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6:虹の橋

 Mauiへ発つ二日前、病状が急変し7歳の生を閉じた我家のSunny。ウサギの寿命は調べるものによって幾らか変わるが6~7年が一般的認識に近いかもしれない。2,3か月の幼い時だけはうさぎ用のケージ(それでも一番大きな物を択んだ)、その後は大型犬用のケージに替え、悪戯盛りが過ぎてからは昼間家族が居ない時間だけは可哀想だがケージの扉を解放してリヴィングの空間だけで過ごさせていた。
 狭い所にも閉じ込めず家の中を自由に動き家族と共に過ごし、食事も気遣っていたのでこの子は平均寿命より長生きすると信じていたが、最後はやはり病気に勝てなかった。
 まるで天国へ行く日を自分で択んだように私たち家族の旅行前に腕の中で目を閉じる。私の勤務でなかった日であったこともどれほど彼女に感謝したことか。
 人と変わらぬ火葬場を含めた一連を終え、どこを絞っても涙が出るのではないか?という悲しみの中でのMauiへの旅行だった。

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 利用した航空会社はハワイアン。機内でもSunnyの写真に涙している私に機内乗務員の方はとても優しく接してくださり「これから行かれるハワイはとてもspiritualな所ですから、きっと癒されますよ。」と慰め、飲み物まで眠られない私に持ってきてくださった。

 ペットロス、この言葉は好きになれない。そもそも「ペット」ではない「家族」なのだ。火葬は人と全く変わらない丁寧な見送りだった。人の言葉をしゃべられない彼女らと過ごす時間はおそらく人の赤ちゃんと過ごすに等しかったとSunnyが去ってから解る。それほど親密な、そして、充足した一緒の時間だった。こうしてあの頃と云ってもつい少し前を振り返っていると、いつものように足元に貴女が来そうで涙が出そう。

「虹の橋」の麓で先に天国へ行った彼らが私達を待っているという話がMauiの大空にかかる虹を見ていると信じられるようだった。

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