見出し画像

【作品】共死と共生

【共死と共生】
サイズ:F40
画材:鹿の骨・角・紙粘土

芽が出て
花が咲き
種ができ
枯れて
分解され
土に還る。

孵化し
成長し
産卵し
死んで
分解され
土に還る。

生まれ
成長し
子供を産み
死んで
分解され
土に還る。

あらゆる生き物は
最後は微生物に分解され土に還り、
次の生命へと循環の役割を果たします。

人間だけがこの循環の役割を果たしていません。


人間は、他の生物を
「食べ物」として自然界のリズムを体内に取り込んでいます。

人間は進化するにつれ、
食べ物が腐敗する速度を緩めることができるように。
温度を一定に保ったままどこにでも運べるように。
食べ物の環境を人工的に作り出せるように。
大量に保管できるようになりました。

人間だけが、自然界のリズムからどんどんずれていくような感覚になります。


100年後の未来

2122年、今よりずっと便利になった社会。
栄養やカロリーは気にせず、好きなものを好きなだけ知らずに食べたり
タブレット状のものを食べると瞬時に口の中で自分の望む味わうことができるようになるかもしれません。

食べ物を得るために
自然界に関わる必要が
なくなっていくでしょう。


絵に込めた想い

この絵はすべて鹿の角で描いています。
山に置けば、微生物に分解され土に還るでしょう。

微生物の代わりに私が未来を描きました。
「鹿から双葉が生えている絵」ではなく
「鹿でできた地面(キャンバス)から双葉が生えている作品」です。


自然界の声が
未来を生きる人々に届くように。
自然の変化を、
自分達人間の変化でもあると
感じてもらえるように
祈っています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?