見出し画像

アビスパ福岡と共に

皆様こんにちは。
本田拓郎(Takuro Honda)と申します。
この記事へお越しくださいまして、ありがとうございます。

 このnoteでは、今現在観光業に就いている私が、私の目線で、「観光・旅行・歴史・文化・教育」について、知識や新たな発見の提供、その他自論を展開し、古代ギリシャでいう「アゴラ」のような場所を目指します。私が勉強していることを皆様とも一緒に学ぶというスタイルで、記事を創っていきます。

 今日はちょっと、どうしても書きたいテーマがあったので、それについて書きます。私がこの世で最も愛するサッカークラブです。

拙い文章力ですが、
最後までお付き合い、お願いいたします。

1. 気が付けばアビスパ福岡を応援していた

 正直、いつからアビスパのことを好きになっていたか覚えていない。初めて見に行った試合も、誰が出ていたかも、スコアがどうだったかも全く覚えていない。

 小学1年生の時から、地元のサッカークラブでサッカーを始めたけど、その時はダイエーが強くて、野球ばっか見ていた。でも、僕が住んでた家の近くで、アビスパの選手たちをよく見かけていた。小島伸幸、ビスコンティ、内藤就行はすれ違った時に握手をしてもらった記憶がある。

 小学4年生か5年生か、近くの競技場で、少年サッカーを対象にしたアビスパ福岡のイベントがあった。なぜか家にあったアビスパのユニフォームを着ていった。大人用だったからブカブカだった。イベントの最後に、選手たちからサインをもらうコーナーがあって、着ていたユニフォームにたくさんサインをもらった。多分、初めてサインをくれたのは宮崎光平だったと思う。

 小学6年生の時、クラブの同期みんなでファンクラブに入ってた。だからよく試合に招待されていた。その時のアビスパはJ1を戦っていた。千代反田充、中村北斗、田中佑昌、城後寿が躍動して、見ていてワクワクした。でも1年でJ2に降格した。

 気が付けば、年を重ねるごとに、ホームゲームに足を運ぶ数は多くなっていた。J1にいてもJ2にいても。父さんが働いている会社がスポンサーだったから、アビスパシートで見てた。鈴木惇のプロ初ゴールも、永里源気のドリブル単独突破も、大久保哲哉のスーパーヘッダーも、博多の森で見た。

 高校生くらいからチャントを歌いたくてバックスタンドにいたと思う。アビスパのチャントは歌ってる側も楽しいし、闘争心が沸いてくる。今でも歌いながら感動の涙を流す瞬間がある。

 大学生になると東京に出て、社会人になると大阪に転勤して、アウェイゲームも見に行くようになった。でも、博多の森で試合を見たい。アウェイゲーム後に思うのはいつもそうだった。

「めちゃくちゃ強いチームじゃないのに、なんで応援し続けるんだろう」

毎シーズンそう思う時が来るけど、いつも答えは出ない。でも僕の身体の中に、いつの間にかアビスパ福岡を愛する血が流れていた。どこから入って来たかわからない。でも、今の僕に、アビスパ福岡はなくてはならない存在だし、僕が死ぬまで、さっきの答えがわからないまま、アビスパ福岡を応援し続けるんだろうなってことだけはわかっている。

2. 彼がKINGになった瞬間

 何試合も博多の森でアビスパの試合を見てきて、今でも忘れない瞬間がある。多分、一生忘れないだろうし、サッカーを見ていてこんなに興奮した瞬間は今後目の前で起きないと思う。

 忘れもしない2010年9月12日。Jリーグディヴィジョン2第25節。アビスパ福岡は昇格圏の1つ下の4位というポジションで、3位のジェフ千葉をホームに迎えた。ジェフは前年に史上初のJ2降格の憂き目に遭い、戦力もまぁまぁ揃っていて、1年でのJ1昇格に燃えていた。

 アビスパは勝てば昇格圏の3位に浮上するというチャンス。こんな組み合わせあるのかってくらい絶好の舞台だった。でも、ジェフは強かった。開始早々に青木良太のスーパーミドルで先制された。ビビった。勝てないと思った。その後も佐藤勇人のミドルとか、めちゃくちゃ攻め込まれた。もう、怖かった。でも城後が抜け出して同点のチャンスが来た。ポストに嫌われた。やっぱり勝てないと思った。

 後半に入るとすごい雨が降ってきた。前の方に座ってた観戦客が後ろの方の濡れない場所に移動していた。後半もジェフペースだったけど、神山竜一が気迫のセーブを見せてくれた。試合終盤、光が見えた。田中佑昌が同点ゴールを決めてくれた。時計は。後半35分。あと10分。出来れば逆転してほしい。でも勝ち点取って次から負けなければいいや。そう思った時、彼がアビスパのKINGになった。

雷も鳴って、ボールもめちゃくちゃ滑ってて、疲労もあって、自分だったらこんなシチュエーションで絶対サッカーしたくない状況だった。中町が自陣ペナ前でボールを奪って前へ運ぶ。逆サイドで城後が走っていた。そこにボールが入った時、目の前が雷で光った。直後、城後が左足を振り抜いた。

 鮮明に覚えている。言葉で表せないくらいの歓声でスタジアムは揺れていた。歓声なのか、サポーターの咆哮とも言える轟音で揺れていた。僕も叫んでいた。周りにいた、その日限りしか会ったことがない人たちと、歓喜の瞬間を分かち合っていた。後半43分の逆転弾。アビスパサポーターの中ではベタかもしれないけど、アビスパの試合で、というよりは、サッカーを見てきた中で、絶対に忘れない瞬間だ。

 城後がシュートを打つ前の雷鳴。それが城後の戴冠式を知らせるものだったんだろう。スタジアムDJ信川竜太さんのスコアラーを告げる「城後寿ーーー!!!!!」の叫び。城後がアビスパのKINGになったことを世界に轟かせるアナウンスだったんだろう。

3. 愛されるクラブに

 このジェフ戦に勝った後、アビスパは3位をキープし、5年ぶりにJ1に昇格した。でも2011シーズン、1年でJ2に降格した。2015シーズン、セレッソ大阪を昇格プレーオフで振り切り、5年ぶりにJ1に昇格した。でも2016シーズン、1年でJ2に降格した。

 昨2020シーズン、コロナ禍で過密日程の中、12連勝、15戦負けなしの記録を作り、また、5年ぶりにJ1に昇格した。今シーズン、開幕節の名古屋戦。負けた。でも、負けた後の空気がどこか違った。

 2020年8月、僕が大阪から福岡に帰省した時、ホーム水戸戦を見に行った。負けた。その時はもう、なんか、重かった。誰も顔を上げてなかった。でもこないだは、前を向いていた。もしかしたら、もしかするかもしれないって、僕がちょっと浮足立ちそうになった。

 たしかにJ1経験が豊かなチームじゃない。多国籍軍でコミュニケーションが難しいところがあるかもしれない。でも、開幕節の試合内容も、負け方も、2020シーズンのアビスパとは違っていた。

 強いチームになってほしいと思うけど、絶対そうなれとは思ってない。J2に降格するのはめちゃくちゃ嫌だけど、どんなチームでもそんなことある。ナビスコカップ優勝経験がある大分なんか、J3を戦ってた時があったんだから。初代チャンピオンのヴェルディなんか、何年もJ1に昇格してないんだから。千葉なんてあれ以来J1に昇格してないんだから。

 ただ、中途半端なチームになってほしくない。J1とJ2を行ったり来たりするようなエレベータークラブになってほしくない。一体感があって、みんなハードワークして、勝ちにこだわって、負けた時は悔しがって、でも前を向いて、未来を見据えるチームになってほしい。そして、福岡の人みんなから、愛されるクラブになってほしい。

 とりあえず、2021シーズンは負けて始まったけど、最後にちゃんと目標を達成出来るように、1年間全力で闘い抜いてほしい。

僕は信じてる。

この記事が参加している募集

スポーツ観戦記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?