リコ

短い言葉と、たまにイラスト(予告なく内容を修正・削除する場合があります) あんまり明る…

リコ

短い言葉と、たまにイラスト(予告なく内容を修正・削除する場合があります) あんまり明るくはありません。 元のブログ→泡の虹 http://mblg.tv/awaniji/  Twitter https://twitter.com/awanijiRiko

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初めまして

リコと申します。 今まで、ブログで短い言葉や、時々イラストなどを載せていました。 こちらでも、同じような内容のものを引き続き載せていきたいと考えております。 ブログの最初の記事にも少し書いてあるのですが、 元々ブログを始めたきっかけは、昔からたまに逆利き手で文字を書いたり、絵を描く練習をする時期があって、 ある日またなんとなく「逆利き手でノートに文字を書く」ということをし始めた時に、 書く文章が日に日に、少しずつですが長くなってきて、 ふと「書いたものを何かにまとめたいな」

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       幾何学模様の青い柱から、気持ちを汲みあげて、言葉にする。細い管を、手探りで捧げ持って。空に弾けることはできなくても、例えば棚のものを少しずらすような、そういう意志をもつだけで、回路が誰かと、繋がる瞬間だってある。待っている。小さいけれども何故かこんなに溢れている、そういうゴミを、思考の先の編み目のひとつが、散らしてくれる瞬間を。

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         今の空を君が、何処かで同じように見ていたとして、それだけのことで君との間に繋がりを感じられるほど、僕は心が綺麗ではないし、広くもない。そしてきっとだからこそ、僕は空を眺めている。君が好きだと言っていた、あの青に溶けてしまいたいと、そんなことばかり考えている。  知らなかったのだ、誰かを好きになった時、消えてしまいたい気持ちになるなんて。

        • 674

           いつでも歌が聞こえるような気持ちになるのは、本当にそうであることを望んでいるからなのだろう。誰かに自由でいてほしい、そういう権利を、期待できる世界であってほしい。気づいている、無いからこそ、欲しくなるのだということに。  欲しがることも、諦めることも、正解も失敗も、選びきれないまま、結局夜は明けてゆく。

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        初めまして

          673

           どうして君の声だけが、世界から浮きあがって聴こえるんだろう。鳥のさえずりとも、鈴の音とも少し違って、けれども川のせせらぎと、会話ができてしまいそうな声。そのことに、まだ誰も、気がついていない声。僕だけが、知っているままならいいのに、と思う。いつまでも、最後まで。

          672

           窓の隙間から滑りこむ、遠くの車の音を聴いていた。タイヤのゴムとアスファルトが、互いに相手を引っかき合って、海鳴りの様に泣いていた。潮の香りが恋しくて、ベランダの硝子戸を少しだけ開けた。何処にも届かない行為で、何処にも届かない願いだった。ただ、人間ひとりのひとりごとを、聞き流すみたいに受けとめるには、うってつけの閉じられた夜だった。

          自動着色

          自動着色

          671

           どうしてもと君が言う時、僕の世界に、美しい海が広がる。水平線を柱にして、赤や黄色のビー玉が散らばって、足の裏に白い砂が、温度を持って溢れ出す。願いごとも、軽口も、約束に繋がるからだと思う。何かを契った思い出が、記憶の裏で色づいている。そしてそれは、見えないからこそ、あまりにも鮮やかだ。たった今目の前にいる、君の瞳よりも、ずっと。

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           どんなに暑い季節でも  フローリングは冷たいし  雨が降れば 風が吹いて  人間の体と 心はもろい  色々なものを背負わされて  色々なものを 捨ててきた帰り道と  休日の夜に浴びる夜風は  どうしてこんなに違うのだろう  君なら 答えられますか  もしも 答えてくれるのならば  君が 答えられない問には  僕が 答えても構いませんか  人間は とても  あやふやで  曖昧で だから  そのかわりに  そんなことだけ 望んでもいいですか  そんなことくらい 望んでは

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           このままきっと冬になる    僕が選んだひとつの道から  僕以外の全てが全力で  反対の方向へ 手首を引いて  その力の 源も意味も  見つけられないまま    そして 今度は  有耶無耶のうちに 春になる  だから多分 もうずっと  僕は夏が恋しいのだ  生まれてから 今に至るまで  幻の季節を追いかけて  幻の、海を  太陽を 思い出を  光だけを、追いかけて

          658

           君の街におりる夜のとばりを  僕の、この手のひらだけが  ひけるとしたら、  他には何ひとついらない、  役目も よろこびも、  朝日でさえも。  君の心から  導きだされた囁きが  現実の大地を切り裂いて、  ながて君の足もとをすくう、  乾いた風が 僕の内側を駆けめぐる、  僕はまた、君という不思議が  花ひらくのを、観察する。

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           3人の僕が  別々の方向へ  歩いてゆこうとする  幻をみた  わざとじゃないから  引きとめられない  誰も 選べないから  何処にも行けない  眠れない夜は  かつて 遠くへ  歩きだした君を  思い出す  歩きだした 僕を  思い出す  意識の気配が  夢に漕ぎだして  星のまばたきだけが  ちらちらと 落ちてくる頃に  アルミでできた大きな月が  くるくる 満ち欠けするのを眺める  青い氷の 陸を散歩して  知らない街を 彷徨う君を  宇宙の影

          656

           鳥居の先の長い石段に  吸い込まれてゆく様な日常を  多分僕も 君も  心の何処かに ぽつんと置いていて  けれども 意識に登らないそれは  静かに ひっそりと廻りつづける  夜がきて 夢をみて  目の前以外が塞がれて  願望と 傷跡だけに  引きずられている間ならば  それはゆっくりと顔をのぞかせて  僕を 飲みほしてくれるのかもしれない

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           散らばる雲の端々に  淡くにじむ 夏の夕暮れを  僕は見るたび 大切に思って  そうして全て 忘れてきた  夜の気配が 街に染み込んで  紫色の香りがする  僕が閉じこもる 小さな箱の  四隅に星が 染み渡る  記憶の向こうに 何千ページ  何人分もの 物語があって  星が 夜が 夏の温度が  他の季節を  少しだけ多く 塗りつぶす  その全てが いつか  宇宙の色をした 君の  瞳の奥に集約して  星座の像を結ぶ日を  永遠の中の、そのたった1日のことを

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           君が心を打たれた  小説の一節よりも  百均で見つけた  雑貨だとか  友達と食べた  スイーツだとか  君の思う  イケメンの定義だとかの方が  ずっと 他人の興味を引けることに  多分 君はもう  気づいてしまっている  それでも 君が  最後まで手放さないものは きっと  人に見せるために  集めてきた何かより  ずっとずっと 小さな  たったひとつきりのものだ  君の心に何が見えますか  一番欲しいものは 何ですか  君が 最後にそれを望むなら  最

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           天気雨に洗われた  夏の手前の夕方の空が  透きとおって きらきらして  少しだけ歪んだ 硝子瓶みたいだった  自分を生きられない 誰かの影を  美しい夜が拭い去る  私は 私のサンプルを  均等に集めて 休日を待つ  嘘の甘さより  無味無臭の本当が欲しい  全てを 空白で塗りつぶす  そんな生活を、人生を    私は 今日も待っている