【あとがき】


   タコはとっても美味しい食材です。また、日本人にとってとても身近でとても愛されている食材。しかし一部の関係者の雑な扱いや、知識やポリシーのない流通・加工によりその優れたパフォーマンスが活かされていないケースが非常に多い。とても嘆かわしいことです。加えて、その惨状に気づくことのない調理関係者(もちろんそうじゃない方も多くいます)、そして消費者は

「タコの味って... えっ!! 知らない。こんなものでしょ。」

と納得してしまっている。そう、知らないから追求しない。追求しないから一部の業界関係者は行為を正さない。とても遣る瀬無い、かなりもったいない事態です。負のスパイラルと言ってもいいでしょう。その上、乱獲、気候変動などの原因で近年は漁獲高が減り、価格が高騰し続けています。下がる気配は一向にありません。一体どうしたら日本の食文化に於けるタコの存在を守れるのでしょう?

『タコヤキのタコを噛んだら水道水の味がする。』
『たこ飯を食べたら砂糖と醤油の味がするだけで、タコの風味がない。』

こういうのを当たり前にしてはいけません。高級店だけでなく一般庶民が普通の、普段の食事で美味しいタコを食べられるようになるのが理想です。そうなるように各業界関係者と消費者それぞれが今一度食材としてタコをどう捉えるか? どう向き合うか? その流れを促すことができればいいかな? っと思い書きました。

 少々エラそうな、いやかなりエラそうな、しかも分を弁えない失礼な物言いですが、当店では...

「タコってこんなに味があるんですね。」

とおっしゃるお客様がホントに多いのです。ということは裏返せばタコの美味しさを知らない人の方が圧倒的に多いということです。

タコの本当の美味しさ... それをもっともっと多くの人に知っていただきたい。知っていただければ幸いです。

最期までお読みいただきありがとうございました。


前項  目次

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?