虹色の埃。真っ赤な噓。

掃除を終えて窓辺に座っていると、まだ舞っている細かい埃に挿すように日が当たり、虹色に光っている。
虹色の埃。
埃なのにきれい。
思わず両手で掬いたくなる。

光は、花を活けた手作りガラスの器を通り、屈折してあたっているようだった。

やがて埃は落ち着き始め、虹色のきらきらしたものは少なくなっていった。
こんな僅かな間にも日は動き、次のものを照らし始めた。
太宰府でお土産に買ってきたうそ木の赤い吊るし紐に光が集まり始めた。
屈折した光はぼんやりとあたり、鷽(うそ)の頭を赤くまあるく染めている。まんまるの真っ赤な光をかぶっているようだ。

わたしは昨日ついた嘘を思い出した。何か意味があるようにしか見えない。虹色の埃のきらきらを浴びるわたしの真っ赤な噓は、多分…… 「本当」に変わるんだ。

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