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【クイーン伝説】3/3地獄へ道づれ〜荒木先生も推し【和訳】マイケル・ジャクソンとの因縁

さすがはクイーン史上最も売れた曲だけあって、一筋縄ではいきませんでした。

前回はこちら

一回目はこちら


長くなったので、3部構成でお送りしています。

1、エピソードとサビ分析

2、まとめや妄想

3、歌詞分析

今回は最終回です。

しかし、歌詞分析を始めると、1単語目(Steve)から長くなり、計一万字近くまでなってしまい、断念しました。

今回は軽いまとめにし、この長い妄想はまた今度にします。

よろしくお願いします。


概要

地獄へ道づれ
Another One Bites The Dust 
作詞者クレジット:ジョン・ディーコン
収録アルバム:ザ・ゲーム(1980)、グレーテスト・ヒッツ(2曲目/17)
シングルカットあり


スティーブ考察

スティーブについて考察したので、まとめます。

1回目でも触れたように、聖バレンタイン・デーの悲劇(1929/2/14)を基にしているとすると、スティーブもマフィア関連でしょう。マフィアに追われた正義の味方など、いろいろと考えられます。

スティーブの被った帽子は、マフィアやハード・ボイルド系のイメージの、ボルサリーノのような中折れ帽(なかおれぼう、ソフト帽)です。

50年代の俳優フレッド・アステア(ダンスの名手)の衣装や、

後のマイケル・ジャクソンのトレード・マークの帽子でもあります。


つまり、マイケル・ジャクソンに、客としては恐らく初めて演奏されたこの曲に、若きマイケルはかなり影響を受けたと思われます。


まぶかに被った帽子で、見事な足さばきでウォーク。

マイケルのヒット作の一つ、「ビリー・ジーン」のビデオでは、帽子はなかったですがジャケットを着たマイケルが、スキャンダルを追う記者か刑事みたいな男に付きまとわれ、その男は中折れ帽です。

ビリー・ジーンは歌詞はかなりスキャンダラスで、ビリーBillieは女性。ジーンはJeanですが、同音異義のgene(遺伝子)かもしれない(ビリー・ジーンは僕の最愛の人じゃないのに彼女はベイビーは僕の息子だと言ってくる)。関係はないと言われるが、ビリー・ジーン・キングは実在のアメリカのテニス女王で、フレディがクラブで遊んだりしていた。LGBTQ。歌い出しもクイーンがでてくる。ネコ科の動物が現れたりとか。

ビリー・ジーンのライブで、ムーン・ウォークが披露される。ムーンウォークは本当は違う技(月面ジャンプみたいな歩き)で、正式名称はバック・スライドという、昔からある知名度の低い技だった。マスコミが洒落た名をつけ、マイケルは否定しなかった。

とにかく、スティーブの帽子などの外見と、その歩き方のイメージがマイケルに与えた影響を考察した。


詞の謎

それでは、歌詞の内容について、妄想したい。

特徴的なベースで始まり、フレディの「ウー、レッツ・ゴー!」の後に、

スティーブが出てきて、マシンガンに追われていると説明的な歌詞が歌われた後。

いきなりリスナーに、

準備はいいか?(アーユーレディーare you ready?)ヘイ!

と、低いしゃがれたような迫るような声で聞かれ、

(死への、またはやられる)覚悟ができているか聞かれる。

戸の外に出れば、銃撃戦がおっぱじまる状況に巻き込まれる。


そして、コーラスは、

また一人、他の奴が砂を噛む、バン!

が続き、途中で、

ヘイ!お前もやってやる、
また一人、他の奴が砂を噛む。

と、またリスナーに迫ってくる。


二番

次の2番は、

キーが高くなっている。


感情的な歌い方。


おい、お前がいなくなったら、俺はこの先どうすればいいんだ?


お前とは誰か?誰のセリフ?スティーブ?


これは、共感性の高いセリフで、

相棒や恋人や配偶者、家族など、いくらでも当てはまる。


俺の持ってる全てを奪って、俺を蹴って追い出し、一人にした。
これで満足か?気が済んだか?
いつまでその熱に耐えられる?

戸口の外に飛び出せば、弾丸が飛び交う、

は、同じプリ・コーラス(サビ前)。


そしてコーラス(サビ)に入る。


このセリフは、フレディのマーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーンのイントロように、

恋人や相棒、バンド・メンバーやリスナー、家族、リーダー(メンター)、運命など、いくらでも当てはまる共感性の高いセリフ。

マーチ〜では、

本気か?×3、
本気になったらどうだ?
なぜ、僕は君を追いかけてるのか、
君はどこへ行くの?

という、感情の爆発後の茫然自失が表れる。


何か親密な人の裏切りや、突き放しのような関係が想起される。

ボヘミアン・ラプソディのロック・パートのような。


そしてサビの後は間奏が入る。

間奏はクイーンのお決まりのギターソロではない。

ジョンが作ったのだから、ジョン仕様なのか。

ひたすらリズムだ。

手拍子や逆再生みたいなSFチックなサウンド。フレディのアドリブ。

くらえ!という声とともに、ブライアンの雷音(ギター)が落ちる。(1'55")


そしてタイトルを連呼。

マイケルみたいな掛け声。

言っちゃいけない言葉も(2'33")。


3番

三番の詩は、一人の男を痛めつける方法はいくらでもあると。

ボラプのロックパートみたいに、石を投げたり侮辱したり見殺しにするのか。

ここでも相棒が裏切るような表現だ。

でも俺は準備ができて、自分の足で自立して立ってる、と。


一番の詩の最初の問いかけは、準備ができてるか聞き、最後には覚悟が決まった。

ちなみに同じアルバムの先にレコーディングされた「愛という名の欲望」(往年のエルビス風ロカビリー)は、まだ恋に心の準備ができていない(レディー・フレディー?)。


またサビが繰り返され、エンディング。

最後はジョンのギターだろうか。味がある。哀しげというか。

フレディのオーライが入り、ベースと、最後にドラムの連射で終わる。


総括

この曲はマイケルと切っても切れないと感じる。

若きマイケルは、クイーン(フレディ)に1979年頃に出会い夢中になり、力をつけていく。

フレディとジョンの力作の今作をマイケルに披露し、他2人(ブライアンとロジャーの初期メンバー)のテイストと違う曲をシングルカットして大ヒット。

1977年のアメリカ路線の時代の、ウィー・ウィル・ロック・ユーとチャンピオンでアメリカ二位まで行ったきりだったのが、

「愛という名の欲望」が悲願の全米一位になってから、この曲も一位になり、なんと畑違いのR &B部門も一位となり、

収録アルバム「ザ・ゲーム」自体も悲願の一位(1980)になったのはこの曲のおかげではないか。


この一件はマイケルの商業的センスの正確性を表しており、マイケル自身もプロデューサー?のクインシー・ジョーンズ?への発言力を増す。


相互作用だ。

そして1982年のスリラーにつながる。

クイーンの方はまたアメリカで返り咲いた。


因みに愛という名の欲望は、ジョン・レノンを復帰する意欲を出させたとも言われ、それが原因で暗殺された(12月)とも言われる。次のアルバム「ホット・スペース」で、フレディはレノンの追悼歌を載せるが、それを謝るかのようにも聞ける。ここにも作用が。

このように、マイケルとクイーン(新体制)が相互作用を及ぼし、互いに上がっていったように感じる。


もちろんマイケルには才能があるしオリジナリティに溢れるが、自信や背中みたいなものを感じ取ったのではないか?マイケルはソロ・プレーヤーだし孤独(四面楚歌)だから。

この曲のヒットはマイケルからのお礼のプレゼントで、さらに続きがある。

フレディから、バトンを受けたのだ。


フレディのソロアルバムに収録された「生命の証”There must be more to life than this “」セッションで、音楽家としてのミッションを受けた。

自分の民族性、人種を使って、平和なメッセージを歌うこと。


その時はまだ心の準備できなかったが(1981年?)、いじめられているように思っても、これはフレディが歳上(12歳上)として見せた背中だった。

この歌詞の三番のようではないか。

準備ができたのが、ウィー・アー・ザ・ワールド(1985年ライブ・エイド米版主題歌)やヒール・ザ・ワールド(世界を癒せ)、そしてブラックorホワイト(黒人か白人か、1991年)などの歌。


平和の歌を数多く残し、マイケルは最後まで言われた(言ったかは不明)とおり、ちゃんと責務を果たした。と妄想した。


まとめのまとめ

このように、この曲はクイーン最大のヒットだけあり、要素がたくさんある。まだ他にも論じたいことがあるが、ここまでで止めとこう。

ジョン・ディーコン(27歳くらい)やマイケル(ハタチくらい)などの若いパワーが爆発したということだと思った。

フレディは新しいイメージに完全にシフトし、生まれ変わる。弟子もできた(心の弟子)。髭をたくわえたマスターになったのだ。

1980年になるとともに、ヒゲなしおしゃれボーイ(達)からヒゲ・マッチョに変わり、かつての自分のような天使の声の若い才能溢れるマイケルに平和のメッセージを託した。

また、新しいクイーンの幕開けの曲でもあった。

後発メンバーのフレディとジョンが、ロックからファンク・ソウル、SFに向かっていった。

次のアルバム、ホット・スペースはまた失敗と言われるが、デビッド・ボウイとコラボでき、また奇跡が。ベースの印象的な「アンダー・プレッシャー」だ。これはボウイからのプレゼント。と思う。


奇跡は続いてく。

初期メンバーには不満かもしれないが、また新たなサウンドが生まれていった。


参考和訳

Another One Bites The Dust 
Written by John Deacon

(Ooh, let's go!)
Steve walks warily down the street,
With the brim pulled way down low
Ain't no sound but the sound of his feet,
machine guns ready to go
Are you ready (Hey), are you ready for this
Are you hanging’ on the edge of your seat
Out of the doorway the bullets rip
To the sound of the beat (yeah)
[Chorus]
Another one bites the dust
Another one bites the dust
And another one gone, and another one gone
Another one bites the dust (yeah)
Hey, I'm gonna’ get you too
Another one bites the dust
How do you think I'm going to get along,
without you, when you're gone
You took me for everything that I had,
and kicked me out on my own
Are you happy, are you satisfied
How long can you stand the heat
Out of the doorway the bullets rip
To the sound of the beat
(Look out)
[Chorus]
Another one bites the dust
Another one bites the dust
And another one gone, and another one gone
Another one bites the dust
Hey, I'm gonna’ get you, too
Another one bites the dust
[Bridge]
(Hey
Oh, take it
Bite the dust, hey)
Another one bites the dust
Another one bites the dust (ow)
Another one bites the dust (hey hey)
Another one bites the dust (hey-eh-eh
Ooh)
There are plenty of ways you can hurt a man
And bring him to the ground
You can beat him
You can cheat him
You can treat him bad and leave him 
When he's down (yeah)
But I'm ready, yes I'm ready for you
I'm standing on my own two feet
Out of the doorway the bullets rip
Repeating to the sound of the beat
(Oh yeah)
[Chorus]
Another one bites the dust
Another one bites the dust
And another one gone, and another one gone
Another one bites the dust (yeah)
Hey, I'm gonna’ get you, too
Another one bites the dust

(直訳+手直し)

スティーブは、つばを低く引き下げて、慎重に通りを歩きます。
(周りに)音はなく、彼の足の音のみ。(彼を狙う)機関銃は準備ができている。

準備はできたか?これの準備はできていますか?
座席の端にぶら下がっていますか(落ち着かないのか)?
出入り口を出れば、弾丸が裂ける
ビートの音へと(ええ)

[コーラス]
また一人死んでいく
また一人死んでいく
そしてもう一人消え、もう一人消えた
もう1人はほこりをかみます(ええ)
ねえ、私はあなたもヤるつもりです
また一人死んでいく

あなたがいなくなったとき、あなたなしで私がどうやってやっていけると思いますか?
あなたは私が持っていたすべてのものをうばい、私を蹴って追い出し、一人にしました。

あなたは幸せですか、あなたは満足していますか?
どれくらいその暑さに耐えられますか?
出入り口から出れば、弾丸が裂ける
ビートの音へと
(気をつけな)

[コーラス]

[ブリッジ]
(おい
ああ、くらえ
ほこりをかむ、ねえ)
また一人死んでいく
もう1人ほこりをかみます(ow)
もう1人ほこりをかみます(ちょっとちょっと)
もう1人ほこりをかみます(hey-eh-eh
ああ)
一人の男を傷つけて地面に倒す方法はたくさんあります。
あなたは彼を負かすことができます
あなたは彼をだますことができます
彼が倒れたとき、あなたは彼をひどく扱い、彼を置き去りにすることができます。
しかし、私は準備ができています、はい私はあなたのための準備ができています
私は自分の両足で立っています。
戸口を出れば弾丸が裂けて、ビートの音が繰り返されます。
(そうそう)

[コーラス]


韻(いん)に注目した歌詞和訳

スティーブは慎重に通り(ストリート)を歩きます 

(帽子の)つばを深々と引き下げた(ロウ)状態で 

(周りに)音はなく、彼の足(フィート)音のみです

(彼を狙う)機関銃の準備(ゴゥ)ができています 

準備はできたか?ねえ、あなたはその準備ができていますか? 

恐怖と興奮でソワソワ(スィート)しているのか?

戸口の外にでれば弾丸が炸裂し、ビートの音へと化す(ドラムの連射)

 [コーラス] 

また一人倒れる

また一人倒れる

そしてもう一人消え、もう一人消え、

また一人倒れる

ねえ、私はあなたも奪ってやる

また一人死んでいく

【2節】 あなたは私がどうやってやっていけると思いますか あなたなしで、あなたがいなくなったとき (ゴーン)

あなたは私が持っていたすべてのものを私から奪い

そして私を蹴って追い出して、ひとりにした(オゥン)

あなたは幸せですか、あなたは満足していますか? どれくらいその暑さ(ヒート)に耐えられますか? 

戸口の外に出ると弾丸が裂ける ビートの音へと

 [コーラス] 

また一人倒れる

また一人倒れる

そしてもう一人消え、もう一人消え、

また一人倒れる

ねえ、私もあなたを奪ってやる

また一人死んでいく

 [橋] おい ああ、くらえ ほこりをかむ、ねえ また一人死んでいく もう1人ほこりをかみます もう一人ほこりをかみます、 もう1人ほこりをかみます、hey-eh-eh ああ

 【3節】 あなたが一人の人間(男)を傷つけることができる方法がたくさんあります 

そして彼を地面(グラウンド)にダウンさせられる方法が

あなたは彼を打ち負かす(ビート・ィン)ことができます、

あなたは彼をだます(チート・ィン)ことができます、

あなたは彼をひどく扱う(トリート・ィン)ことができます そして、彼がダウンしたときに彼を置き去り(リーブ・ィン)にできます、

ええ しかし、私は準備ができています、はい私はあなたへの準備ができています 

私は自分の両足(フィート)で立っています 

戸口の外では弾丸が炸裂 ビートの音を繰り返す(ドラムの連射)

そう

 [コーラス] 

また一人倒れる

また一人倒れる

そしてもう一人消え、もう一人消え、

また一人倒れる

ねえ、私もあなたを奪ってやる

また一人死んでいく

【エンディング】 撃ち抜け そう 大丈夫

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