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となりの男女「エスプレッソと東京」

私は耳が良い。と少しだけ自信がある。
絶対音感などではなく、とにかく音を拾いやすい
そんな耳を持っている。

だいたい半径3メートル~5メートルくらいの会話は耳に入るくらい、地獄耳なのです(´;ω;`)

そんな私ですが
カフェにいるとすごくほかの人の話が気になる!!!
よくあるスタバ的なカフェだと、お隣も近いし
話が全部聞こえてきてしまう経験は多々あり
みなさんもあるのではないでしょうか?


今日はそんな隣の男女のお話をnoteに残しておきます。



ある日、名古屋駅で近くのカフェに入った。


ここのカフェ、駅が近いからか、店内が大きいからなのか?やたらいつも面白い話が飛び交っている私のお気に入りのネタ探しスポット。

ねずみ講の勧誘や説明、保険の話、不倫相手との待ち合わせなど
ここは是非とも名古屋にお住まいの方には行っていただきたい場所だといっても過言ではない。



その日は1時間ほど時間を潰したかった。夕方ということもあってか、席がだんだん混み出す。
入店し15分もした頃には店内には人の話し声が溢れかえり、一気ににぎやかになっている。


ふと、隣の席にカップルが座った。
どちらも20代半ばくらいの男女で、デートなのか、彼は少しくたびれた様子。
(彼女のお買い物に付き合ってあげたのかしら?)

ドリンクを運んできた彼女のトレイには、エスプレッソとオレンジジュース。


ふたりのファッションは、特にトレンドを抑えているわけでもなく
お母さんに選んでもらった風な男性&こっちも地味で大人しそうな格好の女性。


(この二人どうして付き合っているのかしら?)
なんて、厄介な地獄耳おばさんは思いながらも読書を続けた。
世の中好みはいろいろなので、そこに意見をするほどではない。


しかし、つぎの瞬間

私の耳に爆弾が落ちた。



男「え?エスプレッソ小さくね?」




私は固まった・・・

え?エスプレッソが小さい??
いやいや、どう見てもスタンダードなエスプレッソ。
サイズもシングルのエスプレッソのサイズである。


男「450円でこんなに小さいの?何かの間違えじゃなくて?」


女の子は困った顔をしながら
お店の人に聞きに行った・・・。

この男・・・カッコつけてエスプレッソ注文したな・・・?
初めて飲むんじゃないか・・・

もちろん彼女は
顔を真っ赤にしながら戻ってきて

女「エスプレッソはこれなんだって・・・」


きっとカプチーノあたりが頼みたかったのであろう。
かわいそうだが、それが常識だ。


しぶしぶ、男がカップに口をつける。
その瞬間さらなる爆弾が私の耳を襲った。


男「にっがっ!!!!!!!!!!!」



・・・・・。
エスプレッソだからね・・・苦いよね・・・。


男「これ絶対失敗したやつだぞ」
(そんなことないよ。。。)
女「え~...変えてもらってこようか?」
男「あーもういいわ。水もらってくる」


その後エスプレッソカップに大量のお砂糖を入れ
水で薄めていた。お気の毒に・・・。


やさしい(大人しい?)彼女はじっと彼の話に頷くばかり。


男「ってか、もう東京では
ス○バとか誰もいかないからね」


まじかよ。私都内でも行くわ。
どこでもあるし。WiFiもあるし電源もあるし
インスタでもスタバ行きまくってるじゃん。


女「え?そうなの?」



男「東京の人はみんなプ○ント行くからね。

もうスタバはオワコン」




いやいやいやいや!
誰だよ、この人プロ○ト連れて行った人は!
そもそも名古屋駅にプ○ントあるからね!?



美味しいよね、カルパッチョ。


女「え~行ってみたいな~!」
男「あ、お前みたいなガキはまだ早いよ(笑)」


うええええええい!!!
私机の上に乗って踊りだしそうだよ!!!!
どんなだよ!!どう見ても同い年くらいだよ!!!!

もうここまで来たら私がプロ○ト連れて行くよ!
ここから歩いて5分だから!


もうこれ以上爆弾落とされないうちに
改札行こうかな。。。と本をバッグにしまい
私は新幹線の切符を取り出した。


男「それにしてもやっぱ旅っていいよね」

女「うん♪旅行いいね♪」
男「ひとり旅してぇわ。」


彼女はきっと一緒にいきたい、って思ったんじゃないか。
なぜそこで目の前に彼女がいるのに
そこへ向けて「ひとり旅したい話」を選んだのか。

もはや私は席を立つことを忘れた。


今日は楽しかったね、とか、ケーキ美味しいね、とか
そういうコンテンツの話じゃなく...

どうしてそっちに持っていくのか。





そんなだからママチョイスのファッションから抜け出せないんだよ!!!(↑これは完全なる想像です)


女「かっこいい~♡何処に行きたいの?」
男「人生変わる旅ってやっぱ大事だと思うんだよね」


確かにね。


男「いや~次の夏はひとり旅、やっぱ行ってくるわ。


東京まで」


いやいやいやいや!まてまて。
東京と名古屋って1時間45分だよ!日帰り可能だよ!


女「えーすごいね。ひとりで東京なんて。。。
どのくらい行くの?」


男「一泊二日かな」


もうこれ落語でいれば
お後がよろしいようで、ってやつだ・・・・



一泊二日の旅で人生変わるって
一体都内でなにが起きる予定なの・・・怖い!
彼の中の東京の価値ってすごすぎない!??


新幹線の時間もあり、さすがに危なくなってきたので
そんなカップルの横を「すみませ~ん」といいながら通り、私は足早に改札に向かった。


世の中、いろんな人がいる。適材適所、カップルも相性なのだと思う。どこで出会うかわからないし、付き合ってみないと続くかもわからない。

このときを今思い返せば、ここは彼女が天使だった。

ずっと静かにすごいね、って頷いて。彼もきっと話したくて仕方ないんだと思う。

カフェでとなりの席なんて、ただの偶然だから
こういう面白い出来事にする中でも

やっぱり

①すごいね、と認めてくれる人
②聞き上手、頷き上手
このあたりは鉄板のいい人が持つ
スキルなのだろう。

いつかあの彼もエスプレッソのおいしさを
知るときが来るのかもしれないね。
彼女、大切にしてもらえるといいよね。





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