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三姉妹とお別れの日がやって来てしまいました


彩:うわぁぁぁん…やだよぉぉ……




あやめ:ほら…○○さんが困っちゃうでしょ…



彩ちゃんを慰めるあやめちゃんも瞳から涙が溢れだしている



蓮加は涙を拭きながら
ただひたすら一点を見つめていた


なぜ皆がこうも泣いているのか


それは今日の朝3人に送られてきたメールから話は始まる



──────────



〇〇:ふぁーあ…おはよ…
どうしたの?今日皆早くない?


声をかけても3人とも反応がない


なんなら彩ちゃんとあやめちゃんは
泣いているように見える

〇〇:ど、どうかした!? 具合でも悪いの?

蓮加: ……これだよ

涙ぐむ蓮加ちゃんが携帯の画面を見せてきた

そこにはお母さんとの会話が映し出されている。

よく見てみると…

今日の朝に



「そろそろ私達帰るからついでにお引越ししましょう!」



というメッセージが送られてきていた


彩:う゛うっ…お兄ちゃんとはな゛れたくないいっ……



あやめ:私も…〇〇さんと離れたくない……





3人は僕に抱きついてきた。



○○: …でもさ?
ようやくお父さんお母さんに会えるんだよ?
僕なんかより親といた方が…



彩:お兄ちゃん…彩の事なんも分かってない……!


あやめ: ……○○さん…ひどいです……


蓮加:○○…私達の気持ち分かって無さすぎだよ…
ちょっとがっかりした……


皆は涙を拭いながら部屋に帰っていった




○○:はぁ…僕だって皆と離れたくないけどさ…
どうしようもない別れなんて突然やってくるんだよ…




1人呟いた言葉はより自分に今の現状を
伝えてるようでなんだか虚しくなった。



○○:あの三姉妹とももうお別れか……



─────────────



あれ以来、3人とは面と向かって話す事が少なくなり
会話も少ないままあっという間に別れの前日に。



○○:ねぇ…3人ともちょっといい…?



蓮加:なに…? 早く荷物まとめないといけないのに…



○○:ちょっとだけ最後に時間をくれないかな?
一人一人としっかり話したいんだ。



最後という言葉に胸がズキっとするが…
自分が悲しい表情をしたら相手まで悲しくなる


ぐっと我慢をし、笑顔で話していく



あやめ:私はいいですよ…
このまま気まずい雰囲気で別れたくないですし…


彩:彩もっ…お兄ちゃんとしっかり話したい…!



蓮加: 蓮加もこのまま別れるのはなんか後味悪いからちょっとだけ付き合ってあげる……

○○: …ありがとね!
1人ずつお話したいからお部屋で待っててくれる?

彩:うん!! わかった!


あやめ:じゃあお部屋で待ってますね


2人は1人を残して部屋へと向かっていった。


○○:あれ、蓮加? どうしたの?


蓮加:ずっと…謝りたくて……

○○:あぁ、あの時の事ね?
あれは僕が悪いんだからいいんだよ…?

蓮加:ううん…蓮加感情に任せて酷い事言っちゃった…

ぐすっと鼻をすする音が聞こえてくる

○○:大丈夫…また後でゆっくり話そ…?
蓮加は悪くない!泣いてる顔は蓮加に似合わないぞ〜?

蓮加のほっぺをぷにっと横に伸ばす

蓮加:や、やめへっ!  このぉー!


蓮加も僕の頬を抓ってくる


蓮加:ふふっ…へんな顔ー!!


○○:やっぱり蓮加の笑ってる表情が僕は1番好きだな
蓮加はいつもニコニコでいないとね?

蓮加:も、もう…○○はそういう所がずるいんだぞっ…
へ…部屋で待ってるからっ!!

蓮加は部屋に走り去っていった。


○○:じゃあ…最後のお話といきますかね…


──────────



最初に○○が訪れた部屋は


「あっ!お兄ちゃん!1番最初はここ?」


○○:うん、そうだよ。彩ちゃん。


彩の部屋だ。


彩:もう明日にはお別れか…寂しいよお兄ちゃん…


○○:本当に早いものだ……思い返してみると最初に懐いてくれたのは彩ちゃんだったね…!


彩:うん!最初見た時からいい人だと思ってた!


○○:ははっ…ありがと…!
これからは僕は彩ちゃんの事見守れないけど
変な人に着いてっちゃダメだよ〜?


彩:大丈夫!彩が好きなのはお兄ちゃんだけだからっ!


コアラのようにガシッと掴んでくる彩ちゃん


○○: ……ありがとね


僕は彩ちゃんの頭をなでなでしながら
今まであったことを思いだす


僕が騙されて彩ちゃんとデートすることになった時。


一緒に2人で寝た時間。


お友達を家に連れてきて盛り上がったあの日。



どれも楽しい思い出ばかり


○○:彩ちゃん…
お姉ちゃんたちのところ行ってもいいかな…?


彩:やだっ…  って言いたいけど…彩我慢するっ…
だから…今日は一緒に寝よ? お兄ちゃん?


○○:うん、約束するよ


彩:えへへ…じゃあ行ってもいいよ!



○○:じゃあまた後でね!


彩:うんっ!待ってる!!


バタンと扉が閉まる音が響く


彩:寂しいけど…我慢しなきゃね…




最後の日というのを噛み締めながら一人泣く彩だった…



──────────────


「あれ、次は私ですか…?」


○○:彩ちゃんの次はあやめちゃんと話したかったから


あやめ:1番最後が良かったけど…
まぁお姉ちゃんに譲ってあげますか……




次に訪れたのはあやめの部屋。


あやめ:もう最後の日なんですね…


○○:本当早いよね……



あやめ: あの…誰にも言ってなかったけど
…実はわたし以前虐められてたんです


○○:そうだったの…?

急なカミングアウトに驚きが隠せない


あやめ:それで彩とお姉ちゃんぐらいしか
周りにちゃんと信頼できる人がいなくて……


震えるあやめちゃんをぎゅっと抱きしめる


あやめ:でも…○○さんがとても優しくしてくれて…
私の心はとても救われました…!

○○:僕はずっとあやめちゃんの味方だからね…

あやめ: …最後に言わせてください。
私と……付き合ってくれませんか……?



○○:僕もあやめちゃんみたいな素敵な子と付き合いたい


あやめ:じゃあ……


○○:でもごめんね…
やっぱりあやめちゃんにはもっといい人がいる。
こればっかりは譲れないんだ…


あやめ:ふふっ……!


○○:ん?どうしたの?


あやめ:○○さんなら絶対そう言うと思ってました…!
私…一生○さんの事好きですからっ!!


○○:ありがと…僕もあやめちゃんの事大好きだよ!


それからちょっとの時間


2人で過去にあった事を振り返った


家で2人になった時、更に仲が深まったこと


ベットで一緒に寝た時に告白されたこと


遊園地でコーヒーカップに乗ったこと


どれも素敵な思い出ばかり


あやめ:○○さん。
もうそろそろお姉ちゃんのとこ行ってあげてください!


○○:うん…ありがとね


最後にあやめちゃんの頭を撫でる


あやめ:今日は最後にみんなで一緒に寝ましょうね?
後で待ってますからっ!!


○○:そうだね…先に彩ちゃんと用意しといてくれる?


あやめ:分かりました!! 待ってますっ!


○○:ふふっ、じゃあまた後で!


○○は最後の部屋に向かった


あやめ:あぁ…私の初恋……苦しいなぁ……


あやめは○○の事を思いながら部屋で泣いた……



─────────────



「あっ…やっと来た…! 遅いんだから!!」


○○:ごめんね…蓮加ちゃんとはゆっくり話したくてさ
最後にさせてもらっちゃった!


蓮加:ま、まぁ…それならいいけど……!


最後に○○は蓮加の部屋へと。


蓮加:先に言っておくね…?
蓮加は○○の事は大好きっ…!!


○○: …ありがとね?
でも僕は……


蓮加:ううん、答えは聞かなくていい、分かってるから。
○○は優しいから私の事考えてくれてるんだよね…?


○○:蓮加ちゃん程の女の子なら
今話題のあの俳優くらいかっこいい人捕まえられるさ。


蓮加:○○は世界で1番かっこいいのになぁ…


○○:そんな事ないよ!
もっと他にいい男の人は沢山いるから!


蓮加:じゃあ最後に……
また…どこかで会うことが会ったら……
蓮加の事彼女にしてくれない…?


○○:……蓮加ちゃんが頑張って僕と同じ大学に入れたら考えてあげてもいいかもね?


蓮加:えぇ…難しいよ……
まぁでも"また会う"っていう約束と
"同じ大学に入る"って約束はほぼ一緒じゃない?


○○:うん…まぁそうだね


蓮加:ならまた今度あった時は蓮加が彼女ね!!


○○:ふふっ…分かったよ。 約束は守る!


蓮加:よし…その言葉忘れないでよっ!? 約束!!


2人は小指を繋ぎ合わせて約束を交わした。


蓮加:色々振り返ってると遅くなっちゃいそうだから
そろそろリビング行こ?


○○:えっ?


蓮加:どうせ2人と一緒に寝る約束してるんでしょ?
ほら、待ってるだろうし早く行こうよ!


○○:流石蓮加ちゃんだねっ…!


蓮加:ふふっ…
そりゃ大好きな人の考えてることくらい分かりますよ!!



子供のような笑顔でこちらにピースしてくる蓮加ちゃん


改めて…本当にこの三姉妹と一緒に暮らせてよかった


心の底からそう思う。



彩:もー彩眠いよー!お兄ちゃん早く!




あやめ:私もです…早く○○さん寝ましょ…?





僕はこの3人の事を一生忘れないだろう


これ以上考えると思い出が止まらなくなりそうなので
そっと目を閉じ世界からログアウトをした。




─────────────




「○○さん!長い間娘達を預かっていただきありがとうございました!」


久しぶりに見た3人のお母様は
僕にあった途端、深いお辞儀をして感謝を伝えてくれた


○○:いえいえ…僕もこの3人と生活出来て
とても充実した毎日を送らせていただきました…!
感謝するのはこちらの方です!


「本当に出会ったのが○○さんで良かった…
お礼と言っては何なのですが……」


お母様がそういった途端

数人のガタイがいい男の人が僕の部屋の中に……


○○:ち、ちょっと!!この人達なんなんですか!?


「引越し業者です!新しいお家をご用意させていただきましたのでそちらをお使いいただければと思います!」


否定する間もなく荷物は運び出されていく。

○○:ち、ちょっと!お礼は大丈夫なので!!


「そんな訳にはいきません…! 受け取ってください!」




────────────────



○○:うっわ…でっか……!!

結局断りきれず
渡された住所にいってみると…

一人暮らしするには大きすぎる家が用意されていた

○○:こんなとこ…本当にいいのか…?

そう思いつつももう家がここしかないため
おそるおそる家の中に入る。

○○:うわぁ…すごすぎる……

もうどこを見ても広すぎて
前の家が物置部屋に感じるレベル……


これは早速取りかからないと夜まで準備に時間かかるな。

色々と荷物を整理しようと思ったのだが…


○○: ……なんかダンボール多くね?


明らかにダンボールの量がおかしい


僕の荷物以外にもなにか届いている……?


それに…


明らかに2階から物音がする


○○: …まさか!!


僕はある予想を確かめる為に2階へと走った


部屋を開けてみると……


「えへへ…来ちゃいました…!!」





「またお兄ちゃんと一緒だよー!!」








「……あの時の"約束"守ってもらうからねっ…!」




全く…

これからもまた楽しい生活になりそうだな……!

○○:3人とも…ただいま…!

「「「おかえり!!!」」」

三姉妹との関係はまだこれからも続きそうです

END








普段あんま後書きみたいなのは書かないんですが
一応三姉妹という1つのシリーズが一段落ついたので
書かせていただこうと思います!


最初から一気に読むと色々とおかしい所があるんですが
そこはご愛嬌ということで…笑

(家狭いはずなのに3人分のお部屋があるとか)


ちなみにこの話の小ネタとして蓮加ちゃんは既にお母さんとお話していて○○と一緒に暮らせる事がほぼ固まりつつあったので、同じ大学にっていう約束じゃなく次会ったらっていう約束の形にしてます!(分かりずらい)


ちょっと強引だったけど蓮加ちゃんのずる賢さ的なのを出したいなぁと思って急遽あのシーンを入れました!笑


あとあーや、あやめんと話してる時の文章が似てるのはわざとなので手抜きじゃないからねっ!!()

自分の中ではこれで終わりでいいかもなと思ってるんですが…………


もし気が向いたら"三姉妹 シェアハウス編"で
お会いすることになるかもしれませんっ!


その時はまたよろしくお願いします!




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