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KORPIKLAANI『Ukon Wacka』(2011)

フィンランドの森の妖精Korpiklaaniが世に出て幾年。
ようやく世間が彼らの存在に穏やかな笑みをもって気づき始めた頃、彼らはよりアグレッシブに、よりタイトに、よりメロディックに、そしてよりキュートに進化を遂げていた。

今作はそんな彼らの7枚目にあたる『Ukon Wacka』、2011年にNuclear Blastからリリース。

UKON WACKA


日本を含むワールドツアーを行ったり、様々なフェスに出演したことにより、バイキング妖精メタルとして曲の幅が広がったか?
真価が問われる一枚。
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Jonne Järvelä - lead vocals, electric & acoustic guitars, mandolin

Jarkko Aaltonen - bass

Matti "Matson" Johansson - drums, backing vocals

Juho Kauppinen - accordion, backing vocals, guitars

Jaakko "Hittavainen" Lemmetty - acoustic and electric violin, jouhikko, tin-whistle, recorder, torupill (bagpipe), mandolin, mouth harp

Kalle "Cane" Savijärvi - guitars, backing vocals
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■Louhen Yhdeksäs Poika
エッジの効いたギターリフとアコーディオンで愉快に幕を開ける。
ノリはまごう事なきコルピ印なのだが明らかにドラムのオシャレな拍や、バイオリンソロ、サウンドプロダクションに進化が見られる。

■Päät Pois Tai Hirteen
Perkele!!!から勢いよく始まる朗らかな森メタル。
ギターのヘヴィでフックの効いたサウンドが、めちゃくちゃ森の酒場へ誘ってくる。
バイオリンもなかなかテクいし、これはいいコルピ。

■Tuoppi Oltta
ジョッキビール片手に白樺の森の奥でヒゲまみれのジジイ達が騒いでいる画が容易に浮かぶ楽しいバイキングメタル。
Juho のアコーディオンとJaakkoのtin-whistle(なんかフルートみたいな笛)がかわるがわる奏でるメランコリックなメロディも耳に愉しい。

■Lonkkaluut
ベースがゴリゴリ主張するアグレッシブな正統派メタル。
民族臭は形としては残してはいるものの、サウンドや構成自体は別に普通のメタルバンドがやりそうな曲。

■Tequila
アルバム一、愉快で、軽快で、尚且つヘヴィで、パンキッシュで、酒が進む曲。
ヨンネの陽キャっぷりが現れまくった一曲。
(テキーラ生産地の)南米と真反対の北国を酒で繋いだMVも良い感じにアホっぽくて、センスが光る仕上がりになっている。

■Ukon Wacka
語りに似たぬったりと地を這うようなVoにギターが絡みつくスローヘヴィチューン。

■Korvesta Liha
正統派アメリカンハードロックなリフにバイオリンの旋律が勇ましく盛り立てる思わず拳を握らずにはいられない曲。
巻き舌気味で捲し立てるJonneのダミ声が良い感じで絡んで、やっぱりコルピ。

■Koivu Ja Tähti
パワフルなリフにフィンランドの民族楽器全部乗せました!みたいな土着メタル。
フォーキーな感じがとてもいいです。

■ Vaarinpolkka
民族系疾走インスト曲。

■Surma
物悲しい笛の音から始まる2分近い長いイントロが終わると突然歌い出す疾走系自然派メタル。最後はややダレる。

■Iron Fist
Motörhead のカバー。
良い感じにコルピっぽさが残っていて、なかなかいいカバー。


総合満足度 88点(聞きながらビール2缶が余裕で空いちゃうレベル)

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