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君のことを知らなさすぎる

彼女との出会いは高校生の時なので、友だち歴7年目。

クラス替えをして出席番号順に並んだ席順で前後になった。名前が少し似ていて、誕生日が一緒で、血液型も同じ。産まれた時間も1時間しか変わらなかった。

彼女は簡単に人には心を開かなくて、お互い仲が良いと公言しているにも関わらず私にもまだ心を許してくれていないのではないかとたまに心配になるぐらい秘密主義だ。
彼女は変なものが好きで、変なものを集めるのが好きだ。
彼女はSNSのアカウントは持っているものの全然更新することがなくて、同級生から「あの子生きてる?」となぜか私に連絡が来るぐらい息を潜めている。私は「たぶんね」としか答えられない。
彼女は口下手で、話すのも手紙を書くのも嫌いだ。私と正反対。
彼女は安室ちゃんと椎名林檎が好きで、家を訪れるといつもライブDVDを流してくれる。
彼女の好きな食べ物…そういえば知らない。刺身が食べられないのは知っている。これも私とは正反対。
彼女とは連絡を頻繁に取り合うこともなく、大学で住む場所が離れてしまったため頻繁に会うこともない。半年に1回ぐらい、私が東京に行くタイミングに合わせて会うぐらい。

私と正反対なことが多すぎるし、こうして挙げてみると私たちは仲がいいと言っていいのか本当に不安になってきた。

それでも私たちはなぜか、お互いのことを親友と呼ぶ。

結婚式の友人代表スピーチは任せたよってお互いに約束している。おばあちゃんになっても一緒に旅行いこうねって約束している。

別に毎日会わなくても、毎日連絡を取り会わなくても、お互いのことを何でも知らなくても、

会えば昨日の続きのように話が始まり、明日もまた会えるかのようにお別れし、大事なことがあれば1番に報告したくなる。知らないことが多いことを許せる、というのが頑張らなくていいポイントだから長く付き合えるのかもしれない。これ、カップルでも言えそう。

これが私たちの「親友」の在り方で、私たちは紛れもなく親友です。

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