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小さい頃に叶えたかった、ささやかな夢

小さい頃に叶えたかった、ささやかな夢はありますか?
そして今、それは叶いましたか?

なんて始まりました、小さい頃に叶えたかったささやかな夢の話。
これを読んでいるあなたにはありましたか?
私はありました、絶対に叶えてやると思っていた小さな夢が。

フルーチェをまるまる1箱、私1人だけで食べる夢が。

 小さい頃、母親は時々フルーチェを買って作ってくれました。
必ずイチゴ味。
ボウルで作り、私と妹に分けて残りはラップをかけて冷蔵庫へと入れる。
小さな器の中のフルーチェはキラキラしているように見え、子供心ながらに嬉しくて堪らなかった。
でも数口食べたらすぐに終わってしまう、何とも儚いものなのも真実で。
また明日、風呂を上がってからでないと食べられない、それがまた待ち遠しくて特別感があって、ちょっぴり悔しいような気持ちになった。
その時に誓ったのだ、大きくなったら1人でまるまる1箱、私ひとりでフルーチェを食べるぞ、と。

そして時は経ち、社会人になった私はそんな事すっかり忘れていた。
だがいつだったか、フルーチェを食べる機会があった。
その時に「そういえば」と小さな頃のささやかな夢を思い出した。
これはやらなければ、きっとやった方がいい。
私はフルーチェと牛乳を買い、家に帰った。
何が始まるのかと集まってきた家族を見つつ、フルーチェを作っていく。
作ると言ってもフルーチェの原液と牛乳を混ぜるだけ、ただそれだけで魔法のようにあの美味しいフルーチェが出来上がったのだ。
そして家族に見守られながら出来上がったフルーチェをボウルごと抱えて食べる私。
めちゃくちゃ美味しかったし、よくわからない謎の満足感に満たされた。
もちろん、1箱分ぺろりと平らげた。
小さかった頃の私のささやかな夢が今、叶ったのだ。

もうかなり前の話なのに覚えているということは、私自身ちゃんと夢を叶えてよかったと思っているからだろう。
やらなかったらやらなかったで、多分人生にはそんなに影響はない。
でも私はやってよかったと思って、今でも覚えている。

あなたには小さい頃に叶えたかった、ささやかな夢はありますか?
そして今、それは叶いましたか?

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