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日本一の高さの鉄橋をゆく絶景の旅、高千穂あまてらす鉄道(宮崎県)に乗ってみた話


高千穂峡観光を終えてさらなる絶景を求め「高千穂あまてらす鉄道」へ。

かつて宮崎県延岡市と高千穂町の約50kmを結んでいた高千穂鉄道の高千穂線。
平成17年(2005年)に台風14号の水害の猛威により廃線になった旧高千穂鉄道の線路を、復興を願う沿線の有志が立ち上がり現在の「高千穂あまてらす鉄道」がアトラクションとして復活させた。地元の人々の熱い想いを乗せ、往復5km約30分をグランドスーパーカートで渡る。世界農業遺産に認定された高千穂の風景を眺めながら楽しむ絶景の旅。

グランドスーパーカート 出発時駅員さん総出で手を振ってくれた。

目玉の「高千穂橋梁」は高さ105m、大阪の通天閣にも匹敵するほどの高さ。
トロッコのような列車は屋根がなく、開放感満載。陽の光と風が心地よく包み込んでくれて、空と近いとような気がした。大自然を肌で感じることができる。

トンネル内

車掌さんの話を聴きながら自然を満喫していると、突然謎のイルミネーショントンネルがお出迎え。近くにいた赤ちゃん大号泣だったけれど、手作り感満載で面白かった。(笑)
トンネルを抜けると全方位山!の絶景が広がり、しばらく進むと天岩戸駅がお目見え。使われた当時のまま残っていて、待合室もあった。天岩戸駅なんてさすが神話の里って感じの駅名。

天岩戸駅

風の強さによってこの先の高千穂橋梁を渡れるか、このまま引き返すかが決まる。
この日はOKだったので、列車を一時停止して車掌さんが鉄橋へのゲートを開ける。(良かった!)全部手動なのも趣があって良い。
いざ、高千穂橋梁へ!さらに自然が開けて山や川、棚田が迎えてくれる。
この日はよく晴れた日だったので、真っ青な空も印象的だった。

棚田
高千穂橋梁からの眺め


驚いたのは棚田が太陽の光に照らされて美しかったこと。
写真だと微妙だけれども実際はかなり奥まで続いていて、とてつもなく良かった。感動した。

高千穂橋梁の真ん中で一時停車。この時間は列車内を立って動くことができる。立ってみると足が思わずすくみそうだったけれど、360度ぐるっと回転すると一面自然という感じで心地よかった。

風景を楽しんでいると、車掌さんがシャボン玉を吹いてくれた。
一緒に乗っていた子供からお年寄りまで幅広い年代の乗客が一斉にはしゃぐ。ふわふわと漂う姿が空の青さと山の緑ととてもよく合っていた。シャボン玉をゆっくり楽しんだのなんていつ以来だろう…。
いつまでも見ていたいと思う素敵な時間だった。

車掌さんの小話によると、この列車の燃料はとんこつラーメンのスープから作ったバイオディーゼル燃料を使用しているとのこと。排ガスはチャーハンのような香りがすると聞いて驚いた。急にとんこつラーメンが食べたくなった。(笑)

あっという間の30分だったけれど人の温かさに触れて和んだ。
そして宮崎県てこんなに自然に溢れて素敵なところなんだなと新たな発見だった。チキン南蛮と宮崎マンゴーのイメージしかなくて…。
至るところにお客様に喜んでもらいたいという想いを感じ、ほのぼのした気分になった。来てよかった!

そしてゆくゆくは以前のように高千穂線を復活させたいという熱がこもった話から、深い郷土愛を感じた。いつかこの鉄道に乗って鉄橋を渡って延岡まで行ってみたい。

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