〖余談〗の時間 その六


 『たこ味焼』をテイクアウトされるお客様には、ご要望なら『割り箸』をお付けしています。極々超トロトロですから爪楊枝じゃ上手に食べられません。しかしここでちょっと難儀な問題があります。
 『たこ味焼(たこ焼)』という食品の性格上、テイクアウトした場合1パックを複数人で召し上がることがよくあります。当然ですよね。だから例え1パックでも割り箸が1膳とは限りません。ですからお客様に割り箸を何膳希望かその都度聞いていたのですが、

「4つください。」
「5膳。」
「6膳欲しい。」

っと、なかなか不釣り合いな数を要求されることがありました。
 さすがに割り箸もタダじゃないですし、環境がどうのこうの(建前上ですが)という問題もあります。だから、『1パックにつき2膳まで、それ以上は爪楊枝を入れる』とルールを決めようかどうしようかと思案していた頃のエピソード。そのルールを定めようと決心した事件が起こりました。

 30代男性がご来店されました。ご注文は1パック。調理中に窓越しに会話が始まります。お人柄は穏やかで良識があるお方に思えます。聞けば中学校の先生だとか。この『たこ味焼』も生徒と一緒に食べるそうです。いい話じゃないですか。やがて焼き上がり、袋に入れ割り箸の希望本数を伺います。

 私「お箸、何膳入れましょうか?」

 男「10膳お願いいたします。」


... 9個入りなんですがね...

実は注文前に質問されたので、『1パック9個入り』と伝えてあります。その男性、知っていて10膳と言ってきました。

私(心の中)「ちょっと考えてから答えろよっ!!」


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