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「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」

原題:Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn
監督:キャシー・ヤン
制作国:アメリカ
製作年・上映時間:2020年 109min
キャスト:マーゴット・ロビー、ユアン・マクレガー、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジャーニー・スモレット=ベル、ロージー・ペレス

 ジョーカーと別れたことを公言しないまま過ごしていたが、一滴の零れた水からのように記念の品から周知のことへと変わる。
 ジョーカーの束縛から解放は同時にジョーカーの保護という盾を失うことと同義で恨みの応酬を展開する中で裏世界を牛耳る残酷なサイコブラックマスクと戦うことになる。

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 原作コミック内容を知らない分、提供された物だけの判断では不満は生じにくい。それでも、登場人物(3人の女性)が Birds of Prey のことを指すのであれば女性らの紹介は浅い印象は拭えない。

 それでも、女性監督が描くアクション作品。登場人物も中心的人物は女性となると、男性が撮る作品とは異なる面白さはある。鑑賞者が女性か否かでアクションに求めるものがそもそも違ってくるだろうことを考えるとレビューに差が表れてきそう。
 戦っている最中に髪を束ねるシーンは、「(やっぱり鬱陶しい)サァ邪魔になる髪はまとめたわ、ここからは容赦しないわ」的な部分は女性には納得できるが長い髪を経験したことがない人には分からないかも。

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 女王陛下からアイススケーター、様々な役をこなすマーゴット・ロビーに見とれてしまう。「かわいい」を判断基準にする人には年齢を重ねることは嫌な言葉「劣化」になるのだろうが、彼女はそれを軽々と超える。
 左右違う色のアイシャドウと真っ赤な口紅をこれほど自分の物にしてしまう人はそうそういない。

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 とても予想外で新鮮だったのは、ユアン・マクレガーの悪役だった。
 元々それほど線が太い役をされる方ではない為、サイコパスには少し弱い演技ではあるが、静かな中にサイコを秘めた演技を楽しませてもらう。

 邦画では原作がコミックの場合、原作から完全に離れた実写になることが大半。それに対し、この作品も原作のコミック感を実写に残してのポップさは楽しい。
 それにしても、現実世界だけではなくコミックの中でも女性は地位・評価・権利等の為懸命に戦いを求められるのかと苦笑。
★★

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