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しあわせな一日/暮らすように旅するポルトガル

長期旅行と友達

去年パタゴニアで知り合った友達ダニエルとリスボンでご飯を食べることになった。

旅で出会う人は、そのタイミングで好きなことだったり、やっていることだったりと共有できることが多いので、友達になりやすい。
南米を半年近く旅行し、ハイキングを通して知り合った人たちは多いが、がっちりと繋がっている人は、案外少ない。

長期の旅をしていると、人や社会とのつながりが薄くなる気がする。
一定の場所に住んで仕事をしているときは、自分はそういうのは求めてないと思っていたが、それは「どこか」と「誰か」と繋がっていたからだとわかった。
ないものねだりなのかもしれないが、やっぱり薄くない人間関係を築きたくなる。


友達はノマドのプロ

このリスボンで再会するダニエルは、例外で薄くない人間関係を築いている一人である。
チリの小さな街で出会い、その後何度となく会っている。
どこから来たの?どこへ行くの?以外の会話がある。
ノマドワーカー歴7年目の世界放浪のエキスパート。
今はリスボンをベースにし、旅をしながら一日2,3時間仕事をするという、悠々自適な生活を送っている。
彼が会社の経営者であるからできる憧れの生活ではあるが、ここまで来るのには頭の良さとたくさんの努力があったからなので、尊敬もできる友達である。
驚くのは彼がインド人であること。
私たちが会う長期旅行のベスト3は、ドイツ、フランス、オランダ。
そもそもインドから個人旅行で世界を旅行している人には、なかなかお目にかからないのに、世界を自由に飛び回る生活を7年もしているなんて驚きである。
なお、「ダニエル」という名前は本名ではない。
レストランの予約をする際に、本名を言うと何度も聞き返されてしまうために使用しているイングリッシュネームだそうだ。


レバノンレストランで待ち合わせ

コペンハーゲンに小旅行に行ってた話を聞かせてもらい、私たちもサーフキャンプの話しをし、今度一緒にサーフィンをしようと説得する。
「目が悪いんだけど、メガネをしてサーフィンしている人いる? 度入りのゴーグルしている人はいる?」なんて真面目におちゃめな質問をするところも、私たちが彼を大好きな理由である。
おいしいご飯でお腹がいっぱいに、楽しい会話でしあわせな気持ちもいっぱいになる夕食だった。

味も見た目も満足!
リスボンは様々な国の食事ができるのも魅力。
レストランはPrincipe real エリアにある。
落ち着いたエリアで公園やおしゃれなお店が並ぶ。


夏にこんにちは

夜10時半ごろ別れ、アパートに戻るとコメルシオ広場からなにやら音楽が聞こえるので行ってみたところ、リスボンで毎年6月に開催されるフェスティバルのオープニングコンサートだった。

No concerto de abertura das Festas de Lisboa vamos dizer olá ao verão e cantar, cantar até que a voz nos doa,
(リスボンフェスティバルのオープニングコンサートで、夏にこんにちはと言い、声が枯れるまで歌いましょう。)

リスボンフェスティバルのHPより

日本語は翻訳アプリの訳だが、「夏にこんにちは」なんておしゃれだし、「声が枯れるまで歌おう」なんて素敵すぎる。

リスボンフェスティバルは以前は宗教的な意味合いが強かったそうだが、現在はお祭り色が濃くなっているそう。
そういえば、街のあちこちで屋台の準備をしていたのを見た。

フェスティバルは数週間続くが、残念ながら翌日リスボンを発たなければならなかったため、名物のいわしのグリルを食べることも、イベントを見て歩くこともできなかったが、この日のコンサートはとても感動した。

当日出演ミュージシャン
Antonio Zambujoさんの歌声が泣けてくる

ポルトガル語

コンサートはすべてポルトガル語だった。
リスボンは急に国際色が豊かになったのか、英語で済んでしまうところが多々ある。
ある晩入ったレストランでは、ポルトガル語がわからないスタッフが働いていた。
メインの客が外国人ならポルトガル語が話せなくてもいいのだろうが、とても驚いたし、少しショックだった。

でも、この日のコンサートは英語なしのポルトガル語のみである。
地元の人たちが一緒になって、ポルトガル語で歌い、踊っているのを見て、なぜかとっても嬉しくなった。
きっとポルトガル愛を語るポルトガル人に会ってきたので、彼らが楽しそうな姿を見て嬉しくなったのだと思う。

最後にコメルシオ広場の上空を、たくさんの花火が舞った。


今日は大好きな友達に会うことができ、楽しそうに歌い踊るポルトガルの人たちを見ることができた。
そして最後に花火のサプライズで、しあわせな一日が締めくくられた。


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