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続ける理由・辞める理由・始める理由

半日有休を取って『チョコレートな人々』というドキュメンタリー映画を観てから、始業の時間までカフェで珈琲をいただきながら考えごとをしました。児童発達支援の仕事をしていることと、舞台となっている「久遠チョコレート」が好きなことで、以前から観たかった映画でした。映画のあとに仕事モードに切り替えるのって難しいですね。
別の珈琲をオーダーしたのですが、店主から「今日のおすすめの珈琲はマンデリンで、安くなってるし」なんて言われて、素直にマンデリンに変更。

押しに弱い、昔から。

この日一日、ちょっとしたミスもあり。
考えごとをもっと静かに深く考えて、自分の心の動きを感じたかったので、自分の持ち帰り案件としました。


不向きな仕事でも続けてきた理由

インターナショナルスクールや英会話スクールで子どもたちの教育に携わってきて、椅子に座れない子ども、集中力のない子こども、記憶に留めることができない子ども、力加減ができずお友だちを強く叩いてしまう子どもなどへの対応の難しさを感じていました。

障害を持った子どもたちかも?
だったら、その子どもたちを理解することから始めるべきでは?

ちょうど職場の人間関係や仕事内容に嫌気がさしていた時でした。「私は子どもたちの発達を助ける」と決心してから一か月後、児童発達支援事業所・放課後等デイサービスを営む会社に転職しました。
しかし、情熱だけで知識も経験もない私は、頑張ったけど職場に溶け込めず。半年で退職決意し、7か月目で退職転職。
もっと確かな知識を身に付けて、経験が積みたい!というのが、退職の本当の理由でした。言えなかったけど。

次は前職のカウンセラーの先生から勧められた「個別療育」の先生の仕事ができる児童発達支援事業所に転職しました。しかし、その事業所の社長から、「あなたのような素人を育てる時間も経費の余裕もない」と言われてしまい、たった2か月で退職しました。

不向きなのかな。と思いながら、退職を申し出る前に応募した児童発達支援事業所・放課後等デイサービスの会社の面接にうかがい、その場で内定をもらったので、あっさりと退職を決めてしまいました。

懲りない、というか、諦めが悪いというか。
私にはできる!という、根拠のない自信があったんです。
そして、新しい職場で仕事を始めて1か月ほど経ち、社長から呼び出しがありました。
「あやめさんの仕事内容では、最初に提示したお給料が出せません。この給料でよければ、再契約してください」
と、めっちゃ給与を下げられた契約書が目の前に提示されて

あーーーーー!と私の心が崩れるのがリアルに見えてしまいました。
しかし、その瞬間に私が口にした言葉は

「わかりました。それが私の今の実力なのですね。」
私、笑顔で言ってしまいました。考えてなかったです、なんにも。

やっぱり、諦めが悪い。
知識も実力も不十分なままで、辞めるわけにはいかない。
自分なりにやり切るまで辞めない。
それから、4か月半頑張りました。
今は担当できる子どもたちが増えて、なんとか独り立ちして療育ができるようになりました。

絶妙なタイミングで潮目が変わった

3年に一度の児童発達支援・放課後等デイサービスの法改正があるのが2024年です。私が携わりたかったのは、個別療育ですが、来年の4月より現在の形でのサービスの提供ができなくなる可能性が出てきました。
未熟ですが、ABAや感覚統合、PECSなどを学び、療育の基本を身に付けさせてもらった現在の会社に感謝しています。子どもたちの自己肯定感を高めて、笑顔で過ごす時間を少しでも増やしてあげたい気持ちもあります。現在の個別療育の方法がベストと思えるが故に、法改正で納得できない仕事内容になる可能性があることに不安がありました。
12月末で雇用契約の期限が切れることもあり、今後の仕事を考えていたところで、心を決める出来事が起きました。

4月に一次面接を受けた後に選考を辞退した会社から、9月に新事業の構想がまとまりつつあり、私にポストを用意できそうだと連絡がありました。その日から社長と話し合いを重ねながら、少しずつ仕事をさせてもらいました。
そして、12月12日ー『チョコレートな人々』を観る前日に、3月からの雇用契約書をいただきました。私がやりたかった仕事が目の前にある。今までなら怖気づいていたシチュエーションでしたが、前に進む気しかありませんでした。現在の職場は人手不足で、時間とお金をかけて育ててもらった恩があります。できることなら二つの仕事を続けていきたいけど、新しい仕事は自分の使える時間を全て使ってやらないと、私が満足できないよね。

12月13日。『チョコレートな人々』に出演している障害を持つ従業員と彼らを雇う社長の心や働き方を知り、私が療育している子どもたちの未来に重なりました。転職すれば、障害を持つ子どもたちとの関りは一旦停止することになります。もしかしたら、ずっと関わることがないかもしれません。多分、それが心に引っかかっていたのかもしれません。
現在の職場の社長に退職を申し出るタイミングを逃しました。

12月14日。朝一番で退職を申し出ました。社長には退職の理由は待遇面の不満であることを伝えました。このことについては以前より話していたため、社長から頭を下げられてしまいました。それ以外に社長に伝えたことは新しい職場での仕事内容と、私を引っ張りあげてもらえたことに対する感謝の言葉でした。社長からは「会社がここまでこれたのは、あやめ先生のおかげです。」とまで言っていただきました。ずっと働いてもらえると考えていたとも。仕事ができなさ過ぎて、風当たりが強かったのも事実です。でも、私は辞めることより続けることを選びました。
もし、役立たずのままで退職を願い出ていたら、円満退職にならなかったかもしれません。

このような経緯で、退職は2月末で入職は3月と決まりました。

始める理由は、やりたい仕事だから

私は教育ママでしたが、自分の子どもたちに「〇〇大学を目指そうね」とか「将来〇〇になってね」と言葉をかけながら育ててはいません。個性も大切、勉強も運動も遊びも大切、お友だちも大切。公立中学・高校に通い、受験する大学を自分で選ばせて、就職先も当たり前に自分で選んでもらって。長女は法学部を出て、法律関係の仕事に就いていますが、思い立って仕事をしながら社労士試験の勉強をして一発合格。その後3か月間TOEICの勉強をして835点取得。プライベートも充実しています。長男は有名国立大学の大学院をこの春卒業し就職します。TOEICもいつの間にか受けていて935点取得していました。

勉強の仕方がわかれば、成績は伸びるでしょう。お友だちや家族と楽しく関り、好きなことをする時間を持つことで、不安のない毎日を送ることもできるでしょう。それが自己肯定感を高めることに繋がるのではないでしょうか。
勉強も遊びも仕事も自分でやりたいからやるもの、楽しいからやるものと意識づけできれば、ステキな人生になると思いませんか。

子育てで悩むパパやママのお話を聞いてあげたい。子どもたちに学んで楽しいとか、遊んで楽しいとかとか、他者と関わって楽しいとか、楽しいことでいっぱいの毎日を過ごす手伝いをしたい。

3月からの転職先は、それが叶えられる職場だと思えたので決心しました。児童発達支援の個別療育で学んでいることは、インクルーシブ教育だけでなく、でこぼこのある子どもたちのケアや、大人の発達障害の方と接する時にも役に立つものです。だから、児童発達支援の療育からは離れても、勉強は続けていこうと思っています。

先日インターナショナルスクール勤務の30歳年下の先輩とランチの後に、カフェに寄りました。
「妊娠6か月、おめでとう!」
大人気の名古屋コーチンの卵を使ったシュークリーム
ウィンドウにあった最後の二つを私たちがいただいて、
SOLD OUT の看板が出されました。

ラッキーな私たち
お話しできて美味しいものが食べることができた、ハッピーな私たち

彼女が言いました。
「子どもたちに妊娠を言ってないのに、『赤ちゃんいるね』って、お腹を撫でに来るんです。」

子どもと胎児って繋がりやすいみたいですね。
子どもも、パパもママもみんな、幸せになぁれ!!

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