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白い析出がおひげのようで可愛いライオンさん湯口【湯の瀬温泉 湯の瀬旅館】

温泉湯口のド定番のひとつ「ライオン湯口」。
浴室にこのライオンさんがいると、温泉情緒が掻き立てられますよね。

こちらのライオンさんは、少し丸顔でつるんとした顔立ち。
つぶらな瞳も可愛いです。系統は昭和顔に分類されるでしょうか。

長年この浴室の湯口を張ってきたのか、温泉成分の白い析出物がしっかりこびりつき、おひげのような薄化粧をしています。
百獣の王といわれるライオンさんですが、こちらの方は安心感のある微笑ましい雰囲気。
ぜひ湯口さんとの対話を味わいながら湯浴みをしてください。

山形県の山あいにたたずむ「湯の瀬温泉 湯の瀬旅館」

この湯口さんがいらっしゃるのは、山形県の「湯の瀬温泉 湯の瀬旅館」さん。全長の23メートルの巨大露天風呂が有名な旅館ですが、ライオン湯口さんは内湯でお会いすることができます。

山形県の鶴岡市の山中にある湯の瀬温泉は、一軒宿の「湯の瀬旅館」のみある静かな温泉地。山の緑の中に赤い看板に青い屋根の建物がぽつんとたたずむ絵になる風景です。

名物の全長23メートル「混浴露天風呂」

宿のお風呂は男女別内湯と混浴露天風呂の3か所。
名物はやはり混浴の露天風呂なのですが、ビニールハウス風のドーム型のお風呂はなんと全長23メートルで幅は13メートル。水深は深いところで1メートル以上あり、立って入れるほどで。まるで小学校のプールみたい。
小さいころ、温泉のお風呂でバシャバシャ泳いで、お父さんに怒られたことがありましたが、ここなら心置きなく泳ぐことができます(と思います)。

もちろん、満たされているのは水ではなく源泉。こんなに広いとぬるいかと思いきや、結構熱めの適温でびっくりです。
湯の瀬温泉は湯量豊富で、毎分800リットルのお湯を、加水することなく贅沢に「源泉かけ流し」で豪快に注いでいます。

無色透明なお湯の中での混浴は、女性にとっては少しハードルが高いかもしれませんが、女性専用時間が設けられていたり、混浴時間帯は「湯浴み着」を貸し出してくれたりします。これがあれば、女性の方々も安心して入浴できるのはないでしょうか。

そんな圧巻の露天風呂ですが、残念ながら湯口は浴槽内注入型であまり魅力的ではありません。源泉が空気に触れず投入できるため、鮮度は抜群ですがね。

素朴でレトロなノスタルジック空間の「内湯」

お待ちかねのライオン湯口さんのいる内湯はこんな感じ。
2、3人はいればいっぱいの四角い湯船のこじんまりした素朴な作りです。
昭和レトロなタイルが可愛らしく、ライオン湯口とのマッチングも素晴らしい風情ある空間です。

つるつるすべすべな「美肌の湯」

湯の瀬温泉の泉質は、アルカリ性単純温泉。pH9.3という数値は、「石けん」に近い強アルカリ性です。
つるつるすべすべする肌触りのお湯は、典型的な「美肌の湯」。ほのかに甘い、アロマのような硫黄の香りはお湯が新鮮な証拠です。

刺激が少なくクセのないお湯は、老若男女問わず人気の高い、万人受する泉質です。また、肌馴染みのいい浴感は、湯あたりしにくいため、ゆっくりのんびりと長湯するのがおすすめです。

日本海の新鮮な魚介類が美味しい

旅館だけでなく、「鮮魚商」を営むという「湯の瀬旅館」。
毎日、地元鶴岡市の由良漁港から揚がった、新鮮な日本海の味を直接仕入れているのだそうです。
そのため、山あいにありながら、鮮度抜群の魚介類を堪能することができます。

湯上り後の食事は、温泉旅行ならではの贅沢な時間。お刺身に始まり、煮付け、焼き魚、フライ等々、魚介尽くしのボリューム満点なメニューに舌鼓。温泉に加え、美味しい食事があれば、ほかに何もいりません。

山形の親戚の家みたいな温かいおもてなしと湯口

「湯口」のほか、温泉と料理が魅力の「湯の瀬旅館」さん。館内は素朴でアットホームな雰囲気です。

心地よい山形弁を話す人懐っこい女将さんも素敵でした。そんな女将さんとライオンさん湯口に癒される、なんだか田舎のおばちゃん家に立ち寄ったかのような、ほっと安心できる素敵な宿でした。今更ですが、こちらの湯口は「熊さん」にも見えますね。

【湯の瀬温泉 湯の瀬旅館】
住所:山形県鶴岡市戸沢字神子谷103-2
電話:0235-45-2737
URL:https://yunose.jp/

泉質:アルカリ性単純温泉(低張性 アルカリ性 高温泉)
源泉温度:48.1℃
pH:9.3
湧出量:800ℓ/分(動力)
加水:なし
加温:なし
加温:なし
消毒:なし
利用状況:かけ流し
※訪問時の情報です(2017年8月)

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