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吸盤関係

これなんていうのか、調べてみたら

吸盤

で、いいみたい。


***
人生で
その時フィットしまくってしまい、自分的に流行っちゃう人に出会う時がある。


このタイミングで、このコミュニティで
こんなところで
こんな素敵な人に出会うなんて!
思ってなかった!!!

なんて。

期待していない時ほど、出会えた喜びは大きい。


***
その人が与えてくれる新しい刺激は、より私を興奮させ
共通点と相違点を共有させればさせるほど楽しく
とにかく相手が知りたくて堪らなくなる。


相手の快はもちろん、
不快も知りたい。

寧ろそっちを知ったら、より甘い蜜の味。美味しい。


そのうち、
空気を共有してるだけで
わかってるよ、って安心感が漂い
なんでもない日常にも、その人が頭と心に、常に入り込む。

気づいたら、その人の話を誰かにしてるし
気づいたら、その人がこれ好きだろうなと思い
気づいたら、その人に関係するものばかり目につき
気づいたら、なんだかその人に似てきた気もする

感情の交わし合いが、言葉じゃないところで可能になっていて
でも、だからこそ言葉にして確認しあって
やっぱりその人しかいなくて、その人はとても尊い存在だってことをまた、再認識する。


***
こうやって書いていると、まるで恋みたいだけれど
この、まるで恋な感覚は、恋ではなくても、結構起きてしまうことがある。

職場の人、先輩後輩
同性異性、年齢、距離も国も、関係なく
仕事の関係の人、趣味のお付き合い
飲み仲間か勉強仲間
はたまた家族も


人が引き寄せられるって、ぜったいある。
その人に大フィーバーしてしまう時がある。

ちなみに、時と場合によって、それは一方通行だったりもする。

***
吸盤って
素材によって全く、くっついてくれないくせに

ピタ

とくっついて離れない素材もあり。

一度くっついても、スルスル〜っと素材を滑ってくれる吸盤もあるけれど
なかなかそこから離れない吸盤もある。


***

台所のシンクのとこにスポンジをかけたかった。

吸盤をくっつけたい。
素材が滑りやすいのか、くっつかなくて苦戦するが
ようやく、この吸盤はピタっと吸い付くようについてくれた。
とても便利でなんにも違和感なくて、快適で
そのうち当たり前のようになり、吸盤がそこにあることは日常となる。


時が経ち、スポンジを乗せるステンレスのラックを買うことにした。
つまり吸盤は用がなくなったので処分することとした。

で、離したいのだけど、離れない。

たちまち物凄く必要のないもの、を毎日目にするだけでイライラし
懸命に離そうとするけど、離れない。

もういらないのだ。本当にいらないんだけどやっぱりくっついて離れない。何度も取ってみようとするけれど離れない。もう鬱陶しくて取ること自体がめんどくさい。取る労力の方が疲れるのだ。だってただの吸盤だし。いちいちイライラするのが無駄な気もしてきたので放置してみる。違うものかけてやるか、って気まぐれに使ってみたりする。使用用途を見つけて納得させたりした。でも結局は要らないって思ってたからやっぱりイライラするのだ。もういらないって思ってるやつに違う役割り与えて納得することもあるけどさ、なんか違う。目に入る。イライラする。とりあえずくっついたままで、自分がつけたくせに無責任になってそんなことは忘れたし知らんよと思いながら使う。

シンクでやり合う無駄な心理戦。


***
これ、吸盤だから無駄と言い切れるが

これ、が人だったら、と例えると途端に無駄なんて言えなくなってしまう。
むしろそんなこと思ってしまうなんて人としてどうなの?冷たくない?と
考えるのが優しい心を持った人間。。。。。

か?


それって本当に優しいか?


本当はもう要らないけれどめんどくさいって感覚に蓋して正当化してるだけじゃない?
要らない関係性に執着してるのは優しさって言うの?


くっつきあってる時は、必要なのだ。
互いに、互いの素材と用途が必要なのだ。

あなたがこんな壁してくれてるから私はピタッとくっつけているの。
そして用途がはまっていれば永遠にくっついていられるの。


ずっと使い続けられる吸盤だってもちろんあるよね。


***
ある日、シンクの吸盤は剥がれて排水口に転がっていた。

あんなに剥がそうとしてたのに、こんな風にあっけなく転がってる。


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