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お守りのような幽体離脱体験

あ、またこれか。
思いっきり殴られてぼやーんとしている心と対照的に、どこか冷静な私の一部がそう呟いている。はきはきと元気に、丁寧に話す私をもう1人の私が宙に浮いて見つめている。

そんな感覚を感じたのはこれが初めてだった。これはきっとリアル幽体離脱体験。それは私に何かが自分の中で起こっていること、自分の言動と感情がマッチしていないことを伝えていた。

私はいつも他者を理解しようとして、受け入れようとして、彼らにとって何がベストなのかを考えてしまう。たとえ自分自身が傷ついていて、いろんな感情を感じていたとしても。それが癖のようになっていて、なかなか自分で変えようとしても難しい。今まで、本当の私はそこにはいないとどこかで感じながら、そこに居続けてきたことがある。

でも、そんな幽体離脱体験が、私の心に棘のようにひっかかって、いつものように他者にとってのいい人で居続けることを許さなかった。私は私を大切にするために、自分を表現する必要があることを初めて受け入れた。

だから、これをリアル幽体離脱体験と名付けたい。それは私に自分を大切にできていないと、そっと教えてくれる不思議な影のようなもの。名付けたら、この感覚はきっと私の中に生きていって、これから私が他者にとって何がベストか考えることに必死で自分を踏み躙ってしまう時、そっと私に教えてくれるかもしれない。これからも、もっと私を大切にできますように。

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