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ことばをもっと巧みに使えるようになりたい|『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』


「自分の思いや誰かの思いに的確なことばを与えられるようになりたい」

 
古賀史健さんの『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』を読んで、私が一番強く思ったことです。


この本は、読者を楽しませる原稿を書くためにはどうすれば良いかを「取材」「執筆」「推敲」の3点から説明していました。
 
「取材」「執筆」「推敲」の3つの工程に関する技術や方法について、「これでもか!」というほど書かれた本書。古賀さんの書くことに対する熱い思いと、「自分の持っている知識をひとりでも多くの人に共有したい」という博愛さも感じられました。
 
先日読んだ古賀さんの別の著書『20歳の自分に受けさせたい講義』が、何倍も何十倍もパワーアップしたような本でした。

※『20歳の自分に受けさせたい講義』の感想noteはこちら↓


さて、冒頭に書いた「自分の思いや誰かの思いに的確なことばを与えられるようになりたい」。なぜ私がこのように思ったのかを書いていきたいと思います。
 
 
まず前提として、古賀さんは「ライターはただ書くのではなく、翻訳をしよう」と本書で述べていました。そして、古賀さんの考える「翻訳」とは次のようなことでした。

翻訳とは、自分の思いや誰かの思いに的確なことばを与えて伝えること。
理想は取材した相手から「まさにこう言いたかったんだよ」と感謝されること。

この考えを受けて、私は「たしかにその通りだ…!」と納得しました。
 
そもそもライターは何のために文章を書いて、しかも公開するのかと言うと、「自分や誰かの思いをひとりでも多くの人に届けるため」だと思います。しかし、書いた文章が、誰かの思いと全く異なることが書かれていたり、何が言いたいのか分かりづらい表現で書かれていたりすると、その思いは読者に伝わりにくくなってしまいます。極端に言えば、その思いがなかったものと同然のようになってしまうでしょう。
 
誰かの思いを多くの人に届けるためには、その思いをぴったりと表すようなことばを使うこと。これが最も大事な要素の一つだと思います。
 
自分の思いや誰かの思いを無きものとしないように、ひとりでも多くの人に伝えられるように、使うことばをよく考えるようにしたいと、そんな風に思いました。そして、究極の理想は「まさにこういうことが言いたかったんだよ」と語り手から言われることです。
 
 
 
…しかし、自分や誰かの思いをぴったりと表すことばを考えることは簡単ではないと日々感じています。
 
これを克服するためには、普段からことばに対してどれだけ向き合うかが、きっと大切なのだと思いました。
 

例えばアニメやドラマを見て「面白かった!」と感じたとき、「どうして面白いと感じたのか?」「なぜそのシーンに感動したのか?」などと自分に訊いて、ことばに書き出すようにしたいと思います。
 
また美味しい物を食べたとき、私は普段「美味しい~~」か「幸せ~~」くらいのことばしか使ってません。(友人にも「語彙力w」とよく笑われます)

私が「美味しい~~、幸せ~~」しか言わないのに対して、
友人は「ブロッコリーが火が通っていることで、
風味がより出ていて美味しい」という素晴らしい感想を言っていました。

もっと美味しさを表す表現を勉強してみたいと思っています。少し調べたところ、おいしさを表すことばを「シズルワード」と言うそうです。


このように、自分の思ったことをとにかく書き出してみたり、いろんな本を読んでことばや表現力を学んだりすることで、誰かの思いを適切に言語化できたり、的確なことばを与えられるように精進したいです。

***

今回は「翻訳=的確なことばを与えること」について取り上げましたが、この本にはまだまだ多くのライティングに関わる技術や方法が書かれていました。書くことに向き合う度に何度も読み返して、この本に書いてあることを少しずつ身に付けていきたいたいです。
 
 
きっと、これから何度もお世話になる本なんだろうな、と思っています。
「これからもよろしくお願いします」と本にあいさつをして終わりたいと思います。

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