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難解なんて言わせない日本一わかりやすい!映画「インターステラー」あらすじ解説

こんにちは映画鑑賞が趣味で2023年は100作品以上観てましたAyumiです!

久しぶりの映画記事になりますが、今回は映画「インターステラー」について書いていきます。

相対性理論とか、量子力学とか、特異点とか物理学に馴染みがない人には超難関な映画作品。

私自身、何度も視聴を試みましたが最後まで観れたことは一度もありませんでした。しかし、世界的に話題を集めたSF作品であり、映画好きなら一度は観るべきだろうとリトライ!!!

今回奇跡的に、2時間49分最後まで鑑賞することができたので、本記事では映画「インターステラー」の魅力について書いていきます。

私と同じように「難解過ぎる・・・」「よくわからん・・・」という理由で離脱した人も多いのではないでしょうか。そんな方々の手助けになればと思います。

映画「インターステラー」あらすじ

この映画のあらすじは以下です。

突然の環境変化によって異常気象が発生した地球。人類滅亡危機が危ぶまれる中、居住可能な新たな惑星を探すというミッションに任命された元宇宙飛行士のクーパー。幼い子どもを持つ彼は「必ず戻ってくる」と娘に言い残し未知の銀河系に向けて出発する。果たして、人類が生きられる惑星を見つけることができるのか?クーパーは娘と再会できるのか?

ストーリー自体はよくあるSF物語です。しかし、難解な作品とされるのは本作品の企画に物理学者キップ・ソーンという人物が関わっているからでしょう。

※本記事の目的は、「初めて見る人でも理解できるよう作品を分解していくこと」なので、あまり物理学の何とかかんとかまでは触れません。

まず大枠として以下のことを理解していれば大丈夫です。

①異常気象が発生した地球、人間が生活できない時代がすぐそこに。
②地球が崩壊する前に、人間が生活できる惑星を探す必要がある。
③主人公クーパーは幼い子どもを残し惑星を探す旅に出る

「ラザロ計画」とかブラックホールとか特異点とか最初は理解できなくてもOKです!

映画「インターステラー」が難解な理由

先ほど、ストーリー自体はよくあるSF物語だと書きました。ではなぜ、難解な作品とされているのでしょうか。

それは、映画「インターステラー」の企画には、物理学者キップ・ソーンという人物が関わっているから。本作において超重要な人物でもあります。

物理学者キップ・ソーンは、アインシュタインの最後の宿題といわれる「重力波」を世界で初めて検出し、2017年にノーベル物理学賞を受賞した人物。

そんな理論物理学界のスーパースターが、映画「インターステラー」の製作総指揮に名を連ねているだけあって、本作には科学用語がたくさん。それもあって難解な映画となっているのですね。

重力波を理解すると映画の面白さが増すので少し解説します。

重力波を象徴する映画冒頭シーン

映画冒頭で本棚から本が勝手に落ちるというポルターガイスト現象が発生します。これがノーベル物理学賞受賞に至った「重力波」によるものという設定。

※映画が公開された段階では、現実世界で重力波の観測はされていませんでした。

本が勝手に落ちるポルターガイスト現象は、映画終盤のシーンに繋がります。テサラクト空間(5次元空間)を利用して、クーパーが娘のマーフに特異点をデータ伝送したところです。

映画公開後に重力波が観測される

SF作品とは、科学的な空想に基づいたフィクションの総称。この作品が制作された段階ではまだ「重力波」の観測はされていませんでした。

しかし映画公開日から約10ヶ月後の2015年9月14日、人類は初めて重力波を観測。そしてこの観測に関わっていた人物こそ、物理学者キップ・ソーンなのです。凄くないですか!!!!!

ただ、ここで観測された重力波はとても小さく観測自体難しいほどでした。映画のワンシーンでもある、マーフに特異点を伝えるために使った重力波と原理的には同じとされていますが、本を動かすほどの力は無いとされています。

重力波とは、ブラックホールのような大きな質量を持つものがある特定の運動をすることで時空が歪む現象のこと。

ちょっと難しい話になりますが、観測された重力波がどれだけ小さいものだったのか以下記載。

重力波の到達による時空の歪み度合いは、1kmの棒が約0.0000000000001cm伸び縮みする程度であり、肉眼では到底観測することは不可能なレベルです。

人類滅亡回避プログラム「ラザロ計画」の結末

冒頭で、「ラザロ計画」の理解度は低くてもOKと書きましたが、ここを知ると登場人物の感情に入り込めるので、もう一歩映画を理解したい人は覚えておきましょう。

「ラザロ計画」の概要は以下です。

1.プランAとプランBがある
2.プランA:人類が移住可能な惑星を見つけるプロジェクト(地球上の人は助かる)
3.プランB:プランAが不可の時のバックアッププラン。種の保存が目的で移住先の惑星で人工培養する計画(地球上の人は助からない)

彼らは「ラザロ計画A」を実現するために宇宙へ旅立ちました。一刻も早く、移住可能な惑星を見つけなければ人類は滅亡してしまう・・・。

しかし、ラザロ計画Aには大きな問題がありました。

「ラザロ計画」の大きな欠陥

ラザロ計画Aについてもう少し深堀りします。

人類が生存できる惑星をみつける移住プロジェクト。宇宙ステーションを建設し地球の外に脱出するプロジェクトですが、この巨大建設物を打ち上げるには”重力”をコントロールする必要がありました。

必要な”重力”を求めるための方程式があるのですが、プロジェクト発足時にはまだ完成していなかったんですね。仮に、人類が移住できる惑星を見つけたとしても、そこで援助が来るまで船員は待機する必要があったのです。

更に問題なのが、この方程式を解くためにはブラックホールの内側(特異点)を観測する必要があるということ。

しかし、ブラックホールの内側に一度入ってしまうとそこからの脱出が不可能になってしまいます。

実質「ラザロ計画A」は実現不可能なプロジェクトということになってしまうんですね。ブランド教授もこのことは知っていました。方程式は絶対に解けないということを知りつつ、隠していた理由はわかりません。

クーパー達は「ラザロ計画A」実現のために任務遂行する

ラザロ計画プランAは実現不可能にも関わらず、その事実を伝えていなかったブランド教授。それ故、クーパー達は、人類が移住できる惑星を探し続けます。

どのようにし惑星を探しているのか・・・?気になりますよね。

実は、48年前に地球の近くにワームホール(時空の抜け道)が出現。探索船のうち3隻から人類が生存できる可能性が高い惑星を見つけたという報告(通信記録)があがっていました。それを元に、クーパー達は惑星に向かっていたんですね。

そして、”重力”の方程式が解けるのをひたすら待つのです。

映画「インタステラー」のテーマ:愛こそがすべて

宇宙とか物理学用語とかたくさん出ますが結局、この映画で伝えたいことは何なのか・・・。結論、愛だと思います。

それを表すのが映画中盤、「マン博士の惑星とエドマンズ博士の惑星、どちらに行くべきか」を激論するシーン。

クーパーは生存信号を送っているマン博士の惑星に行くことを推しますが、アメリアはエドマンズ博士の惑星を優先すべきだと主張。

クーパーの主張:マン博士の惑星に行こう!生存信号が確認できるから。人類が住める惑星に辿り着けるぞ!
アメリアの主張:エドマンズ博士の惑星に行くべきよ!

アメリアは何故エドマンズ博士の惑星を優先するのか・・・?

クーパーは、エドマンズがアメリアの恋人であったことを見抜き、判断に私情を挟んでいると非難します。

アメリアをその指摘を認めた上で以下のセリフを語ります。

正直な気持ちに従いたいの。私たちは理論に縛られ過ぎている。聞いて・・、だって愛は人間が発明したものじゃない。愛は観察可能な力よ、何か意味があるの。(中略)10年も会っていない人に銀河を超え引き寄せられている。おそらくもう死んでいる人に、愛は私たちにも感知できる。

本作のテーマはこのセリフに全て込められているといっても過言ではありません。

「愛こそがすべて」そう考えると、最後スペースコロニーで家族と再会して終わり、というオチにも納得がいきます。

ラストシーンでアメリアが宇宙服のヘルメットを脱いだことでも明らかなように、エドマンズ博士の惑星こそ、移住可能な新しいフロンティアでした。

人類が移住できる惑星を探すという「ラザロ計画」を実現するのなら、まだ話の続きがあってもおかしくありません。

・結局、地球上の人々はどうなったの?完全移住できたの?→作品上はたぶんスペースコロニーに移住してます。
・何故、クーパーはブラックホールから脱出できたのか?
・特異点の伝達方法が簡単なモールス信号で成り立つのか?
などなどツッコミどころ満載ですが、それら全て「愛」のひと言で完結するのです。

愛の力が人類最後の希望を引き寄せ、愛の力によって「ラザロ計画」が達成されることが高らかに謳い上げられています。

ぜひ、映画「インターステラー」に興味を持った方は一度観てみてください。

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