のぞむとかなわない

望まなければ叶うかというとそういう訳でも無い
切なさを孕むことが当たり前のようになった生活
女子高生がエモいと言って横を通り過ぎるヨワい
強く望みすぎると壊れてしまう何かを持っている
ときどきどこへ向かえば良いのかわからなくなる
気持ちの行き場を失ってわたしが行方不明になる
行方不明のまま踊る踊りながら誰かを探している
もどかしさでどうにかなりそうな僕らを包むのは
熱風どこからともなく涙も乾く程に頬撫でつける
明日大地の近く遠くで時間の逆再生を待っている
落ちていく言葉を拾い上げる君の手は震えている
さすらう人たちに紛れ込み誰でもない誰かになる
忘れていくことが僕らの生きる術の一つだとして
揺らぐ記憶と沈めてきた沢山の記憶が波打つ海の
水平線上にまみえる一瞬の閃光だけに生きている

一連を君はバルコニーからゆったりと眺めていて

(2020/10/4)

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