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【開催報告】PwC財団:多様な資金によるインパクトエコシステムの構築に向けて(AVPN Brown Bag Lunch Gathering in TOKYO 2024.2.9)

「AVPN Brown Bag Lunch Gathering in TOKYO」(ランチ持ち寄り昼食会)は、AVPNメンバーの皆さまが毎月集まるクローズドな会合です。戦略的フィランソロピーとインパクト投資の推進による社会課題の加速度的解決を目指すアジア最大のネットワークであるAVPNが厳選する、先進的な取り組み・ベストプラクティスを共有し、社会的なインパクト創出に向けた質の高い資金提供のあり方について議論・学び合い・協働の場となっています。


2024年第1回「AVPN Brown Bag Lunch Gathering」のご報告

2024年第1回目の「AVPN Brown Bag Lunch Gathering」が、2月9日(金)、AVPNメンバーである一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)の事務所にて開催されました。

話題提供者は、公益財団法人PwC財団事務局長の日向昭人さんです。

話題提供者の日向さん

PwC財団は2020年5月に一般財団法人として設立され、2021年5月に公益財団法人に移行しました。そのミッションは、「全ての人が活躍できる社会を目指し、テクノロジーで未来を創る専門財団として社会課題に取り組むこと」です。冒頭、様々な専門的ナレッジリソースを持ち合わせた企業発の財団として、設立の経緯や設立に込めた想いなどをご紹介いただきました。

同財団の助成事業の大きな特長は、PwC財団のメンバーがプログラムオフィサー(PO)として助成期間を共にしながらインパクト創出を目指していることです。その背景には、事業の進捗管理を行いながら、インパクトを出せるよう事業に伴走することが財団の役目との考えがあります。助成対象は、「法人格を問わない」という点も、興味深いところです。

多くの社会課題解決型スタートアップ(ソーシャル・ベンチャー)の経営者からは、VCからの投資を受けることで短期間で営利的な成長急カーブを描かざるを得なくなり、創設者が本来成し遂げたかった社会課題解決への取り組みに集中できなくなるということもよく耳にします。そのようなジレンマに対応をするべく、同財団の助成事業では、特にVCによる出資前のスタートアップをターゲットとしています。

「全ての人が活躍できる社会を目指し、テクノロジーで未来を作る専門財団」として「人間拡張・地方医療・地球環境・食料システム」など、これまでさまざまな領域に取り組んできたPwC財団のこれまでの助成事例などもご紹介いただき、銀行や助成財団、コンサルティングファームなどのバックグラウンドからなる当日参加者の熱い眼差しが向けられました。

PwC財団の目指す社会と特徴

後半のディスカッションでは、参加者から、助成先団体やプログラムオフィサーの育成、「リスクを負わない資金(=助成金)」を企業財団が出す意義、インパクトの測定方法など、様々な質問が寄せられました。これに対して、日向様からは、試行錯誤を繰り返しながらインパクトの計測を可能にするために必要な一定量のサンプル数(マクロな数値)が集まりつつあるという点に加え、リソース獲得に至るコミュニケーションの方法などをご共有いただきました。

日向様のお話の中で、これまでの助成事業における成功話・苦労話、資金の出し手としてインパクトを追求する財団ならではの悩み、今後「寄付や助成、投資など、様々な資金によるインパクトエコシステムの構築」を目指していく点など、クローズドな会でしか聞くことができない貴重な時間となりました。

ネットワーキングの様子

セッション終了後に開放された会場では、メンバー同士の名刺交換が積極的に行われ、情報共有とネットワーク構築が図られました。財団や金融機関、政府機関や中間支援組織など、所属は異なるものの、資金の出し手としての立場を同じくしたメンバー間での貴重な交流の機会となった「Brown Bag Lunch Gathering」となりました。

次回は、3月8日(金)を予定しております。詳しくは、以下をご覧ください。(次回から名称が 「TOKYO Visionaries' Gathering」 に変更となります。)

最後はメンバーで記念撮影

当日の参加者:18名(Foundation/Trust、Impact Fund、Government-related、Intermediary、University/ Research、Corporate/Financial Institutions、Service Provider、Network、AVPN staff)
ご感想:

「今回のBrown Bag Lunch Gatheringですが、登壇者様による有益な情報提供と事務局の皆様による積極的な参加者同士のコネクション作りの促進もあり、期待を上回ったものでした。今後もこのような会を開いていただけるとありがたいです。」(株式会社イースクエア  マネジャー 内藤 俊輔さん)

AVPNからのおしらせ

4月23日から25日の3日間にかけてアブダビで開催される、アジア最大のインパクト投資カンファレンス「AVPN Global Conference 2024」の割引が、3月6日(火)までとなっています。2023年は44ヶ国から1,329名が参加しました。ご関心がありましたら、お気軽に以下の「お問合せ先」までご連絡ください。

(ご参考)AVPN Global Conference 2023 in Kuala Lumpur(動画)

AVPNについて ”Moving Capital Towards Impact”

AVPNは、シンガポールに本部を置く戦略的フィランソロピーとインパクト投資の推進による社会課題の加速度的解決を目指すアジア最大のネットワークです。AVPNには現在33の国と地域から資金提供者である600以上の財団、企業、インパクトファンド、大学、政府、金融機関等がメンバーとして加盟しており、アジアを中心に世界14か国に90名以上のスタッフが所属しています(2023年7月時点)。アジア中のあらゆる資本を動員し、社会的なインパクトを生み出していきます。

メンバーの皆様には、アジア最大のインパクト投資カンファレンス「AVPN Global Conference」への割引参加、年に一度の「AVPN Social Investment Forum Japanご報告)」のご招待、定例の「TOKYO Visionaries' Gathering」等の特典があります。 

昨年度の「AVPN Global Conference 2023」
東京で開催された「AVPN Social Investment Forum Japan」
アジア各国でのAVPNメンバーの共創
東京でのAVPNメンバーの共創

AVPNメンバーには、資金提供者である財団、企業、インパクトファンド、大学、政府、金融機関等のみが加盟できます。ご関心がある資金提供者の方は、以下までご連絡ください。

お問い合わせ先(日本語・英語での対応)

japan@avpn.asia

日本語でのお知らせは、FacebookページとXでも発信しています。
https://www.facebook.com/avpnjapanoffice 
https://twitter.com/AVPN_Japan


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