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Cancer Bats『Hail Destroyer』(2008)

カナダ トロントを中心に活動するハードコアバンドCancer Bats

2004年にリードボーカルのLiam Cormier とギタリストのScott Middletonによって
トロントで結成。EntombedRefusedBlack FlagLed ZeppelinDownなどから影響を受けたサウンドクリエイションで、2006年に『Birthing the Giant』でデビューした。

2008年にベースのAndrew McCrackenが脱退し、Jason Bailey(後にJaye R. Schwarzerに交代)して作成された『Hail Destroyer』は、カナダAlexisonfire のWade MacNeilや、Billy TalentのBen Kowalewiczをゲストボーカルに加えDistort Entertainment(カナダ)、Metal Blade Records(アメリカ)からそれぞれリリース。

このアルバムは、ハードロックやパンクの爽やかさをベースにしつつ、前作よりもハードコア色がより強く出ており、
各方面で軒並み高評価を得ることになる。
特にKerrang!誌では2008 Album of the Year にもノミネートされ、表紙を飾るなど一流バンドの仲間入りを果たした、まさにターニングポイントになる一枚。

Hail Destroyer

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* Liam Cormier – lead vocals
* Scott Middleton – lead & rhythm guitars, bass, backing vocals
* Mike Peters – drums, percussion, backing vocals


■Hail Destroyer
図太いパンキッシュなサウンドにLiamの暑苦しいシャウトが全力咆哮する開幕チューン。
荒々しいグルーヴも健在で徹頭徹尾メタルコアしてる曲。

■Harem Of Scorpions
エッジーなギターワークと波打つ爽快なグルーヴをこれでもかと押し付けてくるハードなナンバー。

■Deathsmarch
シンプルなコードワークで攻め切るミドルテンポの王道ハードコア。
かき鳴らしたギターに粘りつくようなシャウトがモダンヘヴィネスの良いところを全て表現していて強烈な一曲。

■Regret
軽快なドラミングとジャリついたディストーションサウンドで細かく跳ね回るギターに思わず頭が振れてしまう麻薬チューン。
70年代のクラシックなハードロック(Rolling StonesやAerosmithなど)とパンクを足し合わせて現代風に再解釈したような曲。

■Bastard's Waltz
ブルースの影響が色濃く出たサザンロックテイストの曲。
短いながらも印象抜群のギターソロもありZakk Wylde のBlack Label Societyの雰囲気も感じる。

■Sorceress
ザクザクギター、縦ノリ上等のモッシュ誘発型の破壊力抜群の前半と、ギター弾きまくり大会のサークルピット誘発型の二大ブチ上がりパートで構成されている疾走チューン。

■Lucifer's Rocking Chair
Liamのダミ声がねっとり張り付くスローなチューン。

■Let It Pour
シンプルながら勢いに満ちたガッツリハードコア。Five Finger DeathPunchや或いはPantelaの流れを汲む一切妥協を許さない硬質なサウンド。

■Smiling Politely
ハーモニクスを効かせまくりのキレッキレのギターとドスの効いたドラミングが煽るミドルテンポチューン。

■Pray For Darkness
2分足らずの中に制御不能なパンキッシュグルーヴを醸しながら、一発ギターソロや重々しいブレイクダウンも挟むコッテリなコアチューン。

■PMA 'Til I'm DOA
フックの効いたノリとロックンロールのスピリットが弾けてまざる軽妙なチューン。
喚き散らかすLiamも絶好調。

■Zed's Dead Baby
ブルータルなリフと野生的な咆哮が先導するパンキッシュなナンバー。
アルバム最後なのに全力でシャウティング。
ここに来てややワンパターンな感じはするが、勢いは衰えずそのまま突っ走る。


総合満足度 81点(偉大なるワンパターンラブなレベル)

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