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LeicaQ2を持って、旅に出る。

旅とは

旅ってなんでしょう?泊を伴う外出?日常の行動範囲から外れた土地への移動?時間的なことや場所的なこと、色々と考えることは出来ますが、「住んでいるところを離れてよその土地へ出かけること」という定義に従うなら、自分の住んでいる市・町から離れたところならOK、というところなのでしょうか。確かに、高松市北部在住の私の感覚からすると、国分寺町に行っても旅という感じはしませんが、綾歌町まで行けば少しは旅という感じはします。
岡山や徳島まで出れば旅、小豆島に行っても旅。そういう感覚は確かにあります。

旅にカメラを持ち出す理由

なぜ旅にカメラを持っていくのか。基本的に今までずっとこの理由は変わらなくて、旅の瞬間を記録するため、ということです。時々、“己の芸術的嗜好”が刺激されて、少しばかり写真を加工してしまうことはありますが、基本的には記録して残すこと、そして場合によっては他者とその時間を共有したいということ、がカメラを持っていく理由になります。

カメラに求めるもの

そういう意味においては、私がカメラに求めるものは再現性です。ただ、人間の目というのは本当に性能が良いらしく、カメラで記録を撮ると、暗すぎて見えない、明るすぎて見えない、色味が違う、奥行きがない、というようなことが起きます。また、目で見る、という行動には自分の思いなども重なってしまうので、現実の色味以上に鮮やかに感じたり、逆に記憶には残っていないものが写っていたり(心霊的な何かというのではなく、単純にその時には気づかなかったもの)、というように、ないのにあると感じたりあるのにないと感じたり、ということが起きます。後者は兎も角、前者のものは仕方ないと思うのが当然なのですが、それを補うためにレタッチをしたりいいカメラを買ったりするのは、悪いことではないでしょう。(一応撮って出しがいいと思っている人間ですがレタッチは否定しませんし、自分でもします)
ですから、カメラ嵌り期第2期に一番気に入っていたのがα7Sだったのは階調性やダイナミックレンジ、高感度性能の高さを素人なりに感じて評価していたからなのでしょう。

LeicaQ2は期待に応えているか

ではLeicaQ2はその期待に応えているのかと問われると、どう答えれば良いでしょうか。値段の割りにそんなに高い性能があるのか、ということは、数字的なことは正直私には分かりません。ただ、ネットでは少なくとも数字的なところでは……というような記事を見ることがあります。
では、ダメなカメラなのかというと、そういうわけではありません。冒頭の紅葉は、撮って出しでは見ていた赤色とは違ったので、レタッチを行いました。日常の中で夕暮れを撮っても、なんとなく思った通りの色にならないこともあります。撮っている場所が違うので正確ではありませんが、去年LeicaQで撮った夕景の方が思い通りに色が出ているんじゃないか、と思うこともあります。
そういったマイナス面と感じることも確かにあるのですが、写真として鮮やかさや立体的な写り、レタッチをした時に仕上がってくる写真の美しさ、というものは自分の期待した通りのものがあります。

金閣(レタッチ済み)
東大寺大仏殿(レタッチ済み)
京都タワー(未レタッチ)京都タワー(未レタッチ)
銀閣の庭(未レタッチ)

初めの2枚は、レタッチすることを念頭に置いて暗めに撮った上でレタッチしたもの。後半2枚は撮って出しJPEG。レタッチした2枚がいい感じなのは当然としても、JGEG撮って出しの後半2枚も、特に京都タワーの色味や綺麗さというのは、このカメラを買ってよかった、と思わせてくれる写りだと自分では満足しています。

結局は自分が満足できるのかどうか

自分がLeicaQ2を欲しいと思って見ていたYouTubeチャンネルの人たちがLeicaM11なんかを購入してライカを手放した、というのを見るとそりゃレンズも入れれば倍近い金額のものなんだからそうなるよなあ、と納得しつつも寂しく思ってもいました。そういう意味では、未だにLeicaM10を使いながらLeicaQ2も使い続けている「キョウトボーイズ(https://youtube.com/@kyotoboys)」のミノルさん(https://www.instagram.com/p/Clv1loQPsxA/?igshid=YmMyMTA2M2Y=)のような方は自分にとっては貴重な先達なのですが、自分で納得して使うことが結局大事なのだと思うのです。
使う側の一生懸命さが、被写体をより見ることになるしより良いものに仕上げようと手をかけることになる。嵌り期第2期で自分が気に入っている写真の中の2枚はNEX-6で撮っています。今のカメラのから見れば、スペック的には下になるものです。でも、撮って、レタッチして仕上がった写真は、今の自分が見てもなかなかよく撮れているな、と自己肯定感低めの私でも思うような写真になっています。

ある日の朝焼け(レタッチ済み)
ある日の朝焼け(未レタッチ)

この2枚の写真だと、自分の目にはこんなふうに輝いて見えた、というふうにレタッチしましたが、レタッチしていない写真もそんなに悪いものには自分には見えません。未レタッチの写真であっても、納得できないものではないです。
欲を言えば、星の写真を撮るのが好きな私ですから、800mmくらいの望遠レンズが着けられれば文句なしですが、今の28mmは十分な写りをしてくれます。DR Summicronをつけたα7Sのような使い勝手のよさが懐かしく感じる時もありますが、LeicaQ2を投げ打ってでも欲しいか、と問われれば確実に否と答えるでしょう。
そんな気持ちにしてくれるものが、LeicaQ2にはあるのだと思います。だから、60万以上払っても悔いはない、と言えますし、ライカが好きな人は、自分なりの価値を見出しているのだと思います。金持ちの道楽、というような言われ方をすることもありますが、写真を撮る、ということにおいても払った分への対価はある、と自分は思います。

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