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 どうして君の声だけが、世界から浮きあがって聴こえるんだろう。鳥のさえずりとも、鈴の音とも少し違って、けれども川のせせらぎと、会話ができてしまいそうな声。そのことに、まだ誰も、気がついていない声。僕だけが、知っているままならいいのに、と思う。いつまでも、最後まで。

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