なメタルコア—-激烈で破壊力のあるエクストリームサウンドと、美しく叙情に満ちたクリーンパートを最高レベルでミックス——が全編を通してビンビンに伝わってくる一枚。

The fall of ideals

OliMikeのツインギター、Jeanne嬢のブリブリ鳴らすベースが聞ける初期の黄金期の体制、Black Dahlia MurderのドラマーのShannon Lucasが参加した唯一の作品であり、彼の持ち込んだ強烈なアグレッションも必聴ポイント。

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Philip Labonte – vocals
Oli Herbert – lead guitar
Mike Martin – rhythm guitar
Jeanne Sagan – bass guitar
Shannon Lucas – drums
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■This Calling
狂気の「イ゙ィヤ゙ァァァァーーーーッ!!!」
から幕を開けるThis isメタルコアなヘヴィチューンにして彼らの出世作。
Philipのデスとクリーンボイスの最高レベルの歌い分け、エッジの効いたタイトなリズム隊の演奏、のっけから鳥肌が止まらない。

■Not Alone
やや複雑さを見せるリフと、魂のグロウルがいい感じにミックスされていて問答無用のヘドバンパートから始まる。
そしてその衝撃を上回るのが爽やかなクリーンパート。
アドレナリンが勢いよく噴出してしまう。

■It Dwells In Me
エッジが効いたタイトなバンドサウンドにラボンテ氏の強烈なグロウルと強靭なクリーンVoが乗る。
テクくてピロピロしたギターも聴きやすい。

■We Stand
適度に様々な展開を見せるちょいプログレチックなメタルコア。
2:15〜のグルーヴ感たっぷりのギターソロはクールの一言。もう脳内モッシュしすぎて会場から出禁喰らうレベル。

■Whispers (I Hear You)
近代メタルコアにおける典型的なエッジ効きまくりの刻み型リフをベースにしつつ、一瞬の完全無音を入れる事で緊張感を極限まで高めている。Oli とMikeのギター隊が凄くいい仕事してます。

■The Weak Willed
ミュートガンギマリで煽りまくる高速リフから、コーラスでは極限までブレイクダウンするという落差が極端なチューン。


■Six
『This Calling』と並んでこのアルバムを代表する曲。
冒頭から狂気のアグレッションと共に疾走し、ヘッドバンガー達の頭を強制的に振らせたかと思いきや、突如としてクリーンな美メロを響かせ泣かせにくるPhilip Labonteの罪深さ。
クリーン&ヘヴィなギターソロも号泣三昧です。
All That Remainsに出会えて良かった。
メタルが好きで良かった。


■Become The Catalyst

図太いサウンドと挑発的なリフにリードされながら展開する剛毅なメタルコア。
Philipの歌の変幻自在ぶりにも驚嘆。ゴリゴリにグロウルした後、ややもすると線が細くなりがちで難しいクリーンパートも強靭かつ伸びやかに歌いあげている。
Shadows Fallにいた時も好きだったけど、確実に上手くなっている。


■The Air That I Breathe
ヘヴィメタル然とした鋼鉄リフにパワフルなボーカルが乗る事で逞しいサウンドになっている。

■Empty Inside
どことなくTriviumを感じる曲。
喚き散らし系デスボイスやブラストビート、爽やかなギターソロもあり、色々と詰め込んできた感のある曲。


■Indictment
引っかかりのあるバッキングギターでスキルフルな一面を見せつけつつ、Shannonのアグレッシブなドラムが最後まで圧倒する曲。
最後にブレイクダウンして終わるのがいい。


総合満足度 90点(限りなく理想のメタルコアに近いレベル)

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