淡乃晶

都内を中心に舞台の脚本・演出やっています。クリエイター集団fragment edge代…

淡乃晶

都内を中心に舞台の脚本・演出やっています。クリエイター集団fragment edge代表。百合文化が好きです。 連絡先→info.fragmentedge@gmail.com

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プロフィール(活動履歴)

自己紹介淡乃晶 Awano Akira 作家。東京都出身の1991年生まれ。舞台や朗読の脚本・演出、イベント企画構成、シナリオライティングなどを行う。2014年に演劇集団fragment edgeを旗揚げ。以降、百合作品の創作をメインとして活動を続ける。 <<お仕事の依頼についてはこちら>> <<foiioでの紹介はこちら>> 直近の活動2024年3月下旬発売 SukeraSono『花様年華 -少女に飼われるペットな私-』(シナリオ) 2024年4月28〜29日

    • 『ムーンダスト・フレア』

      ○車の中 滝川「あまり運転上手じゃないので、ごめんなさい」 佐伯「代わります?」 滝川「いえ。佐伯さんも運転苦手そうだし」 佐伯「ご明察。免許証なんて身分を証明するためにしか使ってない」 滝川「いつも藤乃さんに運転させてたんですか?」 佐伯「私たちほとんど遠出しなかった。仕事で東京を離れられなくて」 滝川「私は沖縄行きましたよ? 藤乃さんと」 佐伯「へえ…。暑いの嫌がりそうだけど」 滝川「藤乃さんが行こうって言ったんです」 佐伯「(独り言のように)日焼け気

      • 淡乃晶・直近のスケジュールまとめ

        4月キミに贈る朗読会『春とみどり』ありがとうございました!Xでのたくさんの感想、嬉しいです。感想を読みながら、あらためて参加してくれたキャスト・スタッフ、そして観客の皆様の愛の溢れる公演だったと実感しております。本当に原作が素晴らしいので、手にとっていただけたら嬉しいです。 (事後物販もやってるのでぜひ!全巻ボックスセット買えます!) いろいろと製作裏話を出したい気持ちはあるのですが、またそれはタイミングをみて…!(まだ近いうちに動きがある、とだけはお伝えしておきます…!

        • キミに贈る朗読会『春とみどり』開幕によせて

          今朝ひとりトースターでパンを焼いていたら、ふと、自分の前からもういなくなってしまった人が、フレンチトーストを作ってくれたのを思い出して。すっと涙が流れました。 その涙は単純じゃなくて。悲しみも愛しさも入り混じったもので。ただただ、心が動いてしまう瞬間でした。 今週末4月28日・29日にキミに贈る朗読会『春とみどり』が上演されます。限られた時間の中で、キャストもスタッフもギリギリまで真摯に作品と向き合ってくれて、準備を続けて参りました。稽古も終わり、これから会場での調整を経

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        • 二十年代黙示録
          16本

        記事

          『天使と眠る - Angel fall asleep -』(未完)

          セイ&天使 『天使と眠る - Angel fall asleep -』 セイ  愛し方も愛され方もわからない。できないことがあったら、まず真似をしてみる。勉強も料理もスポーツも仕事も。まずは誰かの真似から。だから、人を愛することも、真似事から入った。 どうしてもわからない。いろんな人を付き合っても、私の愛は、毎回崩れる。 人は、私のことを嘘くさいと言う。けどこの嘘が私にとっては本物で、嘘が私で、私が嘘で。いつしか、感情は途方もない細波の中へ消えていった。   ※ セ

          『天使と眠る - Angel fall asleep -』(未完)

          『ウィスパー・スノウスケープ poetry』

          過ぎゆく景色 過ぎゆく記憶 はだしの私 過ぎゆく景色 過ぎゆく記憶 はだしの私 天井のない廊下を歩く こだまする 私ではない誰かの足音 その響きが愛おしく聞こえるから 果てしない 落ちるように 眠るように ふれた ゆりかごみたい な ぬくもり ぬくもりみたい な くらやみ くらやみ くらやみ やみ やみ それは、いえなかったこと それは、いわなかったこと ひみつ  ひみつ ふりつもって とけて あふれて わずかに光る 涙 澄み切った永遠にはな

          『ウィスパー・スノウスケープ poetry』

          『庭星鳴路』

          〈出演〉 第一幕 星の庭(演劇) (静けさが聴こえる) 庭子 ……ねえ、そこにいるんでしょ? どうしてって、ほら、あなたの呼吸がわかるもの −−−−なにもみえないのに……なんて、おかしなことを言うのね ……いるわよ。私、わかるもの。 説明? 野暮ったいこといわないで。もう、いつから鈍感になっちゃったの? 信じて。確かなものより、感じること。見て。感じることより、先のこと。 はじめは、暗闇だった。生まれてくる前の話。みんな暗闇にいたの。 形なんてない。

          『庭星鳴路』

          雑日記:『ただ捨てたって解決にはならない』

          自分の中からありとあらゆるものを捨てたら、本当に空っぽになってしまって、執着や情念が今まで以上に光輝いてみえるようになった。 感情的なものを燃やして生きていたけど「そういうのやめた方がいいよ」と大人ぶった心の声に従い捨て去ったら、生きる気力を無くしかけた。捨ててから「しまった、向いてなかった」と気づいた。 「俯瞰した方がいい」とか「客観視した方がいい」とか、頭では理解できるし、取り入れた方がいい時もあるが、それを主体とした生き方を選ぶのは自分には無理っぽいとわかった。世界

          雑日記:『ただ捨てたって解決にはならない』

          『ラストダンス・メモ』

          何回もはじまっておわる。 別れ際、いつまでこんな想いをしていくんだろう。 いつになったら言葉にできるんだろうか。 また「行かないで」と言えなかった。 いつだって私たちは、好きな気持ちを押し殺して、 何かを背負って、身に纏って、口を塞いで。 ちょっとした達成感と引き換えに、涙を流すのをやめてみる。 でも、止められなくて。 止められないくせに、終わり際だけかっこつけて。 一体誰のための優しさなんだろう。 わがままになっておけばよかったな。 でもあと一

          『ラストダンス・メモ』

          『朝。君がコーヒーを淹れてくれないので不機嫌』

          はあ……。 機嫌? 悪いよ、そりゃね。 ただでさえ朝弱いの知ってるでしょ? もうね、全然、目、覚めない。 いつでも寝れる。 はあ……。 朝ごはん、つくるかあ……。 ……。 ……フルーツグラノーラでいいかな、もう。 ……。 ……コーヒー、飲みたい。 …ねえ、コーヒー。飲みたい。 きみのコーヒーじゃなきゃ、私、起きらんない。 淹れてよー。ねえ、 いつも用意してくれてるじゃん。 なんだよ。勝手にハマったくせに。豆ばっか買って。 急なんだよ、いつもいつも。

          『朝。君がコーヒーを淹れてくれないので不機嫌』

          scene0816

          おー、おかえり。 私もさっき帰ってきたとこ。 電車、一本違いだったかもね。 …ん? …なになに、どした? 泣きそうじゃん。 ……。 ほら、こっちおいで。 ……。 ほーら、貴重な機会だよ? ……。 あと3秒でこないと抱き締めてあげない。 3、21。 ふふふっ、はやいはやい。 ……。 んー。 ……なにか、あった? (話を聞きながら、呼吸を合わせる) …顔、見せて? ……。 ラメ、涙で広がって、星の海みたい。 …きれい。 (キスをして) …

          雑詩たち

          思い出を箱の中に隠しました。 誰にも見られてはいけないから。 誰にも見せたくなかったから。 あの子の柔らかいところ、 知っているのは私だけでいいの。 祈っていた。二つのこと。 あなたを構成するありとあらゆる全てが 私のものになりますように。 そして、この慰め合う時間が どうか、終わってしまいますように。 細い繋がり。蜘蛛の糸。 一瞬の輝きを閉じ込めて。秘密にしよう。 蓋を開けなければ綺麗まま保存される、瓶詰めの記憶。 指と指を絡ませて、切れた糸を結び直して。 たし

          雑詩たち

          百合短歌(お試し)

          夜明け前 あなたに抱かれて溺れてる ずっとせつないままでいい やさしいね 寝言で呟くそのなまえ 知らない子の知らないはなし 背中越し 愛しい時間は吐息だけ 愛しい時間は吐息だけ 殺される幸福を知った夏 いたいすきいたいすきあーしんでよい  きみのために祈っていた どうかどうかと祈っていた 泣きたくない ペンを走らせるきみの指をみて 押し殺した温度がよみがえる 平穏を祈ります どうかあなたの傍に私がいませんように 溶けるようにくちびるをかさねて 解けるように真夏の

          百合短歌(お試し)

          『ネームレス・サマーメイデン poetry』

          夏の蜃気楼 はるかな水底 ゆらぐ世界 たしかに少女はそこにいた 夏の蜃気楼 はるかな水底 ゆらぐ世界 たしかに少女はそこにいた 夏の蜃気楼 きおくの狭間 けしきの流転 めぐりゆく瞬きの中に ふと 消えてしまった あの少女の声が きこえる 夏 ひそやかな静寂の中に ふと 消えてしまった あの少女の声が きこえる 夏 サマーメイデン きみの踊り をおぼえてる サマーメイデン きみの涙 をおぼえてる サマーメイデン きみの愛 をお

          『ネームレス・サマーメイデン poetry』

          断片メモ:『Aqua note』

          「他人の匂いが気になったのは、たぶん、はじめてだと思う」 雨はいつも、私たちの意思とは関係なく降り注ぐ。 雨音が粒立って屋根を叩く。 窓ガラスが風で揺れて。雫が風景をかき消して。 晴れやかな心の模様を裏切るように天気は陰りをみせる。 こういうのは迷惑だ。気が散る。 心なしか、勢いよく音楽室の扉を開ける。 ただし誰にも気づかれないようにするのは、 いつものように。用心して。呼吸は乱さない。 誰も居ない部屋には、 カーテンの隙間から差し込む明かりだけが色を指す

          断片メモ:『Aqua note』

          雑日記:『スーツを買いに』

          友達の結婚式に出るために、スーツを買いにいった。おそらく9、下手したら10年ぶりくらいに。仕事柄スーツを着る機会があまりなかったのだが、たまに所用で着ると肩まわりがパツパツになっていることが気になっていたので、いい機会だと思った。 前のスーツを買った時は役者をやっていて、身体も筋肉質だったし体重も今より15キロ以上痩せていた。書き物が中心の生活になってから体型が変わったので、「今後何かあってもおそらくインドア系の仕事につくから、しばらく身体が変化することはなさそう…」という

          雑日記:『スーツを買いに』