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ヨウ素(Iod.)とタイムラプス④

ようやく、シンボル解釈らしい内容に辿り着きそうです。

ヨウ素は、光合成と消化についての元型イメージだ。
形のない領域から、形あるものへ転換する光合成(光エネルギーによって、植物はでんぷんを製造している)、形のあるものを燃やし、形ない領域のエネルギーへ転換するのが消化(でんぷん質の食べ物を消化し、エネルギーに変える)。

子どもの頃の理科の実験で、生のじゃがいもの薄切りに、ヨウ素を垂らすと染まる、というのをやった記憶がある人は多いかもしれない。私もそのシーンは覚えているが、それが何を理解するためだったのかはすっかり忘れていた。

元素転換を提唱したケルブランによると、ラミナリアなどの藻類は、花崗岩の中の錫からヨウ素を製造しているという。彼によると、錫+水素がヨウ素だ。錫というミネラルも、ヨウ素像と通底しているところがたくさんあり、体内で液体と固体、硬いものと柔らかいものの調節をしている。だから肝臓に関係するとされ、これは実際、いて座のシンボルの金属が錫であり、木星は肝臓と関連する臓器である、という話にもつながってくる。
必要なものと不要なものを区別する機能は、毒と薬を自ら定義し峻別するともいえるわけだ。
ちなみに、錫のレメディの精神像としてはかなり鬱々した感じで、断捨離をやってすっきりする一歩手前が錫、断捨離中、断捨離したくてたまらん!というのがヨウ素的、と捉えても乱暴だがあっているかもしれない。

というか、その、「断捨離する」領域がちょっとずれると阿鼻叫喚、というのが、ヨウ素的なのである。

毒と薬は紙一重、という基本原理にのっとり、この風景を感じた時、生贄物語や、人肉を食べてしまうひかりごけ事件、というのは、過剰に消費しすぎモード、と考えるとわかりやすいかもしれない。

あるいは、物語の時間軸が前後していて、本来であれば、果実が熟れ、熟れたあと飽和し、腐敗し、かたちを失っていく、という自然の順序があるのだが、先に生贄を捧げるあるいは、唐突に外から奪われてしまう、という体験があった場合、その経験者は物語の後半で、外から過剰に奪い返してしまうのだ。

この、「過剰に奪い返した」瞬間だけを切り取ると、それは加害行為である。瞬間だけを考えると、加害者が悪となるわけだが、その加害者も、ほとんど99%の確率で、彼の物語が理不尽に奪われ、殺されたという理由が必ず、ある。

ユブラジ・シャルマによると、ヨウ素は光泥棒だという。
確かに、そのあまりにも貪欲な代謝能力は、光を貪っているとも言えるだろう。

そして、光にも2種類ある。
虹やタマムシ、月のように、反射することで輝くタイプ。

あるいは、実際に燃焼によって光っている場合。
この、燃焼によって光っているというのは、ほとんど生き物全てがこれであり、人間も全員、光っている。オーラが見える人にはそれが見えているが、目に見えていなくても、みえない光(一般的な人の目には認識されない帯域の光)として、わたしたちは放出している。
仏像の後ろの光背は、オーラをわざわざ、アニメのようにわかりやすくデフォルメしたものだ。あるいは、仏陀やそのほか神聖なひとたちが生きていた頃、一般人でも目でとらえられるくらい、オーラの光が強かったのかも、しれない。

自ら光っているけれど、燃焼とは違う仕組みで光っているものがある。イカや、キノコや、発光バクテリアの仲間たち。これらは、総てではないが「ルシフェラーゼ」が関連していると言われ、その名前の通り、神秘学におけるルシファーが彷彿とさせられる。

白熱球と原理が同じであるハロゲンランプにも、微量のヨウ素(ヨウ素はハロゲン元素のひとつ)が封入されていることで、フィラメントの劣化を防いでいる。

光に関しては、構造色に関して大事なテーマがあるので後でまた書く。

どちらも、ある種の暴力性に満ちている。創造は破壊であり、破壊は創造である。


Photo by Lukas Bato on Unsplash
https://unsplash.com/@lks_bt

ヨウ素といえば、甲状腺ホルモンの成分である。甲状腺ホルモンが過剰になると、代謝が過剰になりすぎる。低下すれば、停滞し冷えやむくみ、うつを引き起こす。

レメディにおけるヨウ素像で気になる箇所は、「理由のない衝動(じっとしようとすると物を引き裂いたり、殺したり、暴力的な衝動が出てくる)」「できるだけ遠くに早く逃げなければ、という感覚」が記されている。

レメディ像は、基本的には、その元型イメージがその人の中で過剰になり、ほとんど憑依しているような状態を指し示している。

ジャン・ショートンは、ヨウ素のことを、ユダヤ人のような、難民、流浪の民の象徴的な性質そのものだ、と述べている

まさに、物語がlapseされてしまった人、な世界観なのである。

このことについて、もう少し丁寧に考察してみたい。

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