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「健康管理を本気で考え直す会」の活動記録③カウンセリングサービス(EAP)

こんにちは、渡辺です。
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズというコンサルティング会社で人事の仕事をしています。

この記事は「健康管理を本気で考え直す会」の3回目の記事です。
過去記事は以下をご覧ください。

最終回である3回目は、社員のメンタルヘルス支援、いわゆるEAP(Employee Assitant Program)についてです。

課題意識:あまり使われていない、周知もしていない

これまでもあるカウンセリング・サービスを利用していました。
しかし、利用件数を見たり社員の声を聞いたりしても、あまり有効に活用できていない気持ちを持っていたのが実情です。

当時契約していたカウンセリング・サービスは「対面あるいは電話が基本」であり、オンライン面談は「コロナ禍の暫定的な対応」という位置づけでした。

私自身も過去にメンタル的につらくなってしまった時期があるんですが、つらい時って誰かに助けを求めたい一方で、「電話を掛ける」という行為にめちゃくちゃハードルを感じませんか。
かつ、どんな人が自分の相談相手になってくれるのか、当日になるまで分からない。これもなんだか不安。

(それでも当時は重い腰を上げて、電話を掛けて訪問して相談しました。その経験自体は良かったと思います)

この経験もあり、当時契約していたサービスに対しては「社員に使ってほしい」と私自身が心から思っておらず、社員に対する周知もつい後回しにしてしまっていました。

ただ、相談先の候補として「利害関係のない社外の人」という選択肢ががあること自体は有用なのだと当時も今も思っています。

Smart相談室を使い始めた

上記の課題意識に対して、2023年4月からSmart相談室を使い始めました。

Smart相談室はSmartHRのグループ会社であり、法人向けオンラインカウンセリング・サービスを提供している会社です。

以前使っていたサービスと異なりオンライン専業であるため、予約から日程調整、相談までをオンラインの動線で完結している点が特徴です。

9カ月使ってみての感想

小学生みたいな感想ですが、9カ月使ってみた現時点での感想は、良い感じです。

システム管理者視点での感想

SmartHRのグループ会社ということもあり、従業員情報、在職/退職ステータスの情報連携が簡単です。
SmartHR側で「退職」にすると、Smart相談室のアカウントも自動でオフになります。当たり前のことかもしれないけど、便利。

また、SmartHRトップ画面にSmart相談室のメニューが表示できるので、アクセス動線も優れていると思います。

ユーザーとして使ってみた感想

自分もいちユーザーとして使ってみました。
私は日程調整のプロセスにメール・電話の手段が挟まると興ざめしてしまうタイプなのですが、よくある会議日程調整ツールと同じ感覚で画面上ですべて完結するのは気持ちいいですね。
Outlookのメールアドレスを自分で入力するので、スケジュールが自動送信されてくるのも便利。

社員の感想

実際に利用した社員からフィードバックをもらいました。
本人に同意を得たうえで、匿名で記載します。

本日相談室を使いました。結論から言うと、とても良かったです。
相談した背景としては、入社から時間が経過して、予想はしていたものの仕事に対する難しさを感じており、前に進むための手段を考えた時に、smart相談室を1つの打ち手として考え、使ってみました。
業務の深い話をしたわけではないのですが、状況を素早くキャッチアップしてもらい、心の中にあるネガティブ要素とそれに対する向き合い方のヒントをいただけた気がします。
相談先の一つとしてはとても有効ですし、心に関する相談もしやすいと感じました。

・社内ではしづらい相談をもって行ける先があるのが嬉しい。
・相談フォームへ到達しやすかった。
  smartHRから行ける、動線がいい。
  よく〇〇相談とか各企業にあるが、たいていの人は通常利用しないのでどこにあるか把握していない人も多いイメージ。
  スマート相談室は名前もあって、サービスに到達しやすい。
  結果的に利用しやすさに繋がっているのかと思った。
・(カウンセリングの内容)自身のメンタルの影響もあるかもしれないが、1人目の人は正直微妙。2人目の人は本当に寄り添ってくれた感じがあったのでよかった。
・今後は辛い時だけでなくポジティブな相談でも使ってみたい。

言うまでもなく、全社員のうち利用経験があるのは一部に限られ、かつ今回フィードバックをくれたのもさらにその一部です。そのため、一握りの声かもしれません。
ですが、こうしたポジティブな反応は対面でも聞かせてもらったことがあります。総じてポジティブに受け止められているのではないでしょうか。

難しいところ:投資対効果の測り方

これはSmart相談室に限った問題ではありませんが、投資対効果の測り方は本当に難しいですね。

例えば極端な例ですが「今月の利用率が100%になりました」となったら、「それは会社自体がマズいのでは?」という話になりますよね笑
一方で「0%になりました」と言って喜ばしいわけでもない。
単に利用件数の推移だけでは投資対効果の是非を論じにくい領域だなと感じています。

これはカウンセリング・サービスの契約先切替を提案する段階から感じていた課題です。
今回私たちは、「健康管理を本気で考え直す会」として産業医・健康管理システム・カウンセリングサービスをセットで経営に見直しを提案しましたが「カウンセリング・サービス単体では提案は承認されなかっただろうなぁ」と振り返って思います。

もちろん効果は定量効果だけではありません。上記の社員のフィードバックのような定性効果も集めつつ、価値を定期的に検証しなければなと思っているところです。
(余談ですが、利用件数は概ね当初の想定レベルで推移しています)

まとめ

3回に分けてお届けした「健康管理を本気で考え直す会」の活動記録はここまでです。
実際には健康診断(定期・雇用時)も検討対象だったのですが、結局ここは手をつけなかったので割愛します。
既存の仕組みの良いところを残しつつ、課題のあるところに手を入れられたんじゃないかなと振り返って思います。

健康管理業務は日の当たりにくい領域だけど、思い切って取り組んでよかった。
この取組みの導入・定着をリードしてくれたTさん、本当にありがとうございました!
ここからの健康管理業務の運用こそがキモなので、いろいろ取り組んでいきます。

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