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Fractal Gates 『The Light That Shines』(2018)

2018年にRain Without End Recordsから発表されたフランス産メロディック・デス・メタル・バンドFractal Gates の3rdアルバム。
あまり彼らを知らなかったのだが、色々掘っているうちに見つけてしまった優良メロデスバンド。

The Light That Shines

2009年にフランスで結成、2023年までに本作を含む4枚のアルバムをリリース。
質の高いメロディラインにSebastien Pierreの奏でるkeyboardのハーモニーがオシャレに絡まり、グロウルが雄々しく咆哮する王道派です。

バンドでいえば、Amon AmarthOmnium GatherumInsomunium あたりの北欧系に近いサウンドだが、柔らかいギターサウンドや豊満なバックサウンドがあるおかげで、より聞きやすい。

しばらくヘビロテ決定です。
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Vo/ Keyboard – Sebastien Pierre

Guitar – Stéphane Peudupin

Guitar – Arnaud Hoarau
Bass – Antoine Verdier

Drum– Jeremy Briquet
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■Visions X
インスト曲

■Breath Of Life
出だしからグルーヴィーで哀愁たっぷりのギターが体を揺らしに来る。モダンなサウンドでは無いがこれは良いメロデスの予感…!
コーラスではまさかの転調して高揚感をぶち上げてくるので要注意。

■Chasing The Line
ギターリフや2:18からのギターソロはWhitesnakeJudas Priestの血を感じるNWOBHMの古き良きヘヴィメタルの雰囲気ながら、しっかりと美しくメロディをまとめ上げている。
3分半というコンパクトな長さなのもまた良い。

■Infinity
この曲もグルーヴ感溢れるサウンドと流麗なギターに、Sebastien Pierreのグロウルがしっかりと乗る良質メロデス。
それにしてもこの咆哮ボイスがOmnium GatherumのVoに似ているなー

■Bound By The Time
演歌的なメロいギターでゆったりと始まり、だんだんとミドルテンポに上がっていくにつれ、メロディも奥行きのあるハーモニーも高揚感が増していく。
コード進行や展開は絶対に日本人ウケしそうなエモさを孕んでいるので、大きめのフェスに呼んで、早く色んな人に”見つかって”欲しい。

■Dreams Apart
ギターの優しく奥深いアルペジオが深く胸に響き、美しすぎるグルーヴ感のあるメロディの展開が聴くものの涙腺を刺激して止まない。
決して泣かせに来ているわけでは無い。あくまで爽やかデスメタルをやっているつもりなのに何故か泣いてしまう。

■Visions XI
優しいデジタル音が響く箸休め的なインスト曲。

■Faceless
Insomnium的な浮遊感のある雰囲気にオシャレなキーボードサウンドと好対照を成すグロウルが無機質に咆哮する。

■Arise
ザクザク切り刻むヘヴィなギターがお腹に響く。
ギターソロは激しく昇ったり降りたりを繰り返すテクニカル&メロディアスフレーズをコンパクトにかますセンスのよさ。

■Reborn
The メロデス!
ギターの美しい旋律、キャッチーなコード進行、コーラスのグルーヴィーでメロディアスな進行は一日中聴いていても飽きない。
自分はやっぱりこういうのが好きなんだなと改めて実感。

■The Light That Shines
アルバムタイトル曲。
Uli John Rothのスカイギターの如く天空に昇っていくかのような1:24からのギターソロが印象的。

■Seas Of Flames
しっかりとヘヴィなサウンドながら、奥行きのあるspaceyな空間系の美しさを持っている。
In Flamesに似てはいるが、彼らより色んな音を混ぜ込んでオシャレに作っている。
神秘的な魅力と、ヘヴィな落ち着きを併せ持つ素晴らしい曲。

■Visions XII
空間ノイズ風の音が静かに流れてアルバムの閉幕が告げられる。


総合満足度 93点(新たなゲートをくぐってしまった事を実感するレベル)

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