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 散らばる雲の端々に
 淡くにじむ 夏の夕暮れを

 僕は見るたび 大切に思って
 そうして全て 忘れてきた

 夜の気配が 街に染み込んで
 紫色の香りがする

 僕が閉じこもる 小さな箱の
 四隅に星が 染み渡る

 記憶の向こうに 何千ページ
 何人分もの 物語があって

 星が 夜が 夏の温度が
 他の季節を
 少しだけ多く 塗りつぶす

 その全てが いつか
 宇宙の色をした 君の
 瞳の奥に集約して

 星座の像を結ぶ日を
 永遠の中の、そのたった1日のことを

 束の間の、本当の
 夏の狭間に揺蕩いながら
 
 夢に見ている

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