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昇仙峡一人旅

最近寒くなってめっきり家から出なくなってしまった。たまに出る時も夫と車なので、1人でスーパーに行くことに躊躇するくらい引きこもりが板についてきている。
そんな時分に夫が友人と一泊旅行に行くということで降って湧いてきた1人の休日、久しぶりに昇仙峡に行くことにする。


12:00 古奈屋ホテル

1人の休日と思っていたら、近所にいる数少ない友人からランチに行こうと声をかけてもらう。彼女は中高の同級生で都内勤務、お互い縁もゆかりも無かったはずの甲府盆地で落ち合う奇妙な感じ。
肉を食べたいというリクエストのもと、甲府駅の老舗・古奈屋ホテルでプチコースにする。近況を報告し合い、コーヒーもお代わりをしてなんだかんだ14時過ぎまで居座ってしまう。

前菜が美味しかった。最近蕪が好きなので


14:45 甲府駅バスターミナル

駅前で友人と別れてバス停へ。冬の時期は直通のバスは出ていないようなので路線バスでとことこ行くことにする。昇仙峡に行く目的は二つあって、一つは滝を見ること、もう一つはあのエリアにある石ころ屋をじっくり見ることだった。夫といるとどうしても気を遣ってしまう。
Googleを見ると大体滝上からロープウェイまでの周りにお店が集まっていてどこも17時まで。ひと回りできるだろうと目論む。

バスは丁度人が座りきれるくらいの乗車率だったのが、街中を抜けると最後の1人になる。まじか。やはりこの時間から昇仙峡は無謀だったろうか。若干の焦りが生まれる。


15:15 昇仙峡入り口

枯露柿が干してあるドライブインで終点です〜とバスを下ろされる。まじか。ここはどこだ。昇仙峡滝上まで行けると思ってきたので焦る。なかなか歩く必要がありそうな感じ。

と、下りた瞬間におじさん2人に囲まれ、びびる。曰く、ここからマイクロバスに乗り換えて滝上まで行けるが下りが16時10分発なのではやく乗って観光してこいとのこと。案内に従ってバスに乗り込む。もちろん乗客は1人、往復で1000円。ぼったくり価格でなくて一安心。

ずんずんと山道を上っていく。これは…歩けなかったな…。途中止まって突然のガイドが始まる。覚円峰と天狗岩。真下の遊歩道は落石で立ち入り禁止になっていて、来年の3月ごろに通行再開になる見込みとのこと。

マイクロバスの中から、覚円峰を望む


15:25 昇仙峡滝上

恐らく急いでくれたんじゃないかと思うのだけど、終点に到着。16:10に帰ってくるように言われる。ロープウェイのりば周りまで行くのは諦めることにする。

とりあえず滝に向かうと道沿いに薬石の館なる石ころ屋が出てくる。良いですね〜。早速入る。小石のバラ売りスペースと、ショーケースに入っている桁がひとつか2つ違うものと、アメジストドームなどのオブジェ。

ショーケースに水色の石が横から見たダイヤモンド型💎そのままにカットされている指輪を見つける。可愛い〜。60万円。
翡翠のワイングラスを見つける。素敵〜重そう〜。38万円。

眼福してから小石ゾーンに戻る。と、アメジストと書かれている石が指輪にくっついているものが皿にじゃら入れされている。なかなかクラシカルなデザインで色も好みな感じ。2000円。せっかくなのでお土産に買うことにする。

また増やしてしもうた。…いや、そのつもりで行ったんだけど。

店の中には猫がいてストーブの前を陣取っており、一緒に暖まっている店員さんに声をかける。

「このままつけていかれますか?」
「はい、お願いします。あ、paypayで」
「QRこちらになります。じゃあ浄化しますね」

浄化しますね!?!?

何かが始まるらしい。ドキドキ。店の中央にあるクリスタルドームに指輪が置かれる。お支払いをする。レシートをもらう。

…で?

「あ、お客様が取っていただいて。私はもう触れないので、浄化したので」

浄化したので!?!?

…非常に良い体験をしたと思っていて、これを甲府駅前でやられたらはいはいと思ってしまったろうけど、昇仙峡の石屋が浄化した言っているのだからそれはもう浄化されているのである。心なしか石も輝いて見える。病は気から。


15:40 仙娥滝

思いがけず石ころ屋に満足したので、残りの時間は思う存分滝を見ることにする。
初めて来たのはまだ都内に住んでいた時の夏で、岩を削った階段を降りた瞬間巨石を落ちる滝の水飛沫でひんやりとした空気に触れて驚いたことを覚えている。こんなところがあるなんて山梨すごいなあと思って。住みたいと思った理由のうちの一つである。

仙娥滝
下流に向かう大岩
逆光の覚円峰

前来た時より小銭が散乱しているのが印象的だった。1円玉がそれなりの数落ちていて踏まずには進めない。そこまで時間があるわけでもないのでそこそこで引き返す。浄化された気分。


16:10 帰路につく

影絵美術館の前のバス停に余裕を持って到着。行きと違ってマイクロバスは満席。人がいる安心感ってあるよね〜。
またドライブインで乗り換えとなり、15分ほど待機。路線バスが来る。


甲府駅に戻った時には、もう日が暮れていた。

またいこ。



おわり。

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