あび: Aviator

2022年宇宙飛行士選抜試験を受験した、とあるパイロットのお話。

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2022年宇宙飛行士選抜試験を受験した、とあるパイロットのお話。

最近の記事

心を満たすのは好きなこと?得意なこと?

とある悩み 前回の記事より、素敵な質問をいただきました。 私の人生においても沢山ありました。 好きだけど競合相手には敵わない 得意だけど、そんなに役に立たない 生きるって難しいですよね。 漠然とした不安を可視化できる1枚の絵 この質問に回答する前に、一つ本をご紹介したいと思います。 この「ikigai」という本は、日本で過ごした外国人が、日本人の生きがいについて、考察し著したもので、世界的ベストセラーになっています。 その円をビジュアル化しか下の絵になります。

    • 多様な経験

      成功する人が経験してきたもの こんな研究があるそうです。 子供のときから何かを専門的に鍛錬してきた人と いろんな経験をしてから専門にした人 どちらが最終的に成功するのかというもの 例えば、幼少期からゴルフの英才教育を受けてきた人と、 野球やサッカーを経てからゴルフに転向した人 どっちが成功するのか。 結論から言うと、いろんな経験を経てから専門にした人の方が、圧倒的に成功する人が多かったようです。 ジュニア選手として成功した人が、必ずしもシニアで成功できるわけではないとい

      • 折り返し地点

        ・宇宙飛行士受験から1年とちょっと 私は18歳で今の世界に入って、36歳で宇宙飛行士を受験して、あと18年くらいで仕事を引退すると思います。 人生の折り返し地点を周りながらこの数年を過ごしてきました。 18歳から36歳まではひたすらに自分を鍛えてました。 仕事、勉強、運動、人間関係 自分の目標のさらに一歩先に宇宙飛行士という高い目標があってくれたおかげで、本当に充実した人生を送ることができたと思います。 ただ、そこには自分が気付いていない、負の面がありました。 以

        • アウトリーチ活動ってなんだろう

          先日、とあるテレビ番組に出演しました。 終わってみてふと思い出したことがありました。 そういや宇宙飛行士選抜でやたらアウトリーチ活動勧めてたな。 ということで、今回はテレビ放映を行った上で感じた気付きについて書いていこうと思います。 ・幅広く活動を知ってもらう理由 なぜ、私たちは私たちの活動を広く世に知ってもらう必要があるのでしょう? 自己満足のため? 頑張りを認めてもらいたいから? テレビ局の視聴率が欲しいから? 志願者を増やしたいから? お金を稼ぎたいから? 有

        心を満たすのは好きなこと?得意なこと?

          月夜を歩く

          今日は中秋の名月ですね。 月を見上げた人も多いのではないでしょうか。 都会に暮らしていると、夜でも様々な光が足元を照らしてくれます。 なかなか夜の自然な光に出会うことはありません。 今日は夜と月と人間の目について書いてみようと思います。 夜に空を飛ぶということ 私たちは24時間365日、空の仕事ができるように訓練しています。 じゃあ夜も昼と同じように飛べるのかというと、全くそんなことはありません。 どんなに訓練を重ねても、技術の粋を駆使しても、夜を昼にすることはできま

          月夜を歩く

          夢を叶えたその先に見えるもの

          世の中には様々な仕事があり、皆が「夢に描いた仕事」をしているわけではありません。 そのため夢を達成した人は、さぞかし幸せな人生を歩むのだろうと思われます。 今日は、夢を叶えたその先に見えるものについて話をしてみようと思います。 私のいるパイロットの世界では、志した動機や現状の意識調査をすると面白いものが見えてきます。 「つらい」 「いつでも辞めても良い」 「飛ぶことが楽しいと思ったことはない」 「義務で飛んでいる」 「これが自分の使命だから」 これらの意見が多数であり

          夢を叶えたその先に見えるもの

          時間が無いんですよ!そんなあなたに。。。

          運動しよう! 英語を勉強しよう! 頭で分かっていてもできないんですよ。 毎日忙しいし、やらなきゃいけないことは沢山あるし。 平日は残業あるし、家に帰ってご飯食べてお風呂に入ったらもうこんな時間。 夜更かしして寝て、起きたらもう次の日。 休日には普段の疲れが溜まっていてとてもじゃないけど何かする気は起きない。 どうしたらいいんでしょう? ・何かを捨ててみる 何かを始める前に、今ある不必要なものを捨ててみるのはどうでしょう? 私の小学校の通知表にはいつも「整理整頓を頑

          時間が無いんですよ!そんなあなたに。。。

          英語でぶち当たった壁の克服方法

          米国から帰国した以降、ボランティアで英語の先生をやる機会がちょこちょこありました。 その中で皆が往々にしてぶち当たる壁について、私なりの対策方法を書いていきます。 ・英語の点数が伸びない壁 そもそも英語はアウトプットの学問です。 一度点数のことは忘れましょう。 それよりもどれだけ使えるかにフォーカスしたほうが有益だと思います。 今、受験期と同じく「関係代名詞がうんぬん」とか「単語が頭に入らない」という勉強をしているなら、やめてシャドーイングか英会話、英作文を初めることを

          英語でぶち当たった壁の克服方法

          英語劣等生が英語喋れるようになった話

          とある機会で英語のスピーチをさせて頂きました。 英語劣等生だった自分が、どのように海外の仕事でも困らないくらい英語を話せるようになったのかを綴り、誰かの気付きとなれば幸いです。 ・まずは自分の英語履歴 私は大学受験時、英語がとにかくネックでした。 入試でたまたま英語の科目がなく受験は乗り切れたのですが、大学入学してからは英語は一番下のクラス、19歳まではTOEIC350〜370点をうろちょろしてました。 私は、大学時代に漠然と「英語が喋れて運動ができる人間がかっこいい

          英語劣等生が英語喋れるようになった話

          自分的健康管理法

          健康維持や減量、筋力増強、頑張ってます 自分は、毎年航空身体検査に合格し続けなければならないということと、筋力と持久力を維持してならないということで、身体にはなるべく気を遣ってます。 現在、健康な身体と体型を維持できているのですが、自分のやってきたことについて、誰かの参考になればいいなと思ってこのnoteを書きました。 まずは自分ルールのご紹介 好きな物はあんまり我慢しない 一度に大量食いしない 寝る前2時間は食事をしない 睡眠時間はとる 筋トレとランは両方や

          自分的健康管理法

          遺す言葉

          この記事は先週から書き溜めていたものだったのですが、昨日、続きを書いている最中に、日本で重要な功績を残した方がお亡くなりになられました。 心からご冥福お祈り申し上げます。 以前命に対する価値観の話として記事を書きました。 ここで私は、死ぬ覚悟、命の授受について書き、多くの反響を頂きました。今日も命のことについて記事にしたいと思います。 私たちは遺書を準備しておくことを推奨されます。不慮の事故はどんなに気をつけていても、ある日突然訪れます。これは私に限らず皆様にも言えるこ

          宇宙飛行士へ挑戦した!

          今日はフレックス使って早めに帰宅。 今回の宇宙飛行士選抜試験、残念ながら通過はできませんでした。でも、得るものしかなかった1年間だったと感じます。本当に楽しかった。 私が宇宙飛行士を目指す理由の一番は「この国に育てて貰った沢山の能力、もし役立てるのであれば使って欲しい」というのが本音です。なので「いや、いいっす。」と言われれば「さーせん笑」と返すしかないのですが。 もともと健康だけが取り柄の平均的な子供だったので、私自身の実力は理解しているつもりです。「すごい」と言って頂

          宇宙飛行士へ挑戦した!

          命に対する価値観の話。

          Million ways to die, One way to survive 先日、野口宇宙飛行士の引退記者会見が行われました。そこで、語れれたこの言葉が印象に残った人も多いと思います。 宇宙兄弟にもこんあセリフがあります。 アズマの「死ぬ覚悟はあるか?」という質問に対し、ムッタは「こりゃもう死ぬなという瞬間が来たとしても、ギリギリまで生きたいと思いそうです。」と答えます。印象的ですよね。 たびたび宇宙開発に出てくるこの「生と死」について、今日は書いてみたいと思います

          命に対する価値観の話。

          開発者目線で考える怒りのマネジメント

          「私は温厚な人間です。」 とは言えません。怒りの感情を持つ度合いは人それぞれとして、怒りの感情を持たない人はいないと思います。アンガーコントロールなど、普段から気をつけている方もいらっしゃると思いますが、怒りはなぜ生まれるのでしょうか?開発者目線でつらづらの話していこうと思います。 「君には期待しているよ」で読み解く1つ目の因子 こう言われて皆さんどう思うでしょうか?「よっしゃやったるぜ!」と思う脳みそ筋肉な方もいると思いますが、恐怖を覚える人もいると思います。なぜでし

          開発者目線で考える怒りのマネジメント

          Crew Resource Management についてのお話。

          「JAXAの方が面接試験の出題範囲を教えてくれました!」 こんな見出しの記事を書いたら、絶賛勉強中の宇宙飛行士候補生候補生の皆様はこの記事を読んでくれると思いますが、すいません、残念ながらそんな事実はありません。では、もし私が以下のような題の記事を書いたらどうでしょう? 「JAXAの方が教えてくれた、安全の極意が発覚!」 皆さんきっと、このタブをそっ閉じすると思います。ではこれら二つの間にはどんな違いがあるのでしょうか? 今の自分にホントに必要? 二つの題にある決定

          Crew Resource Management についてのお話。

          明日の命は誰が守るのか。

          「人は信頼しても、人の行動は信用するな」 人間は不完全なものなので、必ずミスをします。 ミスで大切な仲間、自分の命を失わないために、上の言葉を私は暗示のように自分に言い聞かせています。 下にあるのは職業別死亡率のランキング ・10位:建設労働者(死亡率11.8) ・9位:電線作業員(死亡率21.5) ・8位:農業労働者(死亡率21.8) ・7位:トラック運転手(死亡率22.0) ・6位:製鉄、製鋼工(死亡率25.2) ・5位:ゴミ収集業者、リサイクル材の回収業者(死亡率

          明日の命は誰が守るのか。