やなせたかし「わたしが正義について語るなら」を読んで−②/本の話
前記事の続きです。
⇧の記事の最後で、積読チャンネルにコテンラジオとやなせたかしをフュチャーしてて何かあるのか?と勘繰たのだけど、あっさり理由が見当つきました。
来年のNHKの朝ドラ「あんぱん」。タイトルのあんぱんはアンパンマンのあんぱん。やなせたかしと奥さんの話だそうです。
なるほど。。。
最近書店の平積みコーナーには、源氏物語関連の書籍がいつくも並べられている。それは今年の大河ドラマ「ひかる君」が源氏物語の作者紫式部を主人公にしているので、関連書籍がたくさん出ているからなわけです。
それと同じことだったわけです。
私は、流行りの波に乗っかるのをちょっと癪に感じるところがある。なぜかというと、いずこかにいる誰かや企業の思惑にまんまと乗せられている感じがするからだ。もっというなら、自分の興味関心なんて所詮は乗せられているだけのものなんだと、ちょっとした虚無を感じるから。
やなせたかし面白いぞ!と感じたのは、私の中のうちなるものが反応したのではなく、気付かぬうちに周りにばら撒かれていたから反応したにすぎないのだと。
私は、テレビのない生活をもう十年以上している。朝ドラもみたことがない。それでもいつの間にか朝ドラ発信の波に流されている。別に悪いことではないんだけど、こうして人は知らず知らずのうちに商業マーケティングのうねりに飲み込まれてるんだとハタと気づくと、冷めた雫がすーっとこころの縁を滑ってゆくのを感じる。
ちょうど読み終わったタイミングでコテンさんが特集を!と息巻いていたが、たまたまではなかったわけで。
特にコテンラジオさんについては、私は勝手に、ときの流行り廃りとは距離をとって、独自の方針にのっとってコンテンツの配信をしているイメージを持っていたから、少し残念な気持ちにもなっている。期待もガッカリも私の一人相撲なので身勝手極まりないのだけども。
そんなわけで、やなせたかしヒストリーを知れてよかった!と思う晴れやかな気持ちにひと筋の影が落ち、若干トーンダウンはしましたが、、、やなせたかしさんの人生はドラマになるだけの展開があり、その人生から積み上げられた哲学が、のちの国民的キャラクターとなるアンパンマンの基盤になっているという、朝ドラになるのも納得の含蓄に富んだお話で、読めてよかったと思っていることに揺らぎはない。
そして、①に続きまたもや前置きが長くなって了ったので、本の感想は③に持ち越します。
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