[月の文学館 月の人の一人とならむ]

初版発行:2018年7月10日
著者:和田博文
出版社:筑摩書房(文庫)
ジャンル:小説(アンソロジー)

 アンソロジーの良さは:
 1 偏った自身の選書からは手には取らないだろう作家と出会える
 2 1の場合の作家との相性云々リスクがアンソロジーという形態のお陰で
    比較的少ない
 3 ブックトークに似ているアンソロジーは編者によって一作品だけでは
    出ない良さが他作品との相乗効果で生まれる
 4 自身の力では同一テーマで集める限界があるところをカバーしている

 今回「月」をテーマに編まれた本書に作家だけ名を以下に記す:
 草野心平 佐藤春夫 堀口大學 浅田次郎 千家元麿 金井美恵子
 中原中也 川端康成 宮尾登美子 太田治子 安部公房 他
 国語の教科書だけの作家や名前しか知らない作家の文に触れることは案外と楽しい。 

 日本では明治4年(1871年)まで陰暦が使われていた長い期間がある。
 月の異名も多く存在するが、気になって調べてみると普段触れる異名は本当に少なっている。
 それでも、「花鳥風月」こうした言葉の中にも『月』は択ばれ枯れかかった水脈に似てはいるが月を愛でていた精神は受け継がれている。

 日々が慌ただしい生活だからこそ、電子書籍が無かった時代の本を時には読んでみませんか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?