見出し画像

2023年5月10日「踊り子 徳永しおり LAST DAY」レポート

2023年5月10日
踊り子 徳永しおり LAST DAY
川崎ロック座

もう、5頭から1ヶ月がたとうとしています。
上手く言葉にできず、気持ちもなかなかまとまりませんでしたが
こうやって文字に残しておこうと思います。
普段は全身全力でストと向き合うため、二回目ぐらいまでが限界で帰路につく私。
しかし、その日はほぼプンラスでした。
推しの踊り子さんの最後は、実ははじめてだったかもしれません。
(現在、休業中の香山蘭さん以来)

徳永しおりさん。
ファムファタール3rdを終え、大阪東洋ショー劇場、そしてこの川崎ロック座で
踊り子生活を終えて、第二の人生を歩む徳永さん。
当日もその姿を見ようと、沢山のファンの方が見えていました。
この日は、引退演目を含む2演目を踊られていました。
1、3回目は「紳士うさりーぬ」
2、4回目は「夢のゆくえ(引退作)」
です。
大阪の東洋ショーで「夢のゆくえ」を初めて見た私は、音楽に、振り付けに、お衣装に、そしてその表情に込められた気持ちが伝わるようで涙を止められず、ポラタイムでは無茶苦茶な泣き顔で挨拶に行きました。
めちゃ恥ずかしかったけど、りーぬ様(徳永さんの私からの敬称)も一緒にもらい泣きされ、2人で泣きながら2ショット撮ったのは良い思い出です。

さて、そして本当に踊り子最後の日。
空は奇麗に晴れていて、暑いくらいでした。
この日は4回目の「夢のゆくえ」を踊られた後、他の踊り子さんや劇場さんが徳永さんが原案の「聖ロック座女学園」(以下「聖ロ女」)の「卒業式」をされるということで進められていました。
私にとっても大きな転機となった「聖ロ女」
きっと、りーぬ様にとっても、その意味は大きかったのかなと胸が熱くなりました。

開場してしっかり朝ごはんを食べました、何故ならきっと入ってプンラスだと、その日はご飯とか食べられないだろうと思っていたからです。
”食”や”休”より、まずストを観る!ことに力を全て注ぎ込む…いつもそんな感じです。

1回目の演目「うさりーぬ」が終わってから、ポラタイムがやってきて、私の顔を見たりーぬ様から、凄く凄く嬉しい言葉を掛けてもらいました。
まだ1回目なのに、既にわたし泣きそう。
最後までいますよ、見守ってますと伝えてましたが、私の姿を見て少しはその時、きっと言おうとしてくれてたことを考えてくれてたのかな(もちろん常連さんの方々のことも)と思えて「ああ、本当にこの方が推しで良かったな」と胸がじーんとしました。

5頭の川崎では他に4人の踊り子さんが乗られていました(本当は+1人)
・聖京香さん
・翼裕香さん(6日まで)
・小春さん(6日から)
・須王愛さん
・ゆきなさん

という、6日のイベントには6人香盤という贅沢な週だったのです。
毎年、りーぬ様とゆきなさんは同じ5月頭に周年を迎えられるため
「5頭姉妹」と親しみを込めて呼ばれていました。

でも、それも、今回で、今年で最後。

刻々と時間が過ぎていき、3回目まで終わりました。
次第に人も増え、立ち見状態に。
川崎は関東の劇場の中では広いほうだと思いますが、中でじっと舞台を見守る人たちの熱気は熱くなるばかりです。

そして4回目、本当に最後の「夢のゆくえ」がはじまります。
卒業式の時に小春さんから明かされましたが、この演目は、振り付け、選曲、お衣装、全て徳永さんご自身が決められたということでした。
どこかファンタジーな世界でありながら、舞台で踊っている自分、踊っていた自分。
仲間の踊り子さんたち…その全てにリスペクトと感謝を送るような愛を感じていました。

「ポラに来てくださるおひとりおひとりに伝えたいことはあるけど、私は踊り子だから、舞台で自分の気持ちを伝えたい」

6日のイベントで、涙ながらにそうおっしゃられていたりーぬ様
いつも優しくて、気遣いも凄くて、品があってでもカッコよくて、ちょっとオタクで、それでも浅草のトリをつとめるぐらい凄い人で、そんな人が舞台で全て見せたいとかカッコ良過ぎて。

最後の舞台が幕を開きました。手拍子も拍手、鳴り物は禁止のこの演目。
会場は超満員でしたが、演目がはじまってすぐ何名かの女性たちが立ち見で入ってきました。
それは先ほどまでADVENTURES 2nd seasonで浅草の舞台に乗っていた踊り子さんたち…。徳永さんとも、何度も共演経験のある方々です。
それを見た時、また涙が溢れ出しました。明日も浅草に乗られるのに、きっと舞台の幕が降りて、車をぶっ飛ばしてここまで来てくれたんだなあと。
ああ、徳永さんは本当に愛されている方なのだと。

お衣装を着替えて、最後の盆に進み出る姿。
楽曲に込められた「明日」への船出、そして美しいポーズ。
最後まで泣かない…!と言われてた徳永さん。そして本舞台に戻り、くるっと振り向かれた表情は…必死に涙を堪えて、目を真っ赤にしている彼女の姿でした。

もう涙を止めるのは無理でした。本当に立派な舞台でした。
投光室からは既に卒業式の用意を済ませていた、聖さん、須王さんの姿も見えました。
みんなに見守られていた、この演目。

その後、りーぬ様は卒業式へのお衣装変えでしばし休憩となりました。
徳永さんの卒業式は、みなさん袴姿で登場しました。
本当に学園の卒業式みたいで、マジで清楚。
乗られている踊り子さん5名と、卒業証書を手渡すために舞台に上がった川崎分校の校長(社長)と翼さんが…。
凄まじくきちんと作られた卒業証書と、そして5人がこっそり、こっそり!
りーぬ様に内緒で作っていた「超・お嬢様聖書」を手渡すと、涙腺崩壊するりーぬ様。
とても分厚くて、キラキラで、皆さんの気持ちがこもっていて「良かったねえ」と泣きながら拍手しました。
その後は5名の在校生から送辞が。踊り子を卒業していく徳永さんへ、さみしさあり、悲しみもあり、でもこれから歩む道への餞の言葉をそれぞれが言葉にされていました。
そのあとは、徳永さんからお言葉が。

「踊り子は卒業しますが、次の世界でも”徳永しおりって元踊り子だったんだ!”ってことを誇りにできるように頑張ります、このストリップという世界がとってもこれからもずっと好きです!!!」
と。

…もう、好き。

そして皆で写真撮影になり、浅草チームも舞台に登って一緒にお写真を撮ることになりました。
その時に非常に印象的だったのは、様々な舞台で一緒になった武藤つぐみさんが舞台に現れると
「うあああああ!!」←文字通りこれ
と泣きながら、膝から崩れ落ちていたこと。

(早口)少しだけ説明すると徳永しおりさんは2022年「夢幻 The Tale of Genji 第二期」で夫役の光源氏役の武藤つぐみさん、共にペアダンスを踊れると期待するも、正妻の「紫の上」を演出上ほぼぼっちで踊ることになり、結構ずっと色んな思いをこじらせていた、私も光源氏様と踊りたい、うふふきゃっきゃっしたい!と。そして夢幻の5景「光源氏」は大入りの時に登場する「生き生きとしたモブ」役で武藤源氏つぐみの過激派TOとなり、本人がいる楽屋で本人の推しうちわを作っている、なんのこっちゃ。そして徳永さん自身の卒業を控えこのままでは終われない!と「FEMME FATALE 3rd season」にて自己プロデュースで、光源氏と紫の上の結婚式を執り行うこととなり、ライバルの乱入あり、やきうあり、武藤さんのソロダンスありと、わっちゃわっちゃな楽しいイベントとなった、というわけでの武藤さんの涙ありの登場に膝から崩れ落ちたというわけであった、おわり。

結婚式も、この光景も、Twitterでの過激派TO嫁の状態も見ていたため、私は涙が面白さですんっと引っ込み「落ち着けー落ち着くんだー、徳永しおりー」となってました。

写真撮影を終えると、最後のポラタイム。
既に終電も終わる時刻、残った人たちは朝までどこかに留まるか、泊まるか、飲むか、サウナ行くかの気合入った方たちが残り、りーぬ様との最後の時間を噛み締めるように楽しんでいました。
私も最後に伝えたいと思っていた言葉を伝えて、卒業写真を撮りました。

そのあと最後のOPでは、いつもの明るい夏の楽曲に合わせて「伝説のタンバさん(武藤さん)」のタンバの音とテクニック、共に盆で美しくポーズを取るりーぬ様。
なに!?私は一体何を見てるの!?つい半月ほど前には、浅草で手を取り合って(なんちゃって)結婚式挙げてたよ!このふたりぃぃぃぃ!?
夢のような光景を頭に叩き込んで昏倒する、ただのオタクと化したのでした。

さて、いつものOP、東洋特別小春さんおすもうOPと色々な「もう一回!」があって、終わらないチップ渡しと拍手と熱気。
「本当にありがとうございました!」
深々と頭を下げ、大きな声で挨拶をする徳永さん。
静かに閉まる幕。
こうして徳永しおりの踊り子としての「第一章」は終わりを告げたのでした。

最後に「夢」の話をしていた、徳永さん。
若い頃にふっと見た夢、年老いた自分のしわしわの手を見つめていたと言います。
それまで平凡で、別に何もなくて、だからこそこの世界に飛び込んだと。
今は年老いても、自分は踊り子で、沢山の方々に応援されてたんだということを
噛み締められる人生を歩んだと、満足されていました。

徳永しおりさんの「第二章」は、2023年秋頃に始動予定です。
それまで英気を養い、新たな一歩を踏み出して欲しいです。
私は後ろからでも、そっと見守るひとりであり続けたいと願っています。

「夢のゆくえ」は、まだ始まったばかりなのですから…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?