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コア祭に咲くガールズロック。雨音コンプレックス『INNOCENCE』出演!

桜が満開を迎えた4月2日(土)、横浜Club lizardでtakumi(collection of children)主催の『INNOCENCE vol.1』が開催された。髪を金や緑に染め、耳や口に穴を空けたバンドキッズたちで会場は埋め尽くされ、重たい音楽が鳴り響く。そんな重低空間で一際異彩を放っていたガールズバンド、それが『雨音コンプレックス』である。

入念なステージチェックを終え、SEと共に再び4人はステージに舞い戻る。するとたちまち、ショータイムは幕開けとなった。インスト曲である『じゃらら』から既に彼女たちはフルテンション。その表情には、わずかな緊張とたくさんのわくわくが浮かんでいた。そんな中、始まったのは『夜光虫』。ベースのスラップが際立つキレキレのカッコいい曲で、途中には各パートのソロとメンバー紹介が入る。えみり(vo.)の特徴的な声が際立ち、80年代の歌謡曲を彷彿させた。

間髪いれずにインスト曲である『はすはすごりら』が続く。ギターのカッティングが抜群にさえるロックな曲で、同性の女でも惚れてしまうほどのプレイ。さやちん(gt.)が頻りに前にでてきては、観客とともにクラップで盛り上げ、それに呼応するようにフロアからは絶えず音が鳴っていた。そんな空気の中、えみりのコールと共に『唐揚げとごはん』がスタート。日常の1ページのような曲名とは裏腹に、曲はタテノリのツービート。間奏ではメンバーみんなでのヘドバンやスペシャルゲスト登場など、パフォーマンス的にも楽しませる工夫が施されていた。フロアは大盛り上がりの乱闘騒ぎで、私が端っこに避難したのは言うまでもない。

MCでは、えみりが「楽しい」と絶えず口にし、会場を見渡し満足そうに微笑んでいた。「ハードコアな曲なくなっちゃうんですけどぉ…」と話した際には「えー!!」っと観客からどよめいたが、そんなことには動じず彼女たちは彼女たちの世界に聴衆を惹きこんでいった。

「僕は、君が好きさ」と唄う、どこまでも真っ直ぐなえみりの歌声は一瞬にして雨コンワールドを作り出す。ミディアムテンポなバラードソングである「かれーライスと福神漬けラブソング~シチューver.~」は、最近10円CDとして販売された、雨音コンプレックスのキラーチューンの1つだ。ただでさえ耳に残るサビのフレーズなのに、間のギターソロがメロディックで良さをさらに増幅させている。速弾きではなく、ビブラートを多用してソロを聴かせようとするさやちんの演奏にギター愛を感じずにはいられない。

そして、この日のラストソングとなったのが雨音コンプレックスの代表曲でもある「SUPIKA」だ。GOGO7188のような歌謡曲っぽさを保ちつつも、相対性理論のような変則性も持っているこの曲は、えみりの声質を最大限に活かしたバンドチューンになっている。引き語りで歌っているのもあって、そのパフォーマンスは堂々としていて迷いがなかった。こうして可憐なガールズバンドは、コア祭りにその爪痕を残したのである。

ビジュアルが可愛らしいだけでなく、芯の強さも持ち合わせたガールズバンド、雨音コンプレックス。メンバーの多くがこの春、高校を卒業した。これからの活動がより広がっていく事を願うばかりである。

【参照】

雨音コンプレックスtwitter:https://twitter.com/amaotonikiku

雨音コンプレックスyoutbe:https://www.youtube.com/watch?v=BC8iq6gY1Eg&feature=youtu.be

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