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選ぶことは、捨てること。

藤井壮太さん。
高校3年生をあと2か月で卒業という1月に、「将棋に専念したいから」という理由で高校を自主退学したというニュース。「なぜこんな悪手を」「間違った選択」などというコメントも見たけれど、私には自分の将来を確信している人の潔さと映った。

就職活動をしていて思うのは、
「何かを選ぶことは、何かを捨てること」
この「捨てる」がなかなか難しい。

どの仕事にも、職種、給料、オフィスの立地、職場環境、福利厚生など多様な条件がある。
職種にこだわればお給料が安くなることもあるし、高給に執着すればライフワークバランスは妥協しなければいけないかもしれない。フリーランスで働けば、自由度が高い代わりにリスクも背負うことになる。大きな会社で安定を求めれば、大企業ならではの組織の重さにうんざりしてしまうこともあるだろう。

藤井さんのように唯一無二の才能があり、自分のやりたいものはこれ、とはっきりしている人は、とてもシンプルだ。まずひとつを選択すれば、捨てるものはおのずと決まる

けれど、おそらく私を含む多くの人にとって、先にひとつを選ぶことはとても難しいので、捨ててよいものからどんどん捨てていく「取捨→選択方式」をとることになる。

このときに「ひょっとしたらこの選択もアリかも」といって捨てきれないことこそ、自分を迷える羊にしてしまう最悪の方法なのでは?と最近とても感じる。

この、捨てられないときにやってしまう悪いクセが、資格取得や何かを学び始める、ということ。膨大な数の求人票を見ていると、決めきれず、だんだんイヤになってきて、学ぶことに逃げてしまう自分がいる。

何かを勉強している間って、他の事をいったん忘れることができるし、一定の充実感も得られるから。そして、将来ひょっとしたら選択肢になるかもしれない仕事を捨てる必要がないから。

こんな風に考えるのは私だけではなく、出産や子育て・介護などでブランクができてしまった女性に割と多いみたいだ。自信がない→手にスキル→まずは、勉強・資格、という構図。資格をとることや勉強することが悪いのではない。「塾で英語を教えたい」→英検取得、ならばいいのだが、「将来使えるかもしれないから、英語でもやっとこう」が就職するためには逆効果になるのではと思うのだ。

たくさん選択肢を増やして抱え込むのではなく、捨てていくこと。難しいことだけど、自分にとって大切なものを明らかにするためには不可欠な作業。


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