マガジンのカバー画像

[日本語] little magazine

13
うつわづくりと、日々を旅すること  ”I hope you are fine ”
運営しているクリエイター

記事一覧

灯りと生活 Iben Winther Ortonを訪ねる

「朝と夜、夏と冬、1日のなかで、陽の光や影の動き、時間帯やリズムを体感してると気づくことが大切なの。 窓際やお部屋の中で過ごす場所にキャンドルを持ち歩き、灯りを作る。 人と人の間置くキャンドルの淡い灯りは、心を近づけてくれるの」 照明デザイナー Iben Winther Orton (LIGHTSCAPES)さんのご自宅を見学させてもらった。彼女は器具をデザインするのではなくて、自然光も含めた「場」の灯りをデザインするひと。 私が「私も工房の中で1日過ごしていると、自然

生活と自然のバランスは葛藤があるのよ

Good waste Bad waste 2023.8.18. Denmark 「私たちも葛藤はあるのよ。 サステナブルと経済のバランスは難しい。 考えながらベストなバランスを探しているの」 私たちを夜のお茶に招いてくれて、ケーキまで用意して待っていてくれた。 彼女は利益を求められる企業の役員という立場と、家庭では母親の立場をもっている。 数ヶ月前、カナダの山火事でNYが大気汚染されたというニュースを見て、NYに住む息子に慌てて連絡したという。 「最近、ノルウェー

魔法の地球儀 〜気候変動を視る Climate Center (デンマーク ビジュアル気候センター)

「夏ってこんなに暑かったっけ」 聞き飽きるほどの日常会話。 残念ながら今年の夏も、東京は息をするだけで暑い。涼しいコペンハーゲンに降り立って、まず心身ともにホッとした。 今年は“ギャップイヤー”にしようと決めてたから、旅の目的のひとつ、環境のことを知りたくてデンマークでStudy tour に参加してます。 コペンハーゲンから車で2時間、ロラン島にあるClimate Center (ビジュアル気候センター)に着き、暗い部屋に足を踏み入れた。 「うぁ。綺麗」 ふわりと

流れる雲と目的地

朝から黒雲はざーっと雨が降らせ 今はもうカラッと晴れて 入道雲が広がっている。 きのう会った友人。 東京→NY→奄美大島と移住し 自分の人生を軸にして 目的をもって場所を選んでいるような いつ会っても生き生きとしてて とても憧れるし、尊敬してる。 それって 運が良いというのとは違うんだろうな。 何となく今の居場所を優先しがちで その範疇で人生の物語を描いてしまうけど、逆だね。 今ごろ3人の息子のために、帰りの飛行機が飛べるのか、と台風予報と睨めっこしてるでしょう。 気を

人生にせよ、芸術にせよ

焼き鳥と劣等感 少し前のこと、多治見の窯元を訪ねた。 私にとって「窯元」というと、レジェンドのような、少し敷居が高いような緊張感がある。せとものの文化を繋いできた人々という敬意のあまり、なかなか足を踏み入れられなかった。それは、私が”本物“の歴史に触れて来なかった余所者のような劣等感からだ。 2か月前に遡る。陶芸仲間と飲んだときのことだ。 夕方のまだ少し明るさの残る頃、古民家を利用した店構え、炭火焼、間違いない焼き鳥屋に集合した。 ひとしきり盛り上がった頃、つくねが運ば

「私、どうしたらいいんですか」という迷走度

学生のころ、大人になれば 「やりたい事」が自然に見つかるものだと思ってたけど、 全然違うし、 いつの年代もこの悩みに、何度も突き落とされる。 「思ってたのと、違うじゃないのよ。」 と、山に向かって叫びたい。 本当に迷走してしまう時って 自分を後回しにして他を優先しすぎ 謙りすぎる人ほど、 迷走度が高いような。 誰かに考えを任せたくなっちゃうんだけど、 その分しっぺ返しが大きい。 結局、自分で舵取りするコツを掴むしかないのかあ。 そんな話をした。 ああ、今日も暑いね。

わたしが花を買うとき

ちょっと大変だったとき、 頑張ったとき、花を買うんです。 面倒な事務手続きだったり 歯医者さんだったり、そんな些細なこと。 花を買う理由は人それぞれだけど 自分へ…って、けっこう気に入ってる。 雨の音がしていて、 器を眺めながら、植物の香りを嗅いで、花を挿す。 alfwardhana ”Rainy days" って曲、似合うね。 #ayaogawa_handmade_ceramics #ayaogawa #小川綾 #陶芸 #陶器 #interior #インテリア #

染みついた考えは、冷蔵庫のシールみたい

知りたいと思ってるのに、時間がなくて後回しになることは世の常。 最近ぼちぼち手をつけはじめたら、すごく楽しい。 そういえば、勉強が嫌いだったのに楽しい。わかるって楽しい。 自分が経験したことを、疑い深くみる。 「そもそも、なんだっけ?」と自問自答するのも好き。 「私はこうだったから」って答えを信じすぎちゃうから、 染みついた考えは、冷蔵庫に貼ったシールみたいに、なかなか剥がれないのよ。 そんな時、孫泰三さんの「冒険の書」を読み終えたんだけど、 最後「おー」と膝を打ってしま

欠けたもの繕わず

「見て?カッコいいなあ」 陶芸仲間と炭火焼鳥を食べに行ったときのこと、一人が言った。 欠けたうつわを金継ぎこそしていないけど、丁寧にやすりを掛けて使っていた。その無骨さゆえのカッコよさ。 何かに捉われずに、意思を表してみてるみたいで、じんわり胸に響いた。 陶芸のひとが集まると、 作り方がどーだとか(否定じゃないよ) 器の裏を見てみたり お店の人からすれば ちょっと面倒な一面もあるけど面白い。 この何年か、テイクアウトや家で焼いてみた焼き鳥は、物足りなかったことを思いだ

どこにいても生活は生活

Wherever you are, life is life. *English is below インスタを始めた頃、 外国の陶芸家や作品を見るのが楽しくて夢中になった。 調べたら10年以上も前だった。驚くね。 土も違う、風景も文化も違う、 だから作り方も作るものも違う。 その自由さが眩しくて 反対に自分の発想の狭さを知った。 それでも、 同じだな。 ってことも見つかった。 空の美しさにハッとしたり、 残念なニュースに心を乱されたり、 花が咲く喜び、 誰かとの違い

この色が美しい、なんて嘘だった

朝の青白い陽、 冬の黄色い陽、 水に浮かぶ艶やかさ。 世界のどこかでもきっと違う。 ずっと変わり続けてる。 夏の夕暮れ、ほんのり赤く染まった色の美しいこと。 その瞬間だけが本物なんじゃないか。 LIVEが、LIFE。 夏も終わりを告げはじめた。 そういえば週末、森山直太朗さんが インスタで歌ってた「夏の終わりのハーモニー」が ものすごく素敵だったなぁ。 まだIGTVに残ってればぜひ。 It was a lie that this color was beautiful

本を作って頂くことに。

I have ZINE making by Nordic lifestyle & Craft - a quiet day - [English is below]・ ・ ちょうど1週間前、アトリエでは一日かけての撮影と取材でした。 時折インスタグラムで綴ってきた 作品ひとつひとつの物語と どんなことを感じながら、 何を思い描きながら作っているのか… 働き方のこと… そんなお話をさせていただきました。 ・ 制作編集は、a quiet day の方々ですから きっと素敵なものにな

大切なものは、足元に落ちていた

個展って何だろう ③ The precious things were falling at my feet.. __What is a solo exhibition 3 [ English is below ] ・ 2018年12月13日、パリからヘルシンキへ。 フィンランド美術賞展公募に なんとか作品を発送してから、2週間後。 パリのクリスマスマーケットに出品させてもらえることになってたので 慌ただしくヨーロッパへ来ていた。 ・ この時、半年後に再訪するとは知らず、 雪