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静謐と震動 Lagosの巡業

4月13日よりリーディングキャラバンLagos vol.1『ハイドアウト・オアシス』が始まります。地下にある小さな空間で行われる秘密の朗読会です。信頼できるキャストさんたち・スタッフと共に、4つの物語を声と言葉と音で紡いでいきます。

去年「ブルーモーメントの指先」という公演をやってから、朗読というスタイルを突き詰めてみたいという欲求が生まれました。「朗読」と銘打っても、その上演のされ方は多様化している昨今、自分にとっての「朗読とは何か」を探したいという流れからLagosの構想を思いつき、今回公演をやってみることにしました。

今回のLagosでは、暗闇の中で少女たち2人がリーディングを行います。このスタイルを採用したのは、視覚情報を減らすことで、より声の表現に敏感になり、言葉の輪郭を思い浮かべたり、肌で感じることができる・・・と思ったからです。作品の内容的にも演出的にもディープなものではありますが、お付き合いいただければ幸いです。

ハイドアウト・オアシスは新作2本・旧作2本の構成なのですが、新作を書き過ぎたために上演時間が90分になってしまいました。申し訳ないです。(あと、ちょっと内容暗いかもです)朗読には、語り手とあなたが存在します。目で追うものではないので、上演中目を閉じても大丈夫ですし、極論別のことを考えたりしてもいいです。自分のペースで、言葉を感じたり、物語に参加してくださると嬉しいです。

稽古を重ねて終えた今、朗読は空間を創出する行為なのかもしれないと感じています。生身の人間がそこで読んでいる・掛け合いをしている・呼吸というライブ感はいうまでもなく、間や流れる空気を表現しながら、聞き手に情景や心情を浮かび上がらせることを、「読む」という表現で行う。ただ字面を追って読んでいるだけでは届き得ない境地。現実にいながら夢の世界を体感できる、不可視境界線上にある空間を朗読は作ります。それは、世界の隙間に現れる言葉と音のインビジブルバウンダリー。どこまでいけるかわかりません。それでも挑んでいこうと思います。

この2日間、リーディングキャラバンLagosの巡業が始まります。小さな会場ですので、荷物は軽めで。中野新橋にてお待ちしております。(下に地図貼っておきます)


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