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私が看護師になったワケ

私は今、看護師として働いている。

看護師と聞くと、みなさんはどんなイメージを持つのだろうか。

”大変そう”、”汚い”、”メンタルが強そう”、こんな言葉が出てくるのは、よく聞く。

私は、”看護師は人の心をわかり合おうとする素敵な仕事だ”という印象を小さい時から思っていた。

それは、私が看護師になりたいというきっかけを与えてくれた。


私が看護師という職業を知ったのは、「ナースのお仕事」というドラマ。主人公の天真爛漫な、人と全力にぶつかる姿はとても清々しくて、見ている私のハートを鷲掴みにした。ハートフルなドラマで毎回欠かさずに見ていた。

そのドラマをきっかけに看護師って人の痛みが分かるすごい仕事だな、と小学生ながら思ったのを覚えている。


その時には看護師になりたいとは思ってもみなかった。


人のためになりたい、と素直に思ったのは、中学生の頃。

私の母のがんが再発したからだ。


もともとがんで手術を経験していた母は、私が中学の頃に再発をして、抗がん剤治療を行っていた。

入退院を繰り返してだんだんとやせ細っていく姿は、今までの母の面影を消していった。

それでも懸命に治療に取り組む姿は、とっても勇ましくて美しかった。

そんな母の手助けを少しでもしたい、と思い看護師になろうと思った。母に伝えたことがある。「看護師になろうかなって思うんだ。それでちょっとでも助けられるかな。お母さんのこと」と。すると母は涙ぐんで、「うん、そうだね。らしくていいんじゃない」と言った。

こうした会話で、看護師になろうと強く決心したのだ。


ある時、母が入院して家族でお見舞いに行ったとき。たまたま担当の看護師さんが部屋に来て母の様子を見に来た。「みんなに来てもらえて賑やかでいいですね。そういえば娘さんの高校受験、合格したんですってね。」と声を掛けてくれた。「もう嬉しそうにはしゃいでお話ししてくれたんですよ。おめでとうございます。」こんな母の様子を聞くのは初めてだったので、とても嬉しくて、涙が出た。母と看護師さんの関わりを聞いて、こんな風に過ごしてるんだ、とイメージもできた。だからこそ、安心して母は入院生活を送れるし、家族も安心して任せることができる。

この時の感動を大切にしたいと思って、患者さんとの関わりも大切にしている。

こうしたきっかけで、私は看護師になった。

確かに、自分の想像よりも遥かに忙しくて、仕事を始めた頃は覚えることに必死で、毎日がしんどくて辛かった。でも、その辛さを受け止めて、前に進むことで、幾つもの大切な経験や思い出がある。


看護師になっていなければ、経験できないことばかり。今ではなってよかったと思う。








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