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 このままきっと冬になる
 
 僕が選んだひとつの道から
 僕以外の全てが全力で
 反対の方向へ 手首を引いて

 その力の 源も意味も
 見つけられないまま
 
 そして 今度は
 有耶無耶のうちに 春になる

 だから多分 もうずっと
 僕は夏が恋しいのだ

 生まれてから 今に至るまで
 幻の季節を追いかけて

 幻の、海を
 太陽を 思い出を

 光だけを、追いかけて

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