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AS I LAY DYING『Shaped By Fire』(2019)

アメリカ サンディエゴ出身のメロディックメタルコアバンドAS I LAY DYING(通称AILD)の前作から7年振り、通算7枚目のアルバム『Shaped By Fire』。

2001年にデビューアルバム『Beneath the Encasing of Ashes』をリリース。デビュー当時はクリスチャンメタルバンドと呼ばれる事もあったが、VoのTim Lambesisは後に自身は無神論者だと発言。
完全にビジネスクリスチャンでした。

その後はOzzFestのヘッドライナーを務め、LoudParkで来日するなど順調にキャリアを重ねるも、2013年にTimが妻の殺害を1000ドルで依頼したという殺人教唆の罪で逮捕され、一度バンドは事実上解散。

残されたメンバーはOH, SLEEPERのShane Blay(Vo)とWOVENWARというバンドを結成。
2016年末に保護観察の元、Timが釈放されるも目立った動きはなく、誰もが再結成を諦めかけたが、
2018年に突如、活動停止前と全く同じ黄金期の5人で復活、レーベルをNuclear Blastへ移籍してリリースされたのが本作『Shaped By Fire』である。

Shaped By Fire

生暖かい目でまずは様子見…と思っていたファンの不安や期待を軽々と超えて行くメロディックなギターワーク、ヘヴィネス、TimとJoshね感情豊かなvoice、嵐のようなドラミング、

控えめに言って最高です。

リリース前はリハビリ作とか言ってごめんなさい。

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Tim Lambesis – lead vocals
Nick Hipa – guitar, backing vocals
Phil Sgrosso – guitar, backing vocals
Josh Gilbert – bass, clean vocals
Jordan Mancino – drums
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■Burn To Emerge
復活を告げるチャント。

■Blinded
跳ねるように激走するリフにトレモロリフ、初っ端から激怒のグロウルと突き抜けるようなクリーンなコーラス。
激情と叙情が濁流のように迫りくるメロディックメタルコア。
7年も待ちわびたサウンドがいまここに。

■Shaped By Fire
テクニカルで重いタフなギターリフにTimの唸りがずっしりと乗る。
コーラスの「Shaped by Fire〜〜♪」はライブではスタジアム全体を揺らすシンガロングになるでしょう。


■Undertow

小刻みなギターリフ、デスとシャウト掛け合い、キャッチーなコーラスが混ざり合い、中間部に強烈なブレイクダウンを挟む、カオスながら統制の取れたメロコア。

■Torn Between
切れ味鋭いDjent系のギターワークに導かれるように煽情的なメロディが展開されるエモいofエモい曲。
ギターソロはどことなく北欧の哀愁を帯びたメロディアスな旋律が差し込まれてくる。

■Gatekeeper
開幕ブラストビートからブルータリティ溢れる怒涛のようなディストーションに歪んだ音の洪水。
狂気と憤怒、激情の饗宴に頭が振られて仕方ない。

■The Wreckage
クリーンギターから勇壮に展開するミドルテンポの漢メタル。
コーラスではベーシストのJoshの魂の叫びが聴けます。
シングルカットして欲しいくらいの名曲だと思うんだが、他の曲も強すぎて敵わなかったのか…
 
■My Own Grave
熱いボーカルラインの後ろでギターが忙しく動き回るタイプの曲。
Bullet for my ValentineやTriviumのような2000年代メタルを想起させるサウンド。
キャッチーさと激しさのバランスがとても心地良く、なんと言ってもMVがカッコいい。

■Take What's Left
印象的なリバーブをかけたリフが特徴的な今アルバムの中でもトップクラスにメロディアスな曲。
印象的なメロディなのに一回しか使わないの勿体無い…というか、アレこのメロディどこかで聴いたことあるような…

■Redefined
クリーンな高音ボイスと叩きつけるような低音グロウルの高低の差でヘヴィに聴かせるコアサウンド。
2:25〜は頭を振る準備とメロイックサインを忘れずに。

■Only After We've Fallen
バスドラの地鳴りとともに始まり、トレモロバッキングにまたもや2000年代メタルを思い出し、思わずニッコリ。
そろそろ全国のメタラーの握り締め続けていた拳から垂れる汗で湖ができそうだが、そんなことおかまいなくこんなエネルギッシュな曲をぶち込んで来なさるあたり本当にこのアルバムで復活を機しているんだなと実感。

■The Toll It Takes
ストレートにエモコアな曲。
Timの筋肉質なグロウルはやや控えめに、Joshのメロディを丁寧になぞる突き抜けるクリーンVoが爽快感満載。
ギターソロもキレッキレで、手数も多い!
絶好調時のNickのプレイだわ。


総合満足度 90点(燃え盛る炎のようにテンションがぶち上がるレベル)

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