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#2 なりたい自分

もうすぐ函館に来て4年目の春を迎えます。
正式に言えば春が来る前に居なくなるんですけど、今年は3月にちゃんと春になりそうな気もするのよね。もうお外が春先の匂いで毎日外に出るたびびっくりしてる……。

高校3年生の私に「今函館で演劇やってアイドルやって日本語学の勉強してちゃんと海外にも(一応)行って友達もできて、就職もできて、人の前に立てる様になってるよ。彼氏はいないけど」って言ったらなんて思うだろう。猫ミームみたいな顔してそう。
ふと、引っ越しが近くなったのでそんなことを考えたりしている日々です。
それくらい、ここに来る理由なんて何も無かったので。
そもそも、私は何がしたかったんだろう。何になりたかったんだろう。
今、やりたいことができてからはあまり思い出せなくなってしまったこと。「やりたいことがない、なりたいものもない」が口癖でした。
正確には「やりたいしなりたいものもたくさんあるけど、笑われたくないし否定されたくないから口に出さない」でした。アイドルだって、演劇だって、将来の夢だって高校の最初までは「アナウンサー」とか「ラジオパーソナリティー」だったし。

アナウンサーを目指してた時に、進学先に迷ってアナウンサーさんに相談した時に「アナウンサーは武器がたくさん必要だから、それを伸ばせる場所に行け」って言われて、当時の私の武器ってなんだろうなーって考えたときに真っ先に浮かんだのが英語でした(今はマジで喋れないし聞くのも読むのも怪しくなってきた。中学英語からやり直したい!!)。市のホームステイ企画とかも家庭の事情やお金の事情で手出せなくて、海外に興味のない家庭で育った私に海外進出は夢のようなものでした。ガンガン海外行ってる人からしたら大したことないかもしれないけど、私にとっては人生変わるレベルの行動に思えて、一回は行ってみたいけど……怖いなぁ……って考え続けてました。私はバカなので「単位かかってたら勇気とか言ってられないんじゃない?無理やり背中押してもらえる学校に行こう!」ってなって、今の大学ともう一校受けることにしました。そこまで無理して海外行く必要ある?って思われそうな動機ですが、本当にそれだけで受けました。教員になりたいわけでもないし、函館やもう一校に思い入れがあるわけでもなく。ただ、1つ望み通りって言うなら一人暮らしがしたかったことくらい?
あとは、昔いじめてきた人達よりもまともで幸せで充実した生活を送ることも考えて、縛られてました。かなり他人軸でした。一人で勝手に復讐心みたいなのに燃えてて、当の本人たちは私の存在さえ覚えていないだろうにそんなことばっかり考えてました。

最近になってやっと、自分のために自分のしたいことができるようになってきた気がします。自分で選んだやりたいことを、好きなようにやらせてもらってます。地元の人間が優しくないってわけじゃないけど、函館はそういう人たちが多いから、同じように扱って、優しく助けてくれました。馬鹿にしないんですよ、「やりたい!」って言っても。それが衝撃的で、かつありがたかったなぁと。自分の意思を出しても笑われない環境が欲しかったんだと思います。よかったねー、昔のあゆりちゃん!って感じ。

今、具体的に何がしたいかは実はまだよく分かってません。
人の目にふれることだけは続けていたいし、歌とダンスとお芝居を、見るのもやるのもやめないでいたいってことがいちばん。1つには絞れないけど!まだね。

なりたい自分を与えてくれたこの場所がだいすき!
出会いと別れを沢山与えてくれたこの場所がだいすき!
ちょっとの間だけど函館にいられてよかった。

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