おもしろくて、不思議な本だった。

まず文章が読みやすくて、スイスイ進みました。
頭が疲れない。
読んでいて、展開のスピードが気持ちよかったです。きっと自分は陰の気が陽より多いんだろな。

この本を読んでいると、小さい頃の自分が顔を出してきました。トーンというかモードみたいなものが大人である今の自分ではなく、なぜか懐かしい子ども時代に調整されていく。初めてのストーリーなのに、学校の図書館で手にしたかのような感覚。

むらさきのスカートの女を読んだら、なんだか無性に、黙々と誰にも邪魔されず、何かに夢中になりたくなりました。小さい頃好きだったことを思い出したり、もっとこれしたかったのかなという素な願望が現れてくるという意外な着地点。

おもしろくて、不思議な読書体験だったなぁ。