3月26日、春風が心地よく吹きぬける中『ぞんびちゃんとお楽しみ会』が渋谷Milkywayにて開催された。DJぞんびちゃんとゆかりのあるアイドルが大集合し、桜より一足先に満開の笑顔を咲かせていた。

主催者であるDJぞんびちゃんのDJで、パーティーはスタート。モーニング娘。や鈴木あみなどのアイドルを中心とした選曲で、会場を大いに温めた。

トップバッターを飾ったのは、(CHEERZのZipper掲載イベントで1位を勝ち取った)現在Zipperでモデルを務める信岡ひかるだ。白い衣装に身を包んで現れた彼女は長い手足がより一層際立ち、ステージに舞い降りた天使のよう。『君と僕』を少女の初々しさで歌い上げたかと思えば、スチャダラパーの『今夜はブギーバック』をカバーで17歳とは思えない大人っぽさも感じさせる。曲中では「ラップって難しいね」と言って会場の笑いを誘っていた。3曲目の『パピーラブ』では、大人と子供の間の微妙な年頃の等身大の姿の彼女をみた。春から受験生となり、両立が厳しくなるようだが、その輝きを失わず頑張ってほしい。

続いて現れたのは、美月である。ステージに立つ彼女はとても儚く、フロアの奥のもっともっと奥を一点に見つめていた。美月は「最近アイドル離れが激しい」と話し『ロンリープラネット』『ジェニーはご機嫌ななめ』『ルル』『ヤミヤミ』『チアチア』と、やくしまるえつこの曲をカバーした。ステージに立つのは半年ぶりとのことだが、その凛とした姿はとても堂々としていてブランクを感じさせない。昨年、ミスiDのセミファイナリストにもなり、これからの活動から目が離せない存在である。

「みんなのことがー大好き！」の掛け声とともに現れたのはDaisukIだ。カラフルな衣装に身を包み、その全身から溢れ出る生命力を会場全体に振りまく。１曲目と2曲目はゆうきんとりーちゃんの二人で披露し、3曲目と4曲目は新メンバーの瑠璃とめろを迎えて披露した。作りこんでない真っ直ぐな歌声は遠くまで響き渡り、全力のパワフルなダンスは人々の心を奪った。

星のついたスティックを用いて、オーディエンスに魔法をかけたのはTOKYO喫茶である。闇がとけるとショータイムはスタートし、アップテンポな曲をキレのあるダンスと共に披露。フラダンスのような振り付けが特徴的な新曲の「ハイパーアロハオエ」、彼女らのグループ名でもある「東京喫茶」を怒涛の勢いのうちにパフォーマンスした。普段は8人で活動している彼女らだが、７人でもその迫力は落ちることなく、個々の魅力を余すことなく味わい尽くせるステージだった。

続いて登場したのは、まるでリカちゃん人形のような♯ドルーチュ。ハートのついたエプロン姿で、ポップでキュートな曲を歌い踊る。1曲目2曲目ともに抜群のアイドルスマイルを絶やさず、会場の心を鷲づかみにした。

スイートさでは、１＄も負けてはいない。胸元に＄の文字を刻んだ４人は、髪の先の１本１本までtheアイドルといった風貌である。1曲目では可愛らしさを発揮し、2曲目ではタオルを振り回し、会場の熱気をさらに上昇させた。

ライブも終盤を迎え、バンドを引き連れて現れたのはGALDOLLだ。生のバンド演奏にのせて響く彼女達の歌声は、いつも以上にエモーショナルで、見る人の鼓膜をダイレクトに刺激した。「GIRLS ROCK」で会場を盛り上げ、MONGOL800の「小さな恋のうた」のカバーでは観客を巻き込み大合唱。GALDOLLの泣き曲として名高い「キズナ」はアコースティック編成でしっとりと聴かせ、新曲「OVER」は遊び心あるDJとのスペシャルコラボとなった。彼女らの活動において初のバンド形態でのライブは大いに盛り上がったのである。

そんな熱を帯びたステージに、一輪の花として咲いたのは滝口成美である。格段に派手な振り付けがあるわけでないのに目を惹くのは、彼女の持っているオーラゆえだろうか。歌詞の言葉を丁寧に届けるように1曲目を歌い上げ、2曲目では綺麗な高音を存分に響かせる。「君と私の最高の物語」をコール＆レスポンスやクラップで盛り上げ、アイドルシンガーの名に相応しい空間を作り上げた。

ライブのラストを飾ったのは、１か月前に(Qamを卒業)アイドルを引退したHYUGAだ。最初は緊張した面持ちだったが、彼女のDJに合わせて踊るフロアを見てにっこり。アイドルの面影をのぞかせた。この日限りの生ドラムとのコラボレーションで、オリジナル曲である「My Place」とSKY-HIの「Smile Drop」のカバーを、MCとして披露。その後にはギターとベースも交え、堂々たるフリースタイルセッションをやってのけた。１つは自身のふるさとである“宮崎”をテーマにしたもので、もう１つは会場からでた“アイドル”をテーマにしたもの。どちらも彼女の小柄さを感じさせない、大胆なパフォーマンスで、会場の熱気を最高潮に押し上げた。

こうしてあっという間のうちに、お楽しみ会は終演を迎えたのである。終了後の物販も温かい空気の中行われ、笑い声が響き渡っていた。ぞんびちゃんお楽しみ会は、まさしく変わりゆくアイドル世界の縮図だったように感じる。フリフリのかわいらしい衣装を着て笑顔をふりまく＝アイドル。という概念は、もはや通用しない。モデル、ＭＣなど個々の魅力をいかに伝えることができるか。そこが真にとわれる世界になったのだ。それが、アイドル＝憧れられる的、としての宿命なのである。

【参照】

信岡ひかるweb：http://nobuokahikaru.wix.com/main

DaisukI web：http://spiralmusic.jp/idol/daisuki/

TOKYO喫茶web：http://www.diamondblog.jp/official/tokyokissa/

#ドルーチュweb ：http://spiralmusic.jp/idol/hashdolchu/

１＄web：http://spiralmusic.jp/idol/onedollar/

GALDOLL web：http://galdoll-staff.tumblr.com/

滝口成美web：http://narumi-takiguchi.jp/

HYUGA web：http://meihyuga.wix.com/meihyuga