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海外で展示?どうやったの?

今回は、一番聞かれる“どうして海外で活動できたか”について書こうと思います。

なんで海外で展示できたの?

ズバリ言うと「オファーがきました」です。

はいはい、自慢〜!…じゃない、ってことを今回は紐解いていきますよ^^

お金の話

いまだに「展示したギャラリーからギャランティもらえるんでしょ?」みたいな素っ頓狂なこと言われる方がいらっしゃいますので言いますけど、いいえ、むしろエキシビターがお金を払って展示させていただく事が多いんですよ。

安心してください、貧乏暇なしです。笑

駆け出しのバンドマンがライブを行うのに、箱代(ライブハウスのレンタル料)払って、しかもチケットノルマがあって大変、っていう事と似てるかもしれません。

コマーシャルとレンタル

ギャラリーの種類は大きく分けて二つ。

レンタルギャラリー:スペースを貸した売り上げで成り立っているギャラリー

その名の通り貸画廊という事ですね。

特徴は審査基準が低い分、レンタル料が高い。自分自身の集客力が問われる、と言った所です。

コマーシャルギャラリー:絵の売り上げで成り立っているギャラリー

いわゆるキュレーターっていう人に選ばれるか、自身で売り込んで展示するギャラリー。

(キュレーターについてはまた詳しく書きたいのでひとまずスルーします)

ギャラリー側は当然、絵の売り上げを見込める作家と仕事をしたいわけですから審査基準は高く、エージェントのようにそのギャラリーの専属とかにならないといけないパターンも多く、ハードルは高いです。

その分、費用は発生しないし、ギャラリー自体に集客力もあります。

…が、しかし!この2つの間にはモヤモヤ〜とグラデーションがあります。

しかも大半のギャラリーがこのグラデーション部分に位置していると思います。

冷静に考えてみれば、そう簡単に絵の売り上げだけで成り立たせる、なんてなかなか難しい事です。

ですので、作家を選びつつ、ちょっと出展料を作家から頂戴しつつ、作品の売り上げもマージンとりますよ、っていうやり方で運営するギャラリーが多いんです。

上のマトリックス図で言うと、一番左下に位置してくるギャラリーが完全コマーシャル、一番右上が完全レンタル、と言う事になります。

要は、自分の力量や経験を加味してどの位置のギャラリーで展示するか、と言う事です。

ではなぜ海外からオファーを貰えたのか、と言うと海外のギャラリー事情も日本と同じで、コマーシャルとレンタルの間がモヤモヤしている上に、全体のギャラリー総数が圧倒的に違います。

おまけに土壌がいいのは周知。ビジターが絵を鑑賞することや、購入することに慣れているので、ギャラリー運営も成り立ちやすい。

確率の問題、日本のギャラリーからお声がかかるより海外のギャラリーからお声がかかる率の方が高い、と考えることができませんか?

日本人はどうしても、海外で活動する=すごい!みたいな色眼鏡を外すことが苦手だと思います。

海外のギャラリーの方がハードルが高い、と言う思い込んだ認識がありませんか?

私からすると、チャンスの少ない日本のギャラリーで定期的に展示して活動できている人の方がよっぽどすごいです。羨ましいー


出展料の高い低い

よく、相談される内容の一つが「●●から展示のオファー来てんけど、出展料△△円、これって高い?」と言う出展料についての質問。

△△円、とだけ聞いても判断できません。なぜならその出展料が色んな面から見て割に合うかどうか相対的なものとして判断するからです。

例えば…

・ギャラリーの場所

人通りが多い、アクセスしやすい、など

・ギャラリー自体にファンが付いていて集客能力があるか

自分自身にファンやフォロワーが多ければ苦労しませんが、ギャラリー側が優良なお客様を呼べる力があるか、も大事です。

・個展、複数人での展示

個展の場合は問題なしですが、複数で展示する場合、どんな作家が集められているか(きちんとキュレーションされているか)を見極めたいところです。蓋開けてみたら全くテイスト違いの集まりになっていたり…

・レセプション

オープニングパーティーなどで美術関係者を招いたパーティーを打ってくれるか、またどんな人を集客できるか。

この辺りは海外ギャラリーの方が長けているかもですね。NYで個展をした時、無名な私の展示にも結構な方々がふら〜とやって来てくださったので、土壌の肥え具合に驚き慄いた経験があります。

・プレスリリースなど広告を打ってくれるか

これも集客系ですね。広報PRをどれだけやってくれるか、海外の場合は地元紙に載るだけでも効果は大きいので。

これらの事を総合的に見て、高い低い、つまり割に合うか、を判断しています。

ただ気をつけて頂きたい事が、べっらぼーに高い出展料を言ってくる所、ファーストコンタクトで出展料の提示が無い所は悪徳なところが多いです。

きちんとしている所は、最初に要項のような資料を添付してくださったり、実際に一緒にやるときは契約書や念書などが有ります。

最初に「あなたの絵を海外で売り出したい〜」なんて聞こえのいいことを言って、最後に高い出展料を言い出してくる、みたいな手口。

絵描きの純粋な気持ちを利用した商売、ほんと腹立たしい。

あとは2ちゃんねるとかネットの情報も参考程度で、真に受けすぎない方がいいかもですね。笑

上手くいかなかった方が掃き溜めのように恨み辛みを書き殴っている場合も多々有りですし^^;

所詮は人の情報

根も葉もないかもしれませんが、結局のところ判断軸は自分の経験でしかありませんので鵜呑みにしないでほしいです。

出展料が高いか低いかの判断も、とにかくがむしゃらに、もらったオファーは断らないそ!と言うスタンスでやって来た、私の経験から判断しているだけです。

ぶっちゃけ、今思えばあの時の出展料、割に合わなかったな〜って事ありますよ。笑

美大時代からずっと制作してはコンペとかに出したり、でもあんまり評価はされなくて、せいぜい入選止まり。二次審査まではいけたな〜、で終わることばっかりだったんです。

おまけにスランプも長くて、自分で “最低限” 納得する作品がずーーーーと創れませんでした。

そんな矢先に海外から出展のオファーが来ました。

救われたような気がしました。

だから、今思えば高い出展料だったかもしれないけど、当時の自分にとっては必要だったんです。

最初は運よくオファーだったかもしれないけど、次へつながるように当時の自分ができることは全てやったと思います。

当たり前ですが、作品を精一杯作って、納得いくものを出すことだってそう。

オファーだけじゃなく、自分で海外コンペに出したり、オーディション制の企画展にエントリーしたりもしました。

受かりっこ無いよな〜っていう大層なコンペから、言い方は悪いですがイケそうだな、っていうものまで色々チャレンジしました。

大人数の展示で作品一点だけ、っていうのもあります。

「そんなんに出しても埋もれて終わりそう〜」と思うならしなければいい。

それでもやってみたい、ならやればいい。

結局、何事もやるかやらないか、選択の連続ですよね。

ちゃうな、と思ったら辞めたらいいし。

やらなかった後悔はでかい、とかよく言いますけど、私はとりあえずやる派なのでやっちゃったな〜っていう後悔はまあまあ有りますけどね。笑

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